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「最近のゲームは余計なものが多すぎる論」について

 「レトロゲームには余計なものがないから面白い」よくこんなこと言うひといます。

 レトロゲームは容量が制限されていた分、創意と工夫にあふれており、面白い要素だけが凝縮されている。それにくらべ、最近のゲームは余計なものが多すぎてつまらんといった論調だ。なんだか、もっともらしい意見に聞こえるけど、僕は「ちょっと気になる言い回しだな」と思ったのである。


<コノハムシに「頭いい」って言っちゃうやつ>

 まず、間違っちゃいけないのが、レトロゲームは“結果的にそうなっている”ということだ。当時の開発者が、当時の技術で、当時の環境で、できる限りのことを尽くして、制作した結果が、今日に残るレトロゲームなのだ。

yun_14581.jpg
 写真:ゆんフリー写真素材集

 たとえば「コノハムシ」という昆虫は、その名の通り、見た目が“葉っぱにそっくり”なので、敵の目をあざむくことができる。

 テレビでそういう虫が出てくると「頭いいなあ」って思わず感心しちゃうことあるけど、よく考えると、コノハムシだって、あえてそうなったわけではないのだ。ダーウィンの進化論風に言うなら、彼らはたまたま厳しい自然環境の中で、より葉っぱに似てる固体が、(途方も無い年月を経て)、生き残ってきただけである。

 だからコノハムシのことを狡猾だとか、自然の知恵とか言って、持ち上げるのは、ちょっとズレてる気がするし、まあズレてるだけなら別にいいんだけど、「それにくらべて他の虫は」とか言い出したら、どんどんおかしくなってくる。バッターボックスでテニスのラケットを構えてるようなもんだ。(うーん、たとえが下手!)

 レトロゲームはコノハムシじゃないけど、結果的にそうなっているだけなのに、あえてそうなっているかのように扱われがちという点では似ていると思うのだ。


<対立をあおっているのは誰か?>

 そもそも人々がゲームに対して何を望んでいたのか。それはゲームの進化が、すべてを物語っていると思う。

 当時のゲーム開発者たちは、もっと色んな要素を詰め込みたかったはずなのだ。もっと綺麗な画像で、リアルな音で、ゲームをつくりたかったはずなのだ。容量の関係で泣く泣くデータを削っていたなんていう開発エピソードは枚挙にいとまがない。

 一方、我々ユーザーも、もっと綺麗で、もっとリアルなゲームを望んでいた。そして、お望み通りゲームは進化していったはずではないか……

 それなのに「レトロゲームこそ芸術」だとか「レトロゲームこそ至高」とかいって必要以上に持ち上げているひとたちがいる。そしてそういうひとたちに限って、「レトロゲームvs最近のゲーム」という対立構造をつくりたがり、最近のゲームをやたら攻撃したがるのだ。そのくせ、懐古主義者というレッテルを貼られることに対して、異常に反応したりするんだよね。

 そもそも対立をあおっているのは、自分たちなのに……


<余計なものが多すぎるのは最近のゲームではない>

 逆に考えてみよう。

 レトロゲームに余計なものがいっさいなく、面白さが凝縮しているなら、ゲームは進化する必要がなかったはずだ。グラフィックもカクカクのままで、音楽もピコピコのままでよかったじゃないか。任天堂もずっとファミコン出してりゃ良かったじゃないか。ゲーム業界は、なぜそうしなかったのか?

 バカバカしい疑問だよね。いい大人がこんなこと言ってたら大恥だ。

 それでも昔は良かった。最近のゲームがつまらないと言うならば、理由は簡単だ。それは「あんたが年を取った」それだけのことである。
 年を取れば反射神経もにぶってくるし、素直に感情移入もできなくなるし、ゲームにどっぷり向き合う時間もなくなってくる。つまり余計なものが多すぎるのは最近のゲームではなく、自分の体であり(脂肪とか)、頭であり(固定観念とか)、実生活だったのだ(残業とか、キャバクラ通いとか)。

 そう考えると「最近のゲームは余計なものが多すぎてつまらん」というひとたちはゲームが楽しめなくなった原因を、ゲームになすりつけているだけなのかもしれない。僕の抱いた違和感はこれだったのか!


