◆東京・名古屋・大阪デビュー◆ ファミコン考古学読本。失われたファミコン文化遺産「ショップシールの世界」が本日より発売されています。取り扱い店舗は東京のBEEP。名古屋のMEIKOYA。大阪のゲーム探偵団。
Kindleで電子書籍版の準備もしています(苦戦中)。

そもそも、この本をつくろうと思ったのは今年の2月頃。コロナ禍前のことでした。去年12月に
「悶えろ!!ファミコン親父」という漫画本(非売品)をつくってみたのですが、じつは今回の本をつくるにあたっての準備運動だったんですね。私は今回も、データを自分ひとりですべて作り、印刷会社K(仮名)で刷ると決めてたんです。しかしながら
ズブズブの素人ですから何から手を付けていいかわかりません。たまたま印刷会社Kで入稿できるデータが「PDF」であり、イラストレーターかワードかパワーポイントで作ってくれということだったので、イラストレーターはもってない。ワードでは画像とかペタペタ貼れないだろう。ということで
必然的にパワーポイントで制作することになったのでした。
それが普通なのか普通じゃないのかは、わかりません。
◆凝りに凝ったデザイン◆ 原稿作りは順調でした。楽しくて仕方ありませんでした。仕事と家族との時間以外はすべて費やしていました。3月、4月と弊サイトの更新頻度が目に見えてさがったのはそのためです。ここだけの話、職場からまっすぐ家にかえらず
公園の駐車場に車を停めてその中で制作をしたりと(家に帰ると子どもたちが寝るまで作業ができないので)、ほぼすべての空き時間をつぎこみましたね(笑)
内容の充実はもちろんのこと、レイアウトにも凝ったりして、写真もただ並べただけでは面白くないということであえて斜めにしたり、ひっくり返したり、章別にイメージカラーを決めてページ上部にグラーデーションで色を入れ、横から見ると
各章の区切りが何となくわかるようにしたり、ページ表示数字もそのイメージカラーに統一したり、、、
本を横から見たところ それはもう楽しかったですよ。製作作業をやっていると時間が過ぎるのが早くて早くて、このまま阿弥陀様が迎えに来るんじゃないかと思ったとか思わなかったとか。そんなこんなでパワーポイントのデータは2ヶ月でほぼ完成しました。しかしながら
校正&印刷工程で地獄が待っていたんですねえ。
◆想定外のトラブル続出!!◆ 5月中には完成できるように進めてましたので、とりあえず5月頭に1冊刷ってみたんです。印刷会社Kは
印刷代が安いかわりに試し刷りという概念がないので1冊注文する必要があるのです。しかも印刷には1週間を要します。3日コースもあるのですが料金が割増になるということだったので1週間コースで注文しました。その間、ヒマじゃないですか。同人誌つくってるとか言ってたくせに
YouTubeデビューする時間があったのはそのためです(笑)
そんなこんなで1週間後、とりあえず刷った1冊が来ました。そうしたら、まあ
誤字脱字だらけですよね。デザインが凝ってるので、誤字脱字以外に文字の色違い、フォント違い、太さ違い。はたまた画像の重なり具合の失敗とか、えらいもんで読むたびに見つかるんですよね。まあ最初はこんなもんだろうと思って、2回目の印刷へ向けて片っ端からデータを修正しました。うまくいけばその次くらいに「本刷り」できるだろう。その間、1週間またヒマになるのでYouTubeが捗るなあ、なんて思ってたらここで最初のトラブルが発生。なんとパワポデータを
PDFにするためのソフトがまさかの期限切れですよ!
※実際に出てきた画面 笑っちゃいますよね。このタイミングで。調べてみるとそのソフトは私が数年前に買ったhpのパソコン(
※)にプリインストールされていた
PDF Completeというド・マイナーソフトで、継続するにはわけのわからない外国のサイトでクレジットカード決済しなければならず、hpのサポートはとっくに終わっており、検索しても日本語サイトはまったく出てこず、いまだにサービスが続いているかもわからない海外サイトにクレカチャレンジするほど勝負師じゃない私はPDF Completeの継続を断念せざるを得ませんでした。そもそもパワポだけでもPDFで保存できるんですけど、私のは
330ppiで保存することができない古いバージョンだったので(220ppiでは冊子印刷に耐えられない)それも断念。印刷屋さんにadobeの無料のやつがあると聞いてダウンロードを試みたんですが、どうやら無料のやつは廃止され、有料で無料期間1週間のやつになったらしく、1週間では1回しか刷れないのでそれも断念。この時点でトラブルによりだいぶスケジュールが遅れてしまいました。
最終的には、たまたま最新のパワーポイントが入っていた嫁さんの実家のパソコンを借りるという形で、なんとか凌ぐことができたのですが、2冊目の試し刷りで、これまた予期せぬトラブルが発生!
