1992年に海外でリリースされた『Phalanx』(SNES)はズーム開発、ケムコ販売のシューティングゲームである。(日本では前年に発売)
そのパケ絵にはゲームの内容とまったく関係ない
バンジョーを持ったヒゲのおっさんが写りこんでいることであまりにも有名だ。そのため海外では、ダサいボックスアートの代表格とまで言われている。
今回、この奇妙で意味不明なパケ絵の謎を、海外サイト「
Destructoid.com」のKevin Mersereau氏が解明してくれたようだ。

まず、彼は古いゲーム雑誌に『Phalanx』の記事が載っているのを発見。
それは当時の代理店の担当者Matt Guss氏へのインタビュー記事だった。その記事ですでに、このバンジョーを持ったひげのおっさんのことについて触れられていたが、Kevin Mersereau氏はそれだけでは満足できず、Matt Guss氏の連絡先を調べて、その真相を直接、聞き出したという。
なぜ宇宙を舞台にしたシューティングゲームのパケ絵がバンジョーを持ったひげのおっさんだったのか。Matt Guss氏が語った理由がこちら。
私たちの仕事は40以上あるケムコのタイトルのパッケージングとマーケティングでした。正直、ケムコの作品は良ゲーもあれば、そうでないものもありました。したがってそのようなゲームを売るには、店頭で目立つようにする必要があったのです。
なんとも、ストレートな理由(笑)
また、当時のゲームはジャンルもグラフィックも似たようなものばかりでした。したがってパッケージを少しでも印象的にしたかったのです。潜在顧客に「なんじゃこりゃ?」を提供することで、内容を確かめたいという欲求を刺激し、購入へつなげたかったのです。
かなり意訳したけど、たぶんそういうことだと思う。実際にその「なんじゃこりゃ?」が購入につながったかどうかは知らないが……
そして、気になるこのパケの男性については、素性など一切不明だったにも関わらず、驚くほど簡単に見つかったという。彼の名はBertil Valley。25年以上も活動しているボランティアのサンタクロースであり、建設会社のオーナーだった。まあまあ立派な人物だったようである。
だが残念なことに彼は
2004年に亡くなっていたという。
この奇妙なパケ絵はゲーム史上最悪のデザインのひとつとも言われている。しかしながら、こうしてリリースから25年経った今でも人々の記憶に残っているということは、ある意味、成功だったのだろう。
SOURCE:
Discovering the mystery behind the Phalanx cover art
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