<任天堂株価の「周期性」と「ポケモン効果」> 現在『Pokémon GO』の熱狂的ヒットの影響で、任天堂の株価がえらいことになっているようですが、そんな中、当ブログが5年前に書いた記事について「予想が的中している」として各所で多くのリアクション頂きました。ありがとうございます。
こちら↓
タイトル:
歴代ハード・主要ソフトから見た任天堂株価の30年史(2011/11/27)
私がその記事で何を予想したかというと、ズバリ任天堂株価の「周期性」と「ポケモン効果」についてです。以下セルフ引用。
ピークとピークの間隔は最初は10年、そのつぎは8年。2年のズレを考慮すれば、次に任天堂株価がピークに達するのは2016~2018年ごろじゃないかという推測が成り立つ。
はい、的中!(笑)
まあ、正確に言うとピークになるかどうかは、もうしばらく経ってみないとわからないので「今のところ当ってる」ってのが正しいのかもしれませんが、万が一、ピークが2019年にずれ込んだ場合は、そのとき改めて検証することにしましょう。
次にポケモン効果について私は過去のシリーズをすべて調べて以下のように結論付けていました。
ポケモンシリーズの新作が出れば任天堂の株価が上がる!
そのまんまですね(笑)
これについては調べれば調べるほどビックリするくらい例外が少なったので、周知の事実とすら思ってました。それでは、ここで前回公開した図を1つの画像にまとめましたので見てみましょう。

あいかわらず2008年あたりの盛り上がりがやばいですね(笑)
<任天堂株価 2011-2013年 「スマホゲームの台頭」> 続いて今からは前回2011年から現在2016年までの任天堂の株価を見て行きます。例によって歴代ハードと主要ソフト、そして世の中の出来事などを盛り込んでおりますので参考にしてください。(ちなみに株価は私オロチが独自に調査したものです)
こちら↓

そもそも前回、私が株価の記事を書いたきっかけは2011年、3DSの滑り出しが「あれれ?」な状態になって株価が暴落したことでした。しかし、その後、本体の値下げ。そして人気シリーズ「モンハン」の獲得などで3DSは息を吹き返していきます。
売上台数的には今のところ、任天堂の歴代携帯型ゲーム機の中では最も低い数字ですが、そこにはスマホゲームの台頭などの背景を考慮する必要があるでしょう。
※数字は万単位 ※任天堂公式サイト「株主・投資家向け情報」より(オロチ調べ) さて話を株価に戻します。そんなこんなで3DSをなんとか軌道に乗せた任天堂ですが、株価のほうはそのまま下落していき『モンハン3G』で一時期盛り返すものの、2012年5月には1万円台を下回ってしまいます。
そこで登場するのが『ポケモンブラック2・ホワイト2』なわけですが、このときばかりはさすがのポケモン効果も即効性がなかったようです。ただし翌月には下がり続けていた株価が止まり、ゆるやかに回復していきますので「株価の下落を止めた」と見ることもできるでしょう。年末にはWii Uが投入されました。
この頃のゲーム業界は『パズドラ』を中心とするスマホゲームバブルの絶頂期。『パズドラ』を生み出した会社ガンホーの時価総額が、一時期、任天堂を抜いたことで話題となりました。

※今月26日に発売予定の3DS用パズドラ最新作 ちなみに2013年10月には『ポケモンX・Y』が発売され、このときは見事に『ポケモン効果』を発揮しています。
<任天堂株価 2014-2016年 「妖怪ウォッチブーム」「amiibo投入」「スプラトゥーン大ヒット」> そして2014年になると日本に「妖怪ウォッチ」旋風が巻き起こります。この年の7月に発売された『妖怪ウォッチ2 元祖・本家』は300万本を越えるヒットを記録。アニメの主題歌を担当したグループが紅白に初出場したのもこの年でした。

※つい先日発売された妖怪ウォッチの最新作『スシ・テンプラ』 一方、2014年の任天堂の株価は1万2000円付近をふらふらと横ばい状態でしたが、今では任天堂の主力商品にもなっているamiiboがこの年末に発売されているのは見逃せません。
※日本ではスプラトゥーンのamiiboが人気を博している 現・君島社長もamiiboについては「ゲーム開発の大きな柱」と語っておりましたので、今後のamiiboの展開に期待したいところです。
話を戻します。2015年に入ると任天堂の株価はにわかに上昇していきます。あれ、おかしいな。ここでピークが来てるじゃんと思うかもしれませんが、待ってください。

ここでもう1度、前回の図を見てもらいたいのです。任天堂株価が1990年、2000年、2008年付近にピークを向かえる直前のグラフ(赤丸で囲った部分)に注目してもらいますと、株価が大きく盛り上がりピークに達する前には、必ず小さな盛り上がりがあることがわかるでしょう。
2015年に起こった盛り上がりは今思えば、この現象だったと考えられないでしょうか。

2015年3月、任天堂はDeNAとの業務提供を発表。そしてWii U用ソフト『スプラトゥーン』の大ヒットで勢いに乗りますが、9月に君島新体制となると再び株価は下降してしまいました。そのまま時代は2016年へ突入します。
任天堂は満を持してスマホアプリ『miitomo』を発表。3月にサービスを開始しますが正直、ブームを起こすには至っておりません。
そして2016年7月現在……
アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ諸国で先行配信されたスマホアプリ『Pokémon GO』は、開始1週間でユーザー数がtwitterの利用者数を越えてしまうなど、たちまち爆発的ブームとなり、任天堂の株価が暴騰するという現象が起こっているのはご承知の通りです。
ちなみに「なぜ海外で先行配信だったのか」という理由については、単純に開発したNiantic社が海外(アメリカ)の会社であることもありますけども、本国日本ではただでさえ『妖怪ウォッチ』に押されてると言われ続けていたポケモンシリーズが、コラボ作品とはいえ2016年3月に発売されたWii U版『ポッ拳』は売れたとは言いがたく、いよいよ終わりかいうときに『ポケモンGO』が大コケでもしたら、本当に終わってしまいます。
ソーシャルゲーム全盛の時代に少しだけ流行った「位置ゲーム」を日本人が再び受け入れるかという不安もあったことから、まずは根強いファンが多い海外で確実にヒットさせてから、日本に投入しようといった狙いがあったのではないかと考えます。
そんな『Pokémon GO』の日本でのサービス開始日は7月29日になるそうですよ。(まだ噂レベルですが)

※2016年11月に発売予定の最新作『ポケットモンスター サン・ムーン』 さらに11月には本編である『ポケットモンスター サン・ムーン』も発売予定ですので、2016年のポケモンシリーズは安泰でしょうね……
<2016年7月以降の展開予想> 任天堂株価の今後の展開ですが、私自身の予想を信じるならピークは3~5回の細かい山を刻みながら2年以内に過ぎ去っていくと思われます。ちょうど前々回、2000年頃のピークに近い図になるんじゃないでしょうか。
※前々回のピークは、2000-2002年の2年間ほど続いた 気になるのは2017年に発売予定だという新ハード『NX』ですが、今までの傾向でいくと、任天堂の据置型ハードは携帯型ハードよりも株価に影響を与えないので、細かい山の1つになる程度だと予想されます。
以上。株の専門家でも株主でも何でもない、ただのレトロゲーマーの予想でした(笑)
<おことわり> 改めて断わっておきますけど、万が一、当方の予想を信じて損をしたというひとがいても、私オロチはまったく責任を負いません。ご了承くださいね。ただし、逆に大儲けしたというひとがいたら責任を負いますので、そのときは祝儀下さい!(笑)
- 関連記事
-