◆まだまだ続くトラブルの嵐◆ なんと、今度は
全体的に色が濃くなってしまうという謎の現象が。どうやら原因はPDFの規格で、パワーポイントで保存したPDFの場合、色はRGBで保存されるんですが、本来、印刷物はCMYKという形式の
PDF/Xという規格で保存しなければPCのモニター画面で見た色を再現できないらしいのです。おいおい。そんなこと知ってたらそもそもパワーポイントなんかで作らなかったぞ(笑)
奥が試し刷り2冊目。手前が試し刷り1冊目(本来の色) だったらなんで1冊目はうまくいったんだという話なんですけど、たまたま印刷会社Kの印刷ソフトとPDF Completeの相性が良かったらしい。なるほど。意味わからん。そもそもパワーポイントで制作して330ppiでPDFに変換したものを入稿するってのは、印刷会社Kが推奨した方法だったのです。ということで担当者さんに伺ったところ「RGBデータで印刷すると色が変わるのは仕方ない」とのこと。今までクレームとかなかったんですかって聞いたら「とくにない」という。うそやろ!?
さっそく調べてみたところ、
普通、RGBをCMYKに変換したら色が薄くなることが判明。それなのになぜ濃くなってるんスカ。おかしいやん。担当者さんに聞いたら「当方でも原因がわからない」とのこと。風向きが変わってきました。その後、何度かやりとりしたあと、最終的に「今回だけは特別にこちらで色味を調整させていただきます」というお返事が。この印刷会社Kは
担当者が内容にいっさい手を出さないことで料金を抑えているらしいので、なんだか申し訳ないなとは思いましたが、どうやらこちらのせいじゃなかったらしいので、ご提案を受けることにしたのでした。
この時点で当初、予定してた発売日である5月25日の3日前でした。もはや5月中の発売は諦めるほかありません。
◆トラブルは終わらない、、、◆ しかしトラブルは終わりません。その後、頼んだ試し刷り3冊目は
画像の一部が黒塗りになるというトラブルが発生。問い合わせたところ「こちらの印刷機の設定が間違っておりました」とのこと。もはや逆にホッとする自分がいましたよね。良かった。こっちが原因じゃないんだって。この件は速攻で修正版を送ってもらいました。
※黒塗りになって印刷されてしまった部分 当然、その間も
誤字脱字が見つかりまくりですよ。何度も修正してはデータを送って、その都度、担当者さんの手をわずらわすわけにはいかないので、こっちも必死でした。しかしながら見つかるもんは見つかるんです。しまいには「こちらで色味を調整するのは今回限りです」と言われてしまう始末。ちょっとまってくださいよ。ってことは次の「本刷り」が最後ってことですか?「はいそうです」という無情なお答え。おい、おい、増刷できないのかよ、、、
よくよく話を聞いてみると、印刷会社のほうでもシステム変更があって、いろいろ仕様が変わったらしいのです。え、このタイミングで!? と思いましたが仕方ありません。とりあえず多めに刷って、増刷のことはそのとき考えよう。私はそう腹を決めて今まで以上に万全を期すためそこからさらに1週間、ひたすら校正をしました。そんなこんなでスケジュールが1ヶ月ずれてしまったわけでございます。ちなみに、いまだに
増刷の問題は解決してませんが、現在、なんとか解決に向けて格闘中です。
私は思いましたね。
本作りは陶芸に似てると。焼き物って成形は楽しいだけなんですけど、本当にたいへんなのは焼成なんですよ。いくらロクロが上手くたって焼くことができなければどうしようもありません。焼き物っていうくらいですからね。本作りも原稿を書くのは楽しいだけなのですが、校正&印刷は地獄でした(笑)
◆お買い求めは各店舗まで◆ なんだか愚痴ばかりになってしまいましたが、というか内容の話をほとんどしてないですね(笑)。内容についてはまた別の機会ということで、ともかく、とうとうこの日を迎えました。本日6月26日(金曜日)、失われたファミコン文化遺産「ショップシールの世界」発売です。興味ある方は是非とも東京のBEEP。名古屋のMEIKOYA。大阪のゲーム探偵団の店頭にてお買い求めくださいませ。嬉しいことに各店舗ともに予約販売の段階で在庫が残りわずかという状況らしいので、万が一、売り切れていた場合はごめんなさい!
各店舗に行けないよって方もご安心ください。通販の
BOOTHという手もございます。これもまた初めての試みで色々あったんですが(送料の設定を間違えて何冊買っても200円になってました(修正済み))、キリがないのでこのへんにしておきますね(笑)
|  | 内容についてはまた改めます |
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