ガンダムがトラウマになった日、克服した日 【3/3】


◆独特の操作性◆

 長年のトラウマだったRX-78を手に入れた私オロチは、唯一記憶に残っていたゲームソフト『連合艦隊』で、幼き日に繰り返し遊んでいた「地面にめり込むやつ」を再現しようと悪戦苦闘。やっとの思いでたどりついた戦闘画面でさっそくチャレンジするも見事に墜落してしまったのだった。

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 なんでや!?
 意味が分からん。

 そもそも今の動きは何だ。実はいうと私は急降下しようとしたわけではなく、むしろ上昇しようとしてジョイスティックを上に倒したのだった。それなのに戦闘機は急降下。地面に激突してしまったのである。これは一体どういうことなのだろう。何度が操作を確かめてみると私はあることに気がついたのだ。


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 どうやらこういうことらしい。

 どうやらこのゲーム、上入力すると下へ旋回、下入力すると上へ旋回する仕様だったのだ。説明書だと逆なのだが実際はそうなのだから仕方がない。私はこの操作性をサイドビュー版の「バンゲリングベイ方式+操縦桿」だと解釈した。皆さんもご存知の通り「クソゲー」という不名誉なレッテルを貼られることの多いファミコン版『バンゲリングベイ』はラジコンの操作方法を採用していたことがその要因のひとつと言われている。高橋名人も自身のブログで以下のように言及しているのだ。

 ファミコンの十字ボタンを操作する事で、ヘリコプターの方向を変える事が出来るのですが、十字ボタンの右を押すと、ヘリコプターが自機の右に方向転換します。通常のゲームであれば、キャラがどちらに向いていても、右を推せば画面に対しての右に動くのですから、ラジコンなどを操作した事の無い子供達には難しかったかもしれません。


 本作『連合艦隊』の場合、このバンゲリングベイ方式に操縦桿の要素がプラスされている。すなわち、飛行機の操縦桿は手前に引くことで機首を上げ、奥へ倒すと機首を下げることから、本作はジョイスティックを操縦桿に見立てているというわけだ。理解さえしてしまえば容易いものである。私は何度か練習してすぐにこの操縦法をマスターした。

 ほんじゃ改めまして、、、


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 行けー!


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 バーン!

 なんでやー!

 今度こそちゃんとギリギリで地面を回避したはずなのに、めりこむどころか、何なら少し手前くらいで激突してしまった。もしかして記憶違いなのだろうか。それから何度も何度も試してみたが、まったく上手くいかないのだ。そもそもめり込まないのだ。その片鱗すら見せないのだ。もう何が何だかわからなくなってきたよ、、、

 地面にめりこむやつなんて最初から全て幻だったんや!



◆空中の見えない壁◆

 急に目の前が真っ暗になった。

 しかし人間というものは体が憶えているものだ。それは何かの拍子で戦闘機が天井の見えない壁に当たって跳ね返ったときのこと。脳裏に何かがフラッシュバックしたような気がしたのだ。もしかして、、、

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 このゲーム、戦闘機を見えない天井にぶつけると、そのままの体勢で自然落下していくのである。つまりこの状態で地面まで墜ちてギリギリ回避すればあるいは、、、

 とにかく、やってみるか。

 それ~

 ……

 ……

 ……

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 キ……

 キタキタキター!
 
 ついに来た。

 これだ。これだ。これだー!!!


 このゲーム、普通に正面から行くと地面に激突してしまうのだが、見えない壁を利用して尾翼から降下することで「地面にめりこむ」というバグのような挙動が発生するのか。そうだった。そうだった。すべてを思い出したぞ。


gandam48.jpg

 やばい。

 すっげー楽しい。

 すっげー楽しい。




 動画(諸事情により音声なし)を撮ったので是非見て頂きたい。これが私が幼い頃、毎日わけもわからず遊んでいた「地面にめり込むやつ」だ!

