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カタカナの表記ゆれにまつわる事件と「シュミレーション」問題

◆マーク・パンサー事件◆

 マーク・パンサー(Marc Panther)と言えば、世間では元globeのラップ担当。芸人パーク・マンサーの元ネタのひと。あるいは奥さんがクスリで捕まっちゃったひとっていうイメージかもしれませんが、元々はファッションモデルとかMTVの司会とかやってまして、結構イケてる感じの人物だったんですよ。時代でいえばカート・コバーンが死んだあたり。私はどっぷり洋楽漬けの高校生でした。いつもBEAVIS AND BUTT-HEADの笑い方のマネをしていたくらい、暇さえあればMTVばかり見てたもんだから、たまたま世間より先にマークのことを知ってたのです。

 そんなあるとき、学校でクラスメイトとあーでもないこーでもない言いながらファッション雑誌をパラパラめくってたら、彼が出てきたもんだから「あ、マーク・パンサーだ」って思わず声を上げてしまったんですね。今思うと恥ずかしながらティーン特有の「俺知ってるんだぜ感」を出したかったのかもしれません。そしたら同じクラスのN松ってやつが横から出てきて「はぁ? 何言ってんの、マーク・パンソナだろ?」って鬼の首取ったように訂正してきやがったわけ。

 もうね、絶句ですよ、、、


image:Listen to me TDK !テレホンカード

 パンサーじゃなくてパンソナ。たしかにマークはフランス出身ですから、そういう風にも表記されていたかもしれません。でもそれって、しょせんカタカナ語じゃないですか。つまりカタカナで無理やり表記した英語か、仏語かの違いであって、結局、両方ともネイティブじゃない以上どんぐりの背比べなんですよね。正直どっちも正解だし、どっちも間違いだ。つまりどうでもいいんですよ。5歳まで馬に育てられていたっていうパーク・マンサーの設定ぐらいどうでもいいんです。私は呆れて黙ってたんですけど、そいつが勝ち誇ったようなドヤ顔で「くやしい?」なんて聞いてくるもんだから、さすがにブチ切れていまいまして、、、

 だったら、お前、、、
 ミルクのこと「メオッ」って言ってんのか?
 パイナップルのこと「パイナポゥ」って言ってんのか?
 もし言ってんなら、俺もマーク・パンサーのこと
 一生マーク・パンソナて呼んでやるよッッ!!!

 私は顔を真っ赤にして心の中でそう叫びつつ、机を蹴り倒すイメージをしながら、静かにその場を去ったのです。←結局、何もやってねえ(笑)



◆Simulationという言葉◆

 こんな経験をしたからなのか、私はカタカナ表記については懐疑的というか、平和主義というか、いっさい信用してないがゆえに争うほどでもない事柄というスタンスで今まで過ごして参りました。たとえば「Simulation」って言葉がありますよね。皆さん何と言ってましたか。私は高校生くらいまでずっとシュミレーションって言ったんですよ。よく変換すると「趣味レーション」になっちゃって、困っちゃうやつ。

 たとえば、こちら(↓)は1987年頃のAC版『ゲバラ』の広告なんですが、思いっきりシュミレーションって書いてありますよね。

shumire-shon.jpg
 ※赤丸のところ

 この広告に限らず、この時代はみんながシュミレーションって言ってたんですよ。それがいつの間にか、90年代くらいからシミュレーションって表記されるようになりまして、令和の現在では下手したら「カタカナ語のなかで最も恥ずかしいミス」くらいの風潮になってますよね。たまに表記ゆれに親でも殺されたんかってくらい、ものすごい勢いで指摘してくるひといませんか。そのたびに私はマーク・パンサー事件を思い出してしまうんですよ。個人的なトラウマで申し訳ないんですけど、どうしてもN松くんのドヤ顔が浮かんできやがるんです(笑)

 もちろん、これはカタカナ表記全般の話であって、あくまでも「Simulation」は極端な一例だという認識はありますよ。スペル的には後者のほうが正しいなんてことは百も承知。でもね、そんなことを言い出したら、そもそも「Simulation」は「Simulation」であってシュミレーションでもシミュレーションでもないんですよ。だって、より正しい発音に近いほうがいいっていう理屈なら、それこそ「スィミュレイシャン」とでも表記しなければ辻褄が合わないじゃないですか。

