◆謎の黄緑ファミコン◆ マニアック過ぎてどう島しょ。
ファミコンのニッチなネタを紹介するブログ「
ファミコン周辺機器@宇宙一(半熟)」によると、1985年6月、明治スティック 島の国アイスシリーズ「島っ太くん」「ガンバレお島ちゃん」「どう島しょホワイト」を食べてロタ島へ行こうというキャンペーンが行われていたらしいです。なんでも、抽選でペア20組40名がサイパンとグアムの間に浮かぶ島「ロタ」へ招待されたんだとか。たかがアイスクリームのキャンペーンで40人も海外旅行が当たるなんて、さすがバブル時代、、、なんてトボけたことを言ってる場合じゃありませんよ!
1985年はバブル時代でも何でもありません。いわゆるバブル景気が始まったのは一般的に1986年末とされていますし、そんなことよりも注目すべきは
1000名様に当たったとされる2等のほうなんですから。
こちら↓
※image:ファミコン周辺機器@宇宙一(半熟) なんや、これッッ!?
パウパウコンピュータて。どう見ても
ファミコンに黄緑色のシール貼っただけですやん。記載された文章を読んでみると「パウパウコンピュータは今回の賞品の愛称で任天堂ファミリーコンピュータと同一のものです」とある。やはりか。アイスクリームの広告だけに
カセットが『アイスクライマー』なところはムダに仕事が細かいですけども(笑)
しかし、このようなものが今まで市場に出て来た記憶はありません。果たしてパウパウコンピュータは実在するのでしょうか?
◆アイスクリーム自体が謎◆ そもそも「島っ太くん」なるアイスクリーム自体、見たことないですね。調べてみたところネット上にはほぼ情報がなく、明治乳業や、日本アイスクリーム協会の公式サイトにも掲載されてませんでした。「日本懐かしアイス大全」や「日本アイスクロニクル」といったアイスクリーム研究本にも載ってないみたいです。おそらく令和の現代では商品会議にすらあげられないであろう
パッケージの際どいキャラデザのせいで、歴史上から存在が抹消されてしまったのでしょう。(ホントかよ)

思い返せば、カルピスの看板(
※)、オリエンタルカレーのマスコットキャラ(
※)、タカラのダッコちゃん(
※)、ちびくろサンボ(
※)、ジャングル黒べえ(
※)、サンリオのBIBINBA(
※)など、黒い肌に分厚いくちびるのキャラクタが、昭和の時代には
黒人のステレオタイプとして一般世間に広く認知されていました。なんでそんな詳しいかと言うと実は私、ファミコン以外の趣味で昭和レトログッズも嗜んでいるのですが、密かにこの手のステレオタイプ物が大好きで集めてるくらいなんですよね。正直、パウパウコンピュータはものすごい魅力的なんですけど、この「島っ太くん」とか他のアイスの袋も負けないくらいステキです。
それにしてもひとつだけ気になることがあるのですよ。島の王国シリーズは、ロゴこそアフリカを象徴する赤・黄・緑のラスタカラーですが、島っ太くんのイメージはどっちかというとポリネシア系ですよね。そうなるとそもそも「南の島」と「コンピュータ」って
イメージ的にかけ離れ過ぎてませんか。純粋に「なぜファミコンとコラボ」したのかなって、、、



※アイス研究本(Amazonリンク) だいたいグアムとかサイパンとか行くような観光客ってのはコンピュータとか現代社会とかに疲れちゃって、現実逃避したいがために行くわけでしょ。一方は自然の象徴、一方は文明の象徴、言ってみりゃ真逆の存在なわけじゃないですか。それをわざわざ悪魔合体させちゃおうなんてキテレツな発想、なかなか浮かびません(笑)。しかもファミコン本体にシールを貼るというセンスはなんかは
ハッカージュニアよりも先駆けてるし、あの
チャルメラバージョンすら後塵を拝しています。したがって私は、もしタイムリープすることができたなら何よりもさきに明治のアイスクリーム部門へ殴り込んでいって、スタッフの皆さんへ「あなたがたは最高だ」と称賛しつつハグして周りたいのですよ。(もっと他にやることあるだろう)
あと、どうでもいいけど、パッケージに釣りの手伝いをしてるブタさんのイラストが描かれていますが、南太平洋に浮かぶトンガ王国では実際に
釣りをするブタが存在します。え、マジ、どうでもいいって?(笑)
◆空白の2年間◆ さて話を戻しましょう。本キャンペーンの期間を見ると締切が昭和60年6月15日(当日消印有効)と書いてあります。昭和に25足すと西暦になるので、このキャンペーンは
1985年7月には終わってる計算になるんですよね。この時点で、ピンと来たひともいるでしょう、、、
そう、1985年7月といえばご存知、あの「ファミリーコンピュータMagazine(ファミマガ)」が創刊されてるのです!(号名でいえば8月号)
※オロチ所有のファミマガ創刊号 ファミコンが発売されたのが1983年7月15日だから、それまでファミコンは単発のムックやコロコロコミックなど漫画雑誌、Beepなど総合雑誌で特集される程度であり、いわゆる「ファミコン専門雑誌」ってのは存在しませんでした。これを研究者の間では
空白の2年間と呼んでるんですよ。実際に空白だったわけではありませんが、それほどまでにこの時期のファミコンに関する情報って、極端に残ってないのです。
したがってパウパウコンピュータの知名度が極端に低いのは、そのキャンペーン自体が「ファミマガが創刊される前に締め切られていること」が大きな要因だと考えられます。念のため確認しましたがやはり載ってませんでした。逆にいえば明治アイスクリーム部の先見の明が光っていたと言ますよね。任天堂の他企業コラボでいえば、マリオカレーでお馴染みの永谷園(
※)よりも先駆けていたのですよ。
※当時のテレビCM(Youtube) ファミコン関係のアイスクリームって結構、出ていて、過去にはスーパーマリオやゲームボーイなんかも商品化しています。その中で言及しておきたいのはカネボウ食品が販売していた
「高橋名人の突撃わんぱく城」ですね。当たりが出るとカメラがもらえるっていうとんでもない商品でした。なんたって棒に直接「カメラ当たり」って買いてあるんですから(笑)
去年、そのカメラがオークションに出てきて、とんでもない値段になってましたよ。

このアイスは「日本アイスクロニクル」にも載ってるのですが、高橋名人の名前がのっかる前は「突撃わんぱく城」というフーセンガムであり、モチーフになったテレビ番組「風雲たけし城」が始まったのが1986年5月2日なので、島っ太くんよりあとなんですよね、、、
◆当選者へ直撃取材◆ さて、思わず長々と語ってしまいましたが、ここからが本題です(笑)
前述の通りパウパウコンピュータは私が知る限り、市場にはまったく出て来たことがなく、情報すらまったくない幻の存在となっているわけですが、なんと、その広告を発見した「ファミコン周辺機器@宇宙一(半熟)」のBAD君氏が、当選者に直撃取材をしたらしいのです。
こちら↓
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パウパウコンピュータの当選者に直撃! - ファミコン周辺機器@宇宙一(半熟) 当たり前ですが
「当選者がいる=パウパウコンピュータが実在した」ということになります。ファミコンの場合『ウラナイドII』の例でもあるように、キャンペーンだけしておいて実はプレゼントされてない可能性が高いってやつもありますから「実在した」ということがわかるのは大きいですよね。
果たして、真相はいかに!?
|  | あのハッカージュニアですら 585台しか出回ってないのを 考えると、1000名に当たった というパウパウコンピュータ の情報の少なさは異常! |
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