 まあ、めり込むのは地面じゃなくて海面だったけどね(笑)



◆思いがけない発見◆

 どうやら私は重要なことを見落としていたようだ。本作『連合艦隊』は現代の感覚では何とも珍しい2Pプレイ専用ゲームだった(※1)のだ。つまりCOM対戦(1Pプレイ)が存在しないのである。艦隊の選択画面で日本とアメリカの両軍を選ばなければならなかった理由も、ジョイスティックが2本必要だった理由も、すべてそのためだったのだ。したがってゲームが始まると(最初から動力のある戦闘機以外の)アメリカ軍はピクリとも動かない。
 しかし当時を振り返ってみても、親父がゲームをすることはなかったし、姉や友達とやった記憶もまったくない。つまり私は毎日わけもわからず2Pプレイ専用ゲームを1人でやっていたことになるのである。

 だからかあ、、、
 私は大きくため息をついた。

 つまり真相はこうだ。幼い日の私はこのゲームの敵(2P)がまったく動かないので、幼いなりに「一人でも楽しめる方法」を編み出したというわけだ。それがこの「地面にめり込むやつ」だったと、、、なんちゅう悲しい話やねん!

 でもおかげさまで、盛大にゲームをこじらせてしまったよ。どうやら私の何事にも「正しいやり方」にこだわらないスタイルはこの頃に培われたようだ。私が「世間の正しさ=評価」にからっきし興味がないのもそのせいだろう。だから当時、捨て値で売られていたファミコンを平気で集めることができたのかもしれない。そう考えると、今回はトラウマを克服できたばかりか、思いがけず私自身のルーツまで発見してしまったことになる。「RX-78 GUNDAM」が私に与えてくれたのはゲーム原体験どころではなかったのだ。

 こんな大切なものを,もう二度と手放すまい。
 もう二度と、、、

 


orotima-ku1.pngおわり


 ※1 『PONG』をはじめとする初期ゲーム機はコンピュータ性能が発達していなかったため2Pプレイが多かった


「ガンダムがトラウマになった日、克服した日」(全3話)
 ・第1話
 ・第2話
 ・第3話


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とてもいいお話でした。
小さい時の思い出を再び手に入れられて良かったですね。
しかもかなり状態が良かったようで良かったですね。
私もゲーム以外での思い出では、超合金とか、ビックリマンとかなんですが、今となっては高すぎて、再び手に入れるには敷居が高すぎます。
(手に入れても眺めるくらいですし。。。)
ゲームはいいですよね。
視覚、聴覚、指先の触感など、いろんなもので満たされますものね。。。
いやー。ゲームって本当に素晴らしい。
7913. [ 2019/03/24 00:21 ] [ 編集 ]
感想ありがとうございます。
そういっていただけると嬉しいです。
ゲームは体験ですからね。思い出の体験ができるっていうのは、ちょっとしたタイムマシーンみたいなものでしょうか。これからも大切にします!
7915. [ 2019/03/24 10:42 ] [ 編集 ]
思わず手放したものの後悔することってありますよね
その思い出やらなにやらを取り返せて本当によかったです

そして動画が思った以上におもしろい挙動でした
地面にめり込むどころか、地面へこんだままじゃないですか!(海面ですが)
へこんだままの地面が気になって気になって・・・
動画のアップありがとうございます
7921. [ 2019/03/24 23:47 ] [ 編集 ]
「アフターバーナー」など戦闘機を操るゲームは
大抵が上下リバースなのでゲーム慣れしてる人なら
「連合艦隊」の操作をスグに理解できる筈なんですが・・。

ナゼ管理人さんは「なんでや!?意味が分からん。」などと
混乱されてるのでしょうか・・?

挙句の果てに上昇下降の概念が無い「バンゲリングベイ」を
引き合いに出す始末。

ナゼここで「バンゲリングベイ」が出て来るのか?
お門違いにも程がある。
今回の記事は多くのゲーム慣れしてる人達の
失笑を買ってる事でしょうね・・・。
7922. [ 2019/03/25 12:19 ] [ 編集 ]
バンゲリングベイでは加減速と左右旋回のリモコン操作で
それに似てるという意味で引き合いに出したと思う
そんなに咬み付くほどでもない
7924. [ 2019/03/25 19:57 ] [ 編集 ]
7921さん
そんなんです。めり込んだままになるんですよ。それを書くのを忘れてましたね^_^
だから当時はどれだけ地面をめり込ますかというゲームとして遊んでました!
7925. [ 2019/03/25 20:35 ] [ 編集 ]
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