 つまり日頃からマクドナルドを「マッダーナル」と、スシローを「スゥシーロー」(アメリカ人がイチローって言うときのやつ)と表記してるようなひとでない限り、そのような指摘をする資格すらないわけです。←そんなやつ、いねえよ!(笑)



◆表記ゆれに寛大◆

 ところで、カタカナ表記は明治時代のほうがよっぽどネイティブに近かったらしいですね。現在でもペエスとかイクォールとか、あえて古風な書き方している京極夏彦みたい作家もいるじゃないですか。本当のこというと私もそういう感じで文章に風情を出していきたいんですけど、たとえば私みたいな人間が急にウォーターを「ワラ」って書きはじめたところで「なにわろとんねん」と突っ込まれるのがオチですよね。文章がとっ散らかっちゃうだけなんです。



 そんなわけで、私も、いつの間にか法務省のガイドラインに従ってカタカナ表記するような、つまらない大人になっていました。ただし、こんな私だからこそ他人様の表記ゆれに対してはどこまでも寛大でいたいと思っていますし、実際にかなり寛大なほうだと思います。もはや「ファミリーコンピュータ」(タは伸ばさない)とか「ニンテンドウ64」(ウは長音にしない)とか「ゲーム&ウオッチ」(オは大文字)など商品名でない限り、SNSや世間にあふれているカタカナの細かい表記ゆれなんて1mmも気になりませんからね!←いや、商品名だと鬼細けえな!(笑)

 本当に、あの事件がなかったら今ごろカタカナの表記ゆれに対して、いちいち訂正を入れるようなつまらない大人になっているところでした。パーク・マンサーには感謝しかありません。←馬に育てられたほう!(笑)
 


orotima-ku1.png学校へ行こうに出て来た「だぜ」は
劇団ひとりと同一人物と思ってました




 
<情報提供のお願い>
 現在、私は英語の「Simulation」が、いつ、どんな経緯で「シュミレーション」と表記されるようになり、どのようにして広まっていったのか。そしていつから「シミュレーション」に取って代わったのかという経緯を調査しています。そこで、もし皆さんのなかで「これは」という情報や、資料をお持ちのかたがおられましたら、是非、ご教授願いたいのです。どんな細かいことでも喜びますので、どうぞ、よろしくお願いします。
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コメント

ゲバラだけで当時はシュミレーション表記だったと言われてもあんまり信憑性がない。むかしはファミマガやログインなどさまざまな古いゲーム誌とかでもジャンル表記はシュミレーションと書いていたのでしょうか?自分で調べずに安直なコメント書いて申し訳ないです。スルーしてください!

記事では当時はけっこうみんなそう言ってたという体感の話をしています。したがって資料はまさに今、探しておりまして、そのために一番下で情報を募集させて頂いておる次第です。

TwitterではPCエンジンの広告で2例ほど情報を頂きました。

https://twitter.com/shinyaman2/status/1225290759286312962

基本的に、シュミレーションが正しかった時代なんてなかったと思います。
例えば、光栄やシステムソフトなんかは、最初からちゃんとシミュレーションと表記しています。

https://www.gamecity.ne.jp/shibusawa-kou/history.html
https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/column/retrosoft/1218046.html

アナログゲームでも、タクテクス(副題はシミュレーションゲームマガジン)やシミュレーターという雑誌が、80年代前半からありました。

要するに、わかっている人は最初からシミュレーションと表記していたけど、まだ言葉があまり浸透していなかったので、日本人にとって発音しやすいシュミレーションと誤記する人が多かった(そして、訂正する人も少なかった)だけのことかと。

こんなところでカートコバーンの名を目にするとは思わなかった

学校へ行こう面白かったので好きだった
確かオロチさんは大学生でしたね
学校へ行こう始まったの1997年らしいです

情報誌でベーマガBeep辺り読んでましたが、当時でも何度かシュミを揶揄する表現を見た記憶がありました
なのでシミュ読みしないと、という変な気を遣ってた思い出が
でもファイアーエムブレムの場合は表記では正しく使っても、話すときは今でも思いっきりファイヤーエンブレムと言ってます