<最後に>

 面白いとか、つまらないとかいうのは、感情の問題であり、それ自体を否定するつもりは、まったくありません。今回は「最近のゲームは余計なものが多すぎる」とかいった論調に、僕が抱いた違和感は何だったのか、考えてみただけです。
 したがって、実際に余計なものが多い最近のゲームもあるでしょう。しかしながら、ひとは何かの原因を(まったく無条件に)他者に求めがちなんじゃないでしょうか……

 まずは、自分自身を見つめ直すところから始めないといけないのかなと、今回は、そんな教訓を得たような気がするのでした。(とくにオチはない)



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コメント

まったくその通りだと思う。
似たものに「最近のゲームはぬるくてダメ。難易度の高い昔のゲームは良い」とかもあるよね。そこからさらに「昔の難易度の高い(または理不尽な)ゲームを知らない若い奴らはダメ」みたいなふうに持って行ったりして。
まるで当時のプレーヤーは皆、時には理不尽でさえあった難易度の高いゲームに何の疑問も抱いていなかったかのように言う。

この手の話題がよく議論に上がるけど、「最近のゲーム」をつまらなく感じる理由があるとしたら、言わば「マンネリ感」的なものかなぁ。
シリーズ物も多くなったし、開発費の高騰、長引く不況も手伝って「手堅く売れるゲーム」を追求し過ぎた結果、どんどん保守的になっているという。
「余計なものが多い論」については大作主義化の功罪でもあると思うし、ユーザーがそれを望んだ結果であるだろうし。でも個人的にはやや賛同かな。音ゲーやってて突然「イベント」と称した別のゲームが始まったりするのは正直ウッ頭が…。
ま、この問題、要は賛否両論、ってことでFAじゃね?

例えばいまファミコンを押入から引っ張りだして遊んでも15分くらいでもういいやとなるんだよね。
現代のゲームは10時間やそこらではキリがつかないし、それをして余計なものが増えてめんどくさいということはできるけど、そもそも10時間なり遊ばせるだけの仕掛けがしてあるのは事実だよね。
複雑で面倒なポケモンやモンハンをあんまり面白いと思わない自分はやはり年寄りなんだろうw

結果的にそうなっている、というのはその通りだと思うけど、
「ずっとファミコン出してりゃ良かった」という部分はただの子供の屁理屈のように感じた。
芸術でも娯楽でも、時代を経て新たな視点から再評価されるのはよくあることです。発展したはずなのに失われてしまう物もたくさんあるのです。

ドラクエXなんかがいい例かもしれない
昔から(と言うより昔のが適切か)のドラクエファンはオンラインになったXに否定的な人が多い様に感じるし、オンラインゲームを楽しんだことがある人からすればタイトルがドラクエなだけで他のオンラインゲームと変わらない。
肯定、否定にしたって結局は好みの問題かもしれないが…。
シリーズもの、新規タイトルにしたって過去の作品やそのジャンルからの継ぎ足し、使い回し、になって行っている感は否めない。
(どんな物にも言えることで仕方が無いことではある。)
過去のものを知っている人ほど、楽しめないのはこのせいかと。
その使い回し、継ぎ足しを悪い様に言えばバレないように、良い様に言えば、オリジナリティを出すために余計なものを付加せざるを得ない。

綺麗にまとまって、角のなくなった石。
ゴツゴツとした、角だらけの荒い石。
元々は同じ岩から出来た石かもしれないが、それぞれ石としては全く違うもの。
アラが目立つから良い戸言う人もいれば、整っているから良いと言う人もいる。
さらには泥が付いているからこそこの石は良いんだと言う人もいる。

何がどうとは言い切れない問題なんでしょうね。

本当に対立を煽ってるのはどっち?

>それなのに「レトロゲームこそ芸術」だとか「レトロゲームこそ至高」とかいって
>必要以上に持ち上げているひとたちがいる。
>そしてそういうひとたちに限って、「レトロゲームvs最近のゲーム」という
>対立構造をつくりたがり、最近のゲームをやたら攻撃したがるのだ。
>そのくせ、懐古主義者というレッテルを貼られることに対して、
>異常に反応したりするんだよね。

↑こういう人たちってどこにいるの?
具体的に。
昔はよくいたかもしれないけど、最近は全然見ないけど。
まさか匿名掲示板とかの「大きな声」にいちいち反応してるんじゃないよね?

多感な時期の原体験は、どうしても美化されるし、
長年遊び続けていたら、慣れて・だれて、昔の方が良かったになるのは当然かも。
本当にゲームの事が好きなら、それも含めて、新しい最近のゲームを遊んで、
「ここは昔の方が」「いや、最近のもなかなか」
と比べながら遊び続けられると思うんですけどね。
遊ばずに文句言う人は、あんまりゲーム好きじゃない・合っていないだけだと思います。

こういうのは今のゲームも昔のゲームもたいしてやってない奴が言ってる
元々ライトユーザー程度だった奴が無い知識や後付の理由で分かったようなことを言って威張りたがる
つっこんで具体例あげさせたらすぐにボロが出てキレて誤魔化し始めるよ

