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レトロゲームの周年を祝う風潮について思ったこと

<周年はおめでたい?>

 レトロゲームが発売した日に「○○周年おめでとう」ってツイートをよく見かけます。

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 それが話題のきっかけとなって、当時のことを思い出したり、熱く語ったりできるので、個人的には良いことなんじゃないかと思っていたのですが、とあるゲームクリエイターの「昔のゲームのことを今さらおめでとう言われても困る」というようなツイートを見かけて、この構図は興味深いなと思いました。

 つまり「周年」という事実と「おめでたいかどうか」は別問題ということか!

 たしかに、今でも続いてるような人気シリーズ物ならば、メーカー自ら周年を祝うこともあるでしょうが、もうとっくに完結してるようなソフトの場合は事情もそれぞれなのかもしれません。もちろん任天堂の故・山内元社長みたいな、単純に「周年イベントが嫌い」ってひとも中にはいると思いますけどね。※1
 それは稀なケースでしょう。現に、岩田さんになってからバンバンやるようになりましたし(笑)


 ※1 第1回 宮本茂が語る、1999年9月。(樹の上の秘密基地)において宮本氏が山内元社長について「社長が嫌いなんで、そういうの。「何周年記念」ということに、何の意味があるんや、っていうひとだから。」と語っている。



<ゲームは体験がともなうもの>

 ただ、私は思うのですよ。
 偉大な作品ほど作者の手を離れていくものなんじゃないのかなって。

 あえて極端な表現をするならば、偉大な作品はいずれ「人類の宝」になるからです。なんてことを言い出すと収集つかなくなるので(笑)、逆にちっぽけな例を出しましょう。僭越ながら私オロチは20年くらい前に『レッグさん』というインディーズゲームをつくっていました。自分では大人向けにつくっていたつもりが、なぜか当時の中学生とかにカルトな人気があったのですけど、今、プレイすると正直やってられませんもん(笑)
 でもごく稀に今でも「レッグさんで人生を学んだ」みたいな書き込みとか見かけることあるんですよ。やっぱり嬉しいのです。ただ、なんて言うか、それよりも「レッグさん」は私の作品じゃなくて、もはやその子の作品になってるんだなって思ったのですよ。

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 ※足が主人公の学園アドベンチャーゲーム(自分でも意味がわからん)


 なぜかと言うと、ゲームは漫画や小説など他のジャンルの作品と違って体験がともなうものだからです。体験ってのは間違いなく、そのひと固有のものじゃないですか。したがって「作者よりもユーザーのほうが思い入れが強い」という現象が往々にして起こり得るわけですよ。

 まったく偉大じゃないカルトなインディーズ作品の作者ですらそういうことがあったのですから、商業的に成功したような偉大な作品なら、なおさらでしょう。



<提供する側と享受する側>

 そう考えると、たぶん、ゲームを提供する側と享受する側には、どうしても温度差のようなものが生じてしまうのだと思います。

 ゲームには、大量に生産される工業製品という側面があるのは事実。提供する側にしたら、どんどん飽きてもらってどんどん新作を買ってもらわないと商売にならないわけです。しかし享受する側の中にはいつまでも同じ作品が好きでいてくれるひともいるわけで、その温度差みたいなものが変な空気を醸し出してる場面を、今でもときどきSNS上で見かけるのです。

 参照記事:ゲーム界の祟り神「飽きる」という感情をめぐる雑考


 たとえばゲーム保存問題なんかもそう。とあるアーケードゲームメーカーに「なぜ貴重な昔のゲーム機を会社に保存しておかないんだ」というようなことを言ってくるひとがいて困ったという関係者のツイートを見かけたことがあります。昔のゲーム機を保管するにも倉庫代やメンテナンス代など、それなりのコストがかかるからです。これはどちらが良いとか悪いとかの話じゃなくて、ビジネス的な観点で見てるのかどうかの違いなんですね。

