最初に断っておくと、僕は正気です(笑)
まあとにかく聞いて下さいよ。先日、秋葉原BEEPに行ったとき、ショーケースに「XE-1AP」っていうコントローラが入ってたんですよ。メーカーは電波新聞社(マイコンソフト)で、定価13,800円もしたという逸品です。そしてのその最大の特徴はなんといってもその丸みを帯びた独特のフォルム。それこそ
XE-1APが通称「カブトガニ」と呼ばれている所以なのでした。
恥ずかしながら初めて実物を見たんですが、もう一目惚れですよ。ほら、僕はファミコンの「
コントローラ地獄」ってページをつくっちゃうくらいコントローラ好きじゃないですか。
でも「XE-1AP」が対応してるのはMSXやPC-88、PC-98、FM-TOWNS、X68000などのパソコン系と、メガドライブだけなんですよ。正直それでも欲しいなって思ったんですけど、値札を見て2秒で諦めましたね(笑)
しかしながら僕には一縷(いちる)の望みがありました。それはこれだ!
※中央の黄色い丸は左からセレクトボタン、スタートボタン アタリ仕様と呼ばれる9ピン端子のコントローラをファミコンへ接続できちゃうアダプター「XF-1」です。ファミコン周辺機器の中では最高クラスのレア物ですよ。もしかして
こいつを経由させればカブトガニでファミコンが動くのかもしれない……
そんな淡い希望を胸に秘めつつ僕は東京を去りました。すると先日、地元愛知のとあるゲーム店のジャンクコーナーを何気なく漁ってたら、ほこりをかぶったカブトガニが片隅に転がってるじゃないですか。目を疑いましたよ。ジャンク品には「本当に壊れてるもの」と「ただ動作確認できないだけのもの」と2種類あるんですけど、僕はそのとき「これは絶対、後者だな」って確信したんです。おそらくそのお店には動作確認できる環境がなかったんでしょう。値段を見たら1000円台。もう2秒で即決しましたね。
そんなこんなで僕はカブトガニの捕獲に成功したのです。

見て下さい。この雄姿!
屈強な黒光りボディ。こんなもん、問答無用でかっこいいでしょ。「XE-1AP」の前では言葉は無粋。もう眺めてるだけで満足です(笑)
しかし、これで終わったらただの購入報告なので、緊急検証しちゃいますよ。題して「カブトガニでファミコンは動くのか?」です。さっそく「XF-1」を経由してファミコンの『スーパーマリオ』をやってみましょう。
※ファミコン本体と「XF-1」と「XE-1AP」をつないだ様子 説明書も箱もなかったので、とりあえず当てずっぽうで中央の切替スイッチ2つ「PERSONAL COMPUTER/MD」ってやつと「DIGITAL/ANALOG」をパチパチ切りかえながらセレクトボタンを押してみる。何も反応なし。スタートボタンも反応なし。何度か試してみたけど、やっぱり反応なし。
ここで「XF-1」のほうにもセレクトボタンとスタートボタンがあったことを思い出す。恐る恐る押してみると、幸いなことに、このボタンは効いたので、それでひとまずスタートしてみたところ……
動いた!
見事にマリオが動きました。
切替スイッチは「PERSONAL COMPUTER」と「DIGITAL」でした。おそらくMDってのはメガドライブにつなぐときで、ANALOGってはアナログスティックの入力設定だよね。まあ、よく考えたらこれしかないわな。「XE-1AP」側のセレクトボタン、スタートボタンは無効のようだ。
逆に言えば「XF-1」がなければ本当にただカブトガニを捕獲してきただけで終わってました。さかなクンじゃないんだからさ!
それにしてもこの重量感。しっかりと手になじむブーメラン部分のフィット感。まるで戦闘機の操縦桿でも握っているようです。なんでもメガドライブ版『アフターバーナーII』に対応しているんだとか。ぜひともやってみたい。
なによりアナログスティックでのマリオの操作感は新鮮だ。Wii Uの『スーパーマリオメーカー』でもアナログスティックでマリオを動かしたことはあるけど、やはり
「ファミコン実機でやる」という意義が大きい。それに、このえのきだけみたいなヒョロヒョロのアナログスティックが生み出す「操作してる」というよりも「操縦してる」という感覚は、まさにこのコントローラでしか成しえない新境地です。
さらに今現在、この地球上で「XE-1AP」でファミコンやってる人間は、おそらく僕だけなんだろうなって思うと、まるで宇宙でも開拓してるような気分に浸れますね。そういう意味では戦闘機というよりも、宇宙船の操縦桿なのでしょうか。どことなくダースベーダ―にも見えて参りました(笑)
しかし困ったこともあるんです……
側面のボタンは縦付けで上からAボタン・Bボタン なぜかABボタンが逆転してるんですよ。「XE-1AP」には上部にA、B、C、Dと4つのボタンがあるのですが、マリオが動いたのはそのうち右側のA・Bボタンでした。しかしAボタンがBダッシュで、Bボタンがジャンプになってたんです。(なんか設定でもあるのかな)
でも「XE-1AP」には側面にもボタンがあって、こちらの配置は縦付けなので逆になるため、逆の逆となり、正位置で操作することができました。どっちかといえばこっちを押した方が良さそうではありますが、でもその場合、必然的に人差し指でAボタン、中指でBボタンを操作することになるというジレンマ。これを「カブトガニのジレンマ」とでも名付けましょうか。そもそもどうして側面に縦付けのA・Bボタンがあるんでしょう……
ちなみに連射機能はOKでした。今度はシューティングゲームに挑戦しようかな。そう思うと、ファミコンにアナログスティック対応のゲームソフトがないことが悔やまれます。トラックボールはあるのにね……
ということで結論。
カブトガニでファミコンは動きます!
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