一時期「ゲームのグラが良くなると想像力の余地がなくなるからつまらない」
(でもFF6やKOFシリーズの書き込まれた繊細なドット絵は「ドット絵だから」とお咎め無し)
という突っ込みどころ満載の意見をドヤ顔で懐古厨が言いまくってたっけ
「ファンタジーみたいな非現実はリアルにするとシュールだから全てドット絵にすべき」なんてのもあった

>>2436
そのあたりは、ドット絵か否かで区別してるのではなく、漫画アニメ絵か否かで区別してるんじゃないかな。

もともと日本では芸術や娯楽の分野で、何かを何かに見立てて表現するような技法が発達していて、そういうものが受け入れられやすい土壌があります。
さらに言えば、直接表現してしまうのは野暮ったいとまで感じてしまうw
実写的な絵作りを頑なに受け入れない人がいるのは、日本人のそういった文化的素養が影響しているのかもしれませんね。

80年代もPCゲームが複雑化、高難易度化していく中でイースがでてきてひっくり返ったし。
ほとんどのジャンルが出尽くしたと思えた80年代の終わり頃に出たテトリスも然り。
PS2のICOもMGS2の複雑さにウンザリしてた俺には色々と見直す切っ掛けになったようにも思うわ。

こういうのは何時の時代にもあって
レトロゲーマーの戯言で流していいものかどうか考えるね。

「昔のゲームは質素にしたくて質素になってたのではない」、そこまではいい。
現に、昔は偉大なゲームを作ってた作家が今はそれほど活躍してない。
だけどそこから言えるのは、せいぜい「昔のゲーム作家は、それほど自覚的に、全てを意のままに制御して名作を作ったというほどには、凄くはない」ということだけだろう。
それ以上のことを言うのは言い過ぎ。

昔のゲームの方が良かったのは音楽かな。
数オクターブを上から下まで使い倒す。短くても印象的なメロディライン。
著作権がアレな時代だったからこそ出来た秀逸なアレンジ。
わざわざ専門のチップを乗せるまでのこだわり。

制約があった(なかったw)からこそ生まれたゲーム音楽の名曲は
今のものとは違った輝きを当時から変わらず放っていますね。

若者やゲーマー向けの宣伝に力いれてる有名なゲームばかりに目がいって
今でもある自分の需要にあった単純明快なゲームに目が言ってないんだよ
そういう奴がよく知らないからと話題性だけでMGSとかバイオとかFFの最新作買って「今のゲームはクソ」とか言い始める
それ「今のゲーム」じゃなくて「その個々の作品の内容」とあんたとの相性の問題だから…

そういう奴に自分にあったゲームを探せと言ったら「探さなきゃ逢えないゲーム業界の現状自体が問題」なんて言う始末
古臭い需要に答えたゲームはいくらでもあるのにそれにたどり着く気力はない
要するに「自分がやりたいゲーム」じゃなくて「みんながやってるゲーム」だけを漠然と買ってただけの奴の成れの果て

最近のゲームがつまらない理由?
んなのセガハードがなくなったからに決まってる。
俺の中では本気で。

これは何かを楽しむのにも才能がいるって話
何かをどこまで楽しめるかいつまで楽しめるかってのは人それぞれ限界が違う数字なんだよ
一口に何かを好きだなんて言ってもそれを一生続けられる奴なんて殆どいやしない
ゲームに限れば才能がある人はいつの時代のゲームも寛容な精神で楽しめるけど
才能が無い人は自分が楽しめなくなった自分がついていけなくなったことに気付かずに
ゲームが変わってしまったことにしてしまうんだ
楽しむ才能の限界が早々に訪れる人は割り切りやすくいい思いでで終わり次の何かに行けるけど
中途半端に成長してしまった人はある意味苦しいだろうな
今まであんなに面白かったのに何でこんなにつまらなくなっちゃったんだろう?
ゲームが嫌いになったわけじゃないのに…って混乱するからね
過去を過剰に持ち上げて今を否定する多くの人はそういうことだと思うな

半分はその通りと思うけど、半分は違う気がする。

例えばアドベンチャーゲームは昔はコマンド入力式だった。
コマンド入力っていうのは格闘ゲームでいう「コマンド入力」とは違くて
「ヒガシ イク」とか「ツクエ シラベル」とか「フク トル」とか
自分でコマンドを入力する必要があった。
更に初期は「OPEN DOOR」とか「USE HAMMER」とか英語で
どういう単語を使うのかのヒントも無かった。
こういう時代のADVを指して「昔は良かった」って言う懐古主義の人も居るけど
そういう人は未プレイのこの時代のADVをやって本当に今面白いと思うのか?と思う。
なるべくしてコマンド選択式ADVやアクションアドベンチャーに進化していったんだと思うし
本文の「ゲームの進化」は大体こういうことを言いたいんだと思う。