 周年を祝う件にしても、我々ユーザーが勝手にやってる分にはべつにいいと思うのですよ。なぜならゲーム体験だけは間違いなく我々のものだから。逆に言うと「体験のないお祝い」に大した意味はないのです。挨拶みたいなもんでしょう。それが悪いとはまったく思いません。しかしながら、提供する側と享受する側には温度差が存在するってことは弁えておくべきだなあと今回の件で感じました。

 これからも、愛する作品を生み出してくれたクリエイターさんへの敬意を忘れずに、心からの祝福と、感謝と、節度ある愛をぶちまけて行きたいと、改めて思った次第です。



orotima-ku1.pngと言いつつ、周年ネタあんまりやったことない(笑)
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コメント

F-ZEROが続編を出してないのに○○周年ってのがあってその時は意味がわからなかったなぁ。ポケモンやマリオなら分かるけど

コンな事いちいち言っていたら死んだ有名人に対しての生誕○周年も
おかしいということに成ってしまう気がする。

歴史となってけば誇れるからなあー良い悪いは一概に言えず…ただ毎日が記念日になりつつあったり、12月は結構多いので、そればっかで溢れるのはそれはそれで迷惑かな。情報が埋もれてしまうし

 一番えげつないのは、周年イベントで出した商品が人気があると高く売りつける連中だな。それだけは間違い無し。買う奴も同等。

最近毎日のようになにかしら今日は何の日か知ってますか?~の日です
みたいなこと言ってる気がする
ついに1122ワンワンにゃんにゃんの日とか言い出して笑った
1129はいい肉の日とかも言ってたな
早い者勝ち陣取り合戦の様相を呈してカレンダーが商売で汚くなってきた

そんなこと深く考えたことなかったけど、確かにとっくの昔に生産終了してメーカーのサポートや特許も切れているようなものに対して〇〇周年記念とかおかしいですね。
ファミコンなんかはまだ、メーカーが積極的にミニファミコンとか関連グッズだしてるからまだいいけど、先日のPCエンジン30周年おめでとうは変なもんです。

そういえば今年は美空ひばりさんの生誕80周年でしたね。
でも、「美空ひばりさん生誕80周年おめでとう」とは言わないもん。
やっぱ、おめでとうは違うかな。

みなさんのコメントを見て改めて思いました。そもそも周年っていうのは続いてるから周年なのであって、何らかの事情で続かなかったものに対して「周年」とか言って騒がれるのは、製作者にとっては皮肉になっちゃう場合があるのかなって。あまつさえ「おめでとう」なんて言われたくないのかもしれません。まあ、そのあたりも温度差なんですよね。
たとえば発売以来、ずっとやり続けているユーザーにとっては立派な「周年」なわけで、それは間違いじゃないと思うのです。「商業的には続かなかったかもしれないけど、そのひとの中ではずっと続いていた」というケースも有り得る。ちょっと強引かな!?

はじめまして。
今日ふと、レッグさんのことを思い出し、今もプレイできるのかな?と検索してこのブログに辿り着きました。正に学生時代、ABCオロチさんに入り浸り、レッグさん、ポップの扉、くさなぎダンなどなどをプレイして楽しみ、掲示板に書き込みまくっていた一人です(現在28歳です)。パソコン・インターネットという文化が自分にとって初めて身近になっていた時期に、もっとも通っていたサイトでした(今だから言えますが、若気のバカさから、荒らしのようなことをしてしまい、書き込みを削除させてしまったこともありました、本当に申し訳ございませんでした)。
オロチさんが今もゲームに関するコンテンツを制作していることを知り、なんともいえない嬉しさと感動に震えています。これからブログ記事を読ませていただきます。興奮のまま過去記事に書き込みをしてしまい、失礼しました。

しもnさん、
おお、レッグさんのみならず、ポップの扉やくさなぎダンの名前が出るとは、本物ですね(笑)。よくぞコメントを書き込んでくれました。監督のオロチです。久々の再開ですね。こちらこそあなたの書き込みに震えています。私もABCオロチ時代がなつかしい。28歳ですか。若い!だとすると当時は小学5、6年生くらいですか。びっくりです。私のゲームを遊んでくれてありがとうございました。

レッグさんはまだどこかでダウンロードできるはず。


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