◆こう見えてとんでもない一級資料◆ ファミコンに関する古い書籍や雑誌はたくさんありますが、当時のゲーム制作現場などがわかるような資料となると限られてきます。しかも任天堂のような、社内の様子をめったにメディアに出さないようなガッチガチの企業の資料となれば、ほとんど存在しません。
今回はそんな数少ない一級資料のひとつ「ファミコンゲームの主役たち」を紹介しましょう。

この本は1989年12月16日にPHP研究所から発行されており、1993年には第二刷が発行されてる。正式名称は「社会科 はこばれてくるしくみシリーズ-11 ファミコンゲームの主役たち」。サブタイトルは「ゲームソフトの制作と流通」である。(長いっ!)
定価は2100円(税込)、B5判(182mm×257mm)全40Pフルカラー。その他に
類を見ない濃い内容がマニアの間で知られている任天堂本(任天堂を取材した本)である。
しかしながら
レア度は幻レベルで、市場に出回ることはめったになく、Amazonでもここ10年ずっと在庫なし。ヤフオクも20年間ずっとチェックしているが、1、2回あったかな……という程度。市場で出会う確率は絶望的といっても過言ではない。
ツチノコ探したほうがマシである。
※社会科 はこばれてくるしくみシリーズ (11) (社会科はこばれてくるしくみシリーズ) いや、ほんとに売ってないのよ。これが。
◆その内容の濃さ 鼻血レベル◆ さて、そんな「ファミコンゲームの主役たち」であるが、一体どれくらい内容が濃いのか。それは4ページ目にして、マリオの生みの親・宮本茂さんの机が出てくることからも想像できるだろう。
宮本さんがファミコンソフトつくってるところ、他のメディアで見たことありますか?
何気に若かりし頃の宮本さんのお姿も貴重。 これが色んなものが載っていて面白いんですよ。わりと写真も大きいから物が判別できたりして非常に興味深いです。
このような当時の任天堂の社内の様子が数ページに及んで載っていて、また、製造工場の様子(下写真はディスクシステム、同ソフトの製造工場内)、さらに出荷される様子など、正直、他の書籍や資料では見たことない写真がこれでもかとオンパレード。

「社会科 はこばれてくるしくみシリーズ」というタイトルからもわかる通り、この本がいわゆる教育関係の書籍ということで児童書に分類されることから、普段はこわもての任天堂さんもガードを緩めたのだろうということは、容易に想像が付く。
同社は、過去に某
NPO法人の取材を受けていたりするなど、そのような傾向があるようです。
◆似たような本もあるが……◆ ちなみに同じような児童書に「見学!日本の大企業 任天堂」ってやつもありますが……
※見学!日本の大企業 任天堂 こちらは2012年発行と新しく、内容からファミコンブーム当時の様子を伺い知ることはできませんし、そもそも現地取材されてないかもしれません。任天堂社内の様子はおろか、外観すら載ってませんでした。
※内容の雰囲気はこんな感じ。なるほど。いかにも海外記者って感じだね。 タイトルに「見学」と付いてますが、内容は任天堂の歴史を写真やデータを多用してわかりやすくまとめた感じ(児童書だからか字も大きい)のものになっていますので、それでも興味があるよって方はどうぞ、チェックしてみてください。
◆キーポイントは「児童書」であること◆ さて話を「ファミコンゲームの主役たち」に戻しましょう。
この本が児童書であったことによって、任天堂さんは太っ腹にも社内の様子を見せてくれたわけですが、児童書であったことによって生じたメリットは他にもありました。もう、ご存知の方も多いことでしょう。実はこの本、まあまあ高い確率で
図書館の児童書コーナーに並んでいるのです!
しかも、今は便利な世の中ですね。ネット上から最寄りの図書館に、この本が置いてあるかどうか確認ができるんです。さっそく「カーリル」ってサイトで検索してみましょう。
※サムネイル画像クリックで「社会科 はこばれてくるしくみシリーズ (11) (カーリル)」へ はい。出ました。
あとはご自分の最寄りの図書館情報をインプットするだけで、置いてあるかどうか。借りられるかどうかが判明します。ためしに愛知県で検索した結果、17の図書館で扱っていました。まあまあな数字ですよね。ちなみに古い本なので閉架書庫に入っちゃってるケースも多いですが、所定の手続きさえすればゲットすることができます。
まあ、返さなきゃいけないって
条件付ではありますけど(笑)
ということで、ものすごいレア本のくせに、実は入手難度が低いという不思議な不思議な任天堂本のお話でした。興味ある方はお試しくださいね!
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