ファミコン界の嫌われもの ファミコンカセットをひっくり返すと、たまに
どこかのお店のシールが貼ってあることがある。いわゆる「ファミコンショップシール」ってやつ。
※代表的なファミコンショップシールたち 現在、これらのカセットは
「純正ラベルではない」と見なされるため、セール品や、福袋へ回されることもあるようだ。ぞんざいに剥がされたていたり、黒く塗りつぶされていたり、状態が悪いケースも少なくない。要するにファミコンショップシールは、
昔からずっと嫌われものなのである。
でも、世間からゴミ同然の扱いを受けていた時代からファミコンを集めていた私から言わせると、逆に、そういうやつらほど知的好奇心をくすぐられてしまう存在だ。
なぜなら、1983年7月15日――
ファミコンが誕生して以来、その面白さ、魅力、価値については、あらゆる視点から、あらゆる切り口で、これでもかというほど語り尽されてきたけれども、それに比べて、ファミコンショップ関連の情報が、世の中から
消えていく速度の早さよ!
失われてしまった文化遺産 試しに、昔、よく通った近所のファミコンショップのことをググってみてたけど、出てくるわけなかった。インターネットが普及してなかった時代から、ファミコンショップなんてバンバン潰れてたからね。
下手したらカセットの裏に貼られたシールだけが
“唯一の存在した証拠”なんてお店も少なくないだろう。
※個性豊かなローカル・ファミコンショップシールたち そう考えると私はこのシールに
失われてしまった文化遺産的なロマンを感じてしまうんだよね。かつて全国各地に存在したファミコンショップには、その地元ならではのローカルなファミコン文化が根付いていたはずで、そこには毎日、子どもたちの笑顔が花開いていたに違いない。
ファミコンショップシールには、儚くも消えていったそんなお店たちの、誰にも語られることのなかった歴史が刻まれているのではないだろうか……
全国制覇への道プロジェクト 魅力を語ってるとキリがないので(笑)、話を進めよう。
今回の連載は、私が集めているファミコンショップシール類の数々を紹介していこうというものなのだけど、それだけじゃ面白くないので
「ファミコンショップシール全国制覇への道」なんていうプロジェクトを考えたのだ。
※制覇MAP ファミコンショップシールって上述の通り、ローカル色が強いから、シールに住所が書いてあることが多い。だったら、
日本のすべての都道府県が記載されたショップシールを集めてやろうじゃないかという企画である。
たとえばこの3本をGetしたとする……

ドキドキ冒険島のような所在地も電話番号も記載されてないショップシールの場合、1号店があった都道府県を制覇したこととする。
したがってまずはドキドキ冒険島について徹底的に調べ上げるのだ。まあ全国チェーンの超有名店だから、比較的簡単に調べられるけどマイナーなローカル店だったらそうはいかないよね。ともかく、調べまくって「武蔵浦和に1号店があった」という事実を突き止める。それらを記事にアップする。そうすることでやっと武蔵浦和のある
埼玉県を制覇したことになるのだ。
続いてファミコンショップヒーローは
栃木県真岡市って所在地が書いてあるのでラッキーだ。そのまま栃木県を制覇。ただし調査は怠らない。最後にカメレオンクラブの場合は、発祥が徳山市だから
山口県を制覇したことになる。

やったー! 3県制覇だ!
まあ、こんな風に進めていくわけ。余談だけど、この制覇MAPをつくるのに、丸二日かかったよ(泣)
さらなる目的はアーカイブ化 そして、実はこれが本当の狙いなんだけど……
今回のプロジェクトを進めていく過程で調べたファミコンショップの所在地、運営会社、開業日、沿革、ロゴマーク、キャラクタなどのなどの情報や、その他のショップグッズって前述の通り、放っておいたら消えていってしまう
貴重なファミコン文化遺産の一部だと思うので、知りうる限りデータベースとして残していけたらなって考えてるわけ。
※ファミコンショップ専用ケースたち。ショップシールとはまた違った魅力がある。 ただし私一人の力じゃ、たかが知れてるので、全国各地の皆さんにも協力していただき、ローカルなファミコンショップの情報を集めて、
かつて日本に存在したファミコンショップを網羅することが本プロジェクトの最終目的なのだ。
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