私はずっとシュミレーションと思っていて、
シミュレーションが(一般的に)正しいと気づいてから
気を付けていた人間ですが、
たしかSFCの「できたてハイスクール」を手に入れた時
「シュミレーションって書いてある!」と気づいたはず・・・

と思って検索してみるとシミュレーションって書いてある
記憶違いか?とよくよく検索すると
箱はシミュレーションなのにカセットはシュミレーションってかいてあるっぽいですね

あまり意味ないかもしれませんが情報でした

パンサー(Panther)とパンソナ(Pinsonnat)は言葉自体違うので、発音とその表記の問題ではないのでは…
まあそれにしたってどっちでもいいとは思いますが

私も小学生のころはシュミレーションゲームと普通に言っていました。周りの友達も言っていたと思います。
スタープログラマー木屋善夫さんもギャラクティックウォーズではシュミレーションと表記していました。

なめこさん
もしかしたら元々シミュレーションで伝わっていたものが途中でどういうわけがシュミレーションという誤字が広まり、また訂正されていったという流れかもしれませんね。たしかに81年に出た光栄の川中島の広告にはシミュレーションと書いてあるのを確認しました。貴重な情報ありがとうございます!

9826さん
カートの死は衝撃的でした。たしか4月で、前の席のクラスメートと初めて会話した内容がそれだったので、よく憶えています

9827さん
学校へ行こうはサオリとミホのやつが大好きでした。なぜわたしが大学生だったことを知ってるのです!?

9829さん
ファイアーエムブレムについても触れたかったんですけど、文章がとっ散らかっちゃうのでやめました。充分とっ散らかってますけどね(笑

玉ねぎさん
SFCの「できたてハイスクール」ですか。早速チェックしてみた本当に箱はシミュレーションで、カセットがシュミレーションになってますね。これは面白い!ぜひ手に入れたいです。

ファイアーエムブレムのCMの歌詞
「シュミレーション」と歌っているように聞こえる。

https://www.youtube.com/watch?v=t30K4MyOUTY

9831さん
なるほど。フランス名はつづりが違うんですね。調べてみたらフランス名はマルク・ジュール・パンソナ (Marc Jule Pinsonnat) だそうですね。別名マーク・パンソナと名乗っていたこともあったそうです。やはりどっちも正解だったということですね。おっしゃるとおり、それにしたってどうでもいいです(笑)

サトシさん
情報ありがとうございます。82年の「ギャラクティック ウォーズ」確認しました。たしかにゲーム画面で「シュミレーション」という文字がありますね。なめこさんから情報いただいた81年の川中島の合戦は「シミュレーション」とありましたから、初期の頃は混在していた可能性があります。

論拠のある話ではないのですが、スーファミ版シムシティがヒットした辺りから「シム→シミュ」に気付いて、シミュレーションへとひっそり直されていったんじゃないかと思ってます。

情報って程ではないですが、ファミ通ではファミコンウォーズが出たくらいの頃から「シュミレーションじゃなくてシミュレーションだぞ」って編集者が啓蒙してた記憶がありますね。正確な時期は忘れましたが。趣味のイメージがあるからシュミと間違えやすいとか言ってたっけかなぁ。

任天堂のホームページにも、同ページ内で
シミュレーションとシュミレーションの表記がありました。
https://www.nintendo.co.jp/n08/before/03_0406.html

ハードウェア開発者もシュミレーションと書いたりシミュレーションと書いたり・・
https://www.nintendo.co.jp/jobs/keyword/68.html

サトシさん
ファイアーエムブレムのCMですか。チェックしてみますね。

9838さん
あ、そうか。シムシティのシムはsimulationの「sim」ですね。

9839さん
そのあたりのファミ通なら持ってますので確認してみます。面白い情報ありがとうございます。

9843さん
おお、任天堂さんのホームページにもシュミレーション表記ありましたか。これは興味深いです。ありがとうございます。他にもチェックしてみます。

ヘップバーンとヘボン式Hepburnみたいなもんですな

趣味レーションてネタになりそう。公園かどこかでレーション食べてて
通りすがり「何やってるんですか」
ぼく「趣味レーションです」
通りすがり「?…シミュレーションですか??」
ぼく「いえ、趣味レーションです。もちろん机上のシミュレーションも好きですけど ニチャア」
とドヤって呆れさせたい


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