<意外と知られていないのかも!?> 何年か前に実施された「昭和の象徴といえば?」というアンケート調査でファミコンが1位に輝いたことがありました。(
参照)
現在でも様々なメディア・書籍などが、昭和の玩具としてファミコンを取り上げているのを目にします。

でもファミコンっていうほど
昭和どっぷりじゃないんですよね。意外と知らないひとが多いのかもしれませんが、ファミコンが現役だったのは1983年~1994年
※1で、昭和が平成になったのが1989年1月8日ですから、実はファミコン時代ってけっこうな割合が平成だったりします。
つまり正確に言うとファミコンは「昭和・平成の玩具」なんですね。
<平成ファミコン時代> ハドソン・ナムコに続けとばかりに他メーカーが次々と参入し、たちまち日本中に熱狂的なファミコンブームが巻き起こったのは1985年のことでした。
平成の時代になるとさすがにその熱は冷めていきますが、むしろファミコンはそこから円熟期を迎えることになるのです。(多くのプレミアソフトがこの時期に誕生しています
※2)
平成以降の主な人気作品を見てましょう。
1989/1/8 ※元号が平成になる
1989/2/15 『ファミコンジャンプ 英雄列伝』
1989/3/17 『爆笑!! 人生劇場』
1989/4/20 『蒼き狼と白き牝鹿ジンギスカン』
1989/5/19 『天地を喰らう』
1989/6/25 『ガチャポン戦士2 カプセル戦記』
1989/7/27 『MOTHER』
1989/12/22 『悪魔城伝説』
1990/2/11 『ドラゴンクエストIV』
1990/4/27 『FF3』
1990/7/27 『Dr.マリオ』
1990/11/2 『三國志II』
1990/11/21 ※スーパーファミコン発売
1990/12/7 『T.M.N.T』
1991/3/21 『いただきストリート』
1991/4/26 『ラグランジュポイント』
1992/3/20 『SUPER桃太郎電鉄』
1993/3/23 『星のカービィ』
1993/5/21 『ジョイメカファイト』
ただし、スーファミが発売されると時代は一気にスーファミ一色に染まってしまいますので、平成が始まってスーファミが発売されるまでの2年弱の期間が、
本当の意味での平成ファミコン時代だったのかもしれません。
そう考えると『ドラクエ4』ってのは、完全な平成ファミコン時代の作品だったんですね。
『ドラクエ4』が『1』『2』『3』と毛色がちがうのは、ロトシリーズと天空シリーズの違いということもありますが、昭和と平成の違いもあったと考えると、また違った側面が見えてきたりします。
<昭和最後と平成最初のソフト> 昭和最後のファミコンソフトは何だったのか。調べてみると2本のタイトルが該当しました。それはタカラが販売した『スペースハリアー』とソフエルの『100万ドルキッド』でした。ともに1989年1月6日に発売されており、その2日後には平成の世がスタートしています。
※こちらはオロチ所有の『スペースハリアー』 そして記念すべき平成ファミコンソフト第1号となったのはタイトーがディスクで販売した『ハレーウォーズ』でした。こちらは1989年1月14日に書き換え開始されています。

※タイトル画面より
同ソフトはハレー彗星を題材にしたシューティングゲームで、もともとはタイトーが1986年に発表したアーケードゲームでした。ちょうどその年にハレー彗星が地球に接近しています。76年に1度しか来ない彗星ということで当時、僕の地元でも騒がれていましたが、結局、ぜんぜん見えませんでした(笑)
<ファミコンは永遠なり……> ファミコンでタイトルに「平成」が入ってるソフトは3本あります。
『究極ハリキリスタジアム 平成元年版』(1989/7/21)
『SDバトル大相撲 平成ヒーロー場所』(1990/4/20)
『平成天才バカボン』(1991/12/6)
逆にタイトルに昭和が入ってるファミコンソフトは1本も存在しないんですね。これは単なる偶然ではなく、ファミコンが新しい時代の幕開けと共に歩んできたゲーム機だということなんじゃないかと思います。
ときはバブル景気、人々は新しい時代に希望を抱いていました。
ファミコンはそんな夢広がる時代
※3を象徴していた存在だったと言ったら大げさでしょうか。でも、ひとつだけ確実なことが言えるとしたら、これから何十年、何百年経とうとも、ファミコンは後世の人々に語り継がれていくということです。
ファミコンが人々の記憶のなかで
〝夢の時代の象徴”として生き続けていくのだとしたら、そんな素敵なことはないですね。
※1 ちなみにディスクの書換サービスは2003年まで継続されていた。
※2 『ギミック』『烈火』『メタルスレイダーグローリー』『バトルフォーミュラ』など。
※3 「夢が広がるディスクシステム」は当時ディスクシステムのキャッチコピー。
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