昔から「かわいい子には旅をさせよ」と申します。でも僕の場合は「かわいい子にはレトロゲームをさせよ」なんですね。なぜかというと、たとえばこんな理由です↓
理由5:切り捨てた価値の復活 どうしてひとは大人になるとゲームをしなくなるのでしょうか?
ここで言うゲームとは“子どものときやっていたゲーム”のことです。すなわちレトロゲームと言い換えることができますね。つまり、大人はどうしてレトロゲームをやらなくなるのかってことです。そこには様々な原因があるでしょう。
今回は、そもそも
「低年齢層向けソフトが多かった」って話をしましょう。だって考えてみてください。家庭用ゲーム機として不動の地位を築いたファミコンからして当時のメインターゲットは小学生でしたからね。大人になったら趣向が合わなくなるのは当たり前なんです。

たとえば『けいさんゲーム』シリーズなどいわゆる
知育ソフトと呼ばれるようなものは、大人になったらまずプレイしませんよね。そうじゃなくても当時、名作と呼ばれていたようなソフトを大人になってからやると、ストーリーや演出が幼稚すぎてプレイする気がそがれたりしませんか?
そのまま押し入れにしまいこんで、二度とやらないってのがオチじゃないですか。
でもそれって逆に言えば、そういうソフトこそ
子どもには「どストライク」ってことですよね。正直言って「かわいい子にはレトロゲームをさせたほうがいい理由」シリーズは今回で5回目ですけど、なぜこの理由を最初に書かなかったのか、自分でも意味不明です(笑)

たとえば先日、小学校に入ったばかりの上の息子とPCエンジンの『PC電人』というシューティングゲームをやったんですよ。これがまたしょーもないんですよね。
まず目に付くのが
○○○○兆○○○○億点っていう得点表示なんですよ。

くっだらないでしょ。でも息子にしてみたら、それだけで面白いらしいんです。
プレイしていると
「お父さん、今、何点?」って聞いてきて(まだ漢字が読めないので)「12兆3800億点」とか応えると腹を抱えて笑うんです。もうね、10秒おきくらいに「お父さん、今、何点?」「お父さん、今、何点?」って聞いてきて、その度に僕が「15兆1200億点」とか応えると毎回、大爆笑なんですよ。(ひとりなのに)
あと、ちょっと汚い話で恐縮なんですけど、このゲーム、いわゆるボムが「ウンチボム」っていうしょーもない攻撃なんですよ。でも、威力はけっこう強いので(制限もないし)しょっちゅう出すことになるんです。すると息子は、この攻撃をする度に「ウン・ウン・ウン・ウン・ウンチパラダイス♪」って自作のギャグみたいなこと言いながら大喜びするんですよ。
ほんと、小学生ってしょーもない下ネタ好きですよね!
そしてゲームオーバーになると歌が流れるって演出があるんですが、これがまた敵キャラが挑発的なダンスをおどりながら「お前なんかぜんぜんダメよ」みたいに言ってくるんですよ。普通にうざいんですけど子どもは大ウケ。バカみたいな顔して、いっしょになって踊ってるんですよ。マジでしょーもないですよね(笑)
※ゲームオーバー時に挑発的ダンスをおどる敵キャラ でも僕は恐ろしいことに気づいてしまったんです……
そこには「しょーもない。しょーもない。」言いながらも息子といっしょに
心底『PC電人』を楽しんでいる自分がいたんですよ!
正直言って、さすがの僕も独りでレトロゲームを楽しむ能力は(全盛期とくらべたら)だいぶ落ちましたよ。せっかちな性格ってこともあるんでしょうね、オープニングデモとか、アクションゲームの途中に挿入されるストーリーパートとか、大人になってからまともに見たことすらありません。
でもこの前なんか『ボンバーマン'93』のオープニングを息子といっしょに、わくわくしながら見てる自分がいたんですよ。それって、プレイはするけど、今まで飛ばしていたような部分に、実は価値があったってことじゃないですか。
我々は勝手に大人になって、そのような価値を勝手に切り捨ててきたんじゃないかなって。僕は子どもとレトロゲームをやるようになって、ようやく気が付いたんですよ。
いや
“思い出した”と言ったほうが正しいのか……
ということはですよ?
前述したようにレトロゲーム(ここではファミコンやPCエンジンを意味します)の大半が子ども向けソフトならば、僕の中で
大半のレトロゲームの価値がこの瞬間に激増したことになります。ただでさえ一般人に比べたらレトロゲームが好きな僕なのに、その価値がさらに激増しちゃったら、もう、毎日がウンチパラダイス♪ですよ!(汚いっちゅうねん)
まさに遊ばれてこそのレトロゲームなんですね。さあ、そこのお父さん、押し入れにしまい込んであるレトロゲームを、今こそ出すときですよ!
(つづく)
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