でも、例えば「最初のゲーム」であるPONGはスカッシュ(壁うちテニス)をゲーム化したけど
今の技術でスカッシュのゲームを作るとすれば、当然のように「ラケットを振る」動作があるだろうし
もしかしたらフォアハンド・バックハンド、球を打つ強弱も選べるかも知れない。
だけどPONGは「単なる一枚の板を左右に動かすだけ」というシンプルな記号化で分かりやすくなってる。
ゲーム的要素の付加価値を付けないリアルなスカッシュシミュレータとPONGを比べたとき
「PONGのほうが面白い」という人が居てもおかしくないと思う。

記号化もだけど、昔のゲームは完全な表現が出来ない制約があったからこその工夫がよくあった。
今は表現の幅が広がって「敢えてその工夫をする必要がない」場合も多い。
ポリゴンではなくドット絵、なんてのもこっちになると思う。
そういう「工夫の部分こそが面白かった」という人の気持ちは分かる。

でも今でもそういう工夫は生きてることも多いし
そういう今のゲームをやりもしないで
「昔は良かった」って言ってる人はどうかと思うけどね。

根本が面白ければどうなっても面白いと思うんだけど
ゲームの為の演出なのか、演出の為のゲームなのか良く分からないのも多い
出来る事が増えていったら根本が薄まっちゃったって感じ

皆さんコメントありがとうございます。本当に色んな角度から意見くださり、勉強になります。

>>2432さん
>芸術でも娯楽でも、時代を経て新たな視点から再評価されるのはよくあること

 あえてそうなったわけでもないものに、あとから色んな解釈をつけて、楽しむこと自体はなんら悪いことじゃないし、僕もやってる。ロック音楽なんか例にとると、昔は録音環境が悪く、音質が悪いものが多かったけど、むしろそのほうがいいというファンも多い。今回のエントリーでは、そんな楽しみ方を否定しているつもりはまったくなかったのだけど、そのへんの考察が足りなかったのも事実です。素直に反省したい。

 
>>2434さん
 この段は「そういうひとたちがいる」と書いてありますが「あなたは大丈夫ですか」って投げかけでもあります。たしかに過激派みたいなひとたちはあまり見かけませんが、先月、ツイッターでとある人物の、本タイトルのような趣旨の発言を見かけたのがエントリーのきっかけです。他にも似たような発言を多く見かけました。そしてほとんどのひとが無自覚なんですね。自分では対立構造をあおっていると思っていないんです。そのくせ懐古主義という言葉を毛嫌いしたりして。なんか矛盾してるなって思ったんです。下手な過激派よりも、そういう無自覚のひとのほうがよっぽどあやういなと、老婆心ながら感じたのです。

おっさんだけどファミコン時代が一番面白かったとは思えない。
色々と冒険してるゲームが出てたスーファミ~プレステセガサターン時代が一番面白かった。
今は厳しいご時勢だから、ゲーム会社も生き残るのに必死で安定感のあるゲームしか作らなくなった。
昔はクソゲーから神ゲー30~100点のふり幅があったのが、安定感はあるけど驚くほどの名作が生まれない60~80点くらいのゲームになっちゃったって感じ。

実際問題黄金期というのはあるもんだし、
成長や進化の過程で、切り捨ててしまったものの中に、大事なものは案外たくさんある、というのはなんにでも言えることでしょう。

江戸時代には、今はなき素晴らしい文化があったり。
ハイテクだから今のほうが良い時代、というのは、一元的な見方ですよ。
恐竜は鳥になるにあたって、大きな体を捨ててるんですよ。
反論としては、そうしないと生き残れなかったじゃないか、というのがあるんだけど。

初心を忘れていたり、温故知新の発見を見逃していたりすると、
懐古勢力の声が大きくなってくる。
対立したいんじゃなく、もっと面白いゲームが見たいという志は一緒ですよ。

懐古主義の声が大きいというのは、今のゲームに昔有った面白さに欠けるという事がたぶんあるからじゃないかな。
とても立派なハードばかりなのに、使い方が貧しいと感じることはあります。

良い記事だ。コメントもしっかりした意見ばかりで非常に考えさせられる。
Twitterのその話については仲間内でも疑問だったので、仲間にも紹介させていただきます。
これから出るドラクエ新作についても興味深いですよね。画質グラフィック重視のPS4で出すと同時に、ファミコンのような俯瞰視点の3DSも出すという話で、どちらが欲しいかと言われたら結構意見が分かれていましたし、
ひょっとすると、ゲームの進化が早すぎるから、ついていけていないだけ。
なのかもしれませんね。

オロちゃんニュース!!
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 失われたファミコン文化遺産「ショップシールの世界」2020年6月26日発売

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