◆ニュースの出て来ないニュースサイト◆ 2006年から個人でレトロゲーム系ニュース&コラムブログを始めて14年になります。
ほぼ毎日、独自の集計プログラム(手動)でネットの海からファミコンを中心としたレトロゲーム系のネタをすくい上げ、それを元にコラムを書いたり、気になったニュースをピックアップして
「リンク&コメント」という古風なスタイルで紹介させてもらって来ました。自分の情報収集もかねて趣味でやっております。誰かに雇われている訳でも、脅迫されているわけでもございません(笑)
当然、国内有数のポータルサイトであるYahoo!ニュースも巡回コースだったわけですが、最近はかなりプライオリティが下がってしまいました。なぜかっていうと、理由はものすごい単純なんですよ。Yahoo!ニュースでキーワード「ファミコン」で検索しても
ニュースがちっとも出て来やがらんのです。いやいや、この令和の時代、そもそもファミコンのニュースなんて出てこなくて当たり前だろ!と思われるかもしれませんが、これが毎日のように何かしらあったんですよね。それなのに数年前からYahoo!ニュースがぜんぜん機能しなくなってしまったんですよ、、、
どういうことかというと、試しに「ファミコン」で検索してみるとすぐわかります。

ほら、検索結果が
まったくニュース性のない記事で埋め尽くされているでしょう?
ブログ検索とかじゃなくて、歴としたニュース検索なんですよ、これ。もちろんニュース性のない記事がYahoo!ニュースへ配信されることは昔からありました。でも、それはたとえば業界の旬な人物へのインタビュー記事だとか、それ自体がニュースになりえるような内容に限っていたと思うのですが、ここ数年ですかね、顕著になったのは、、、
とくに「ふたまん+」「マグミクス」といった新鋭メディアが、週に2,3本くらいのハイペースで、このようなファミコンに関するニュース性のない記事を配信しているようなのです。
◆その“需要の高さ”が物語る傾向とは!?◆ これらの記事の特徴は、特定のファミコンソフトやジャンルを取り上げ、そのテーマに関する有名なエピソードや、既知の情報、あるあるネタで構成されているという点でしょう。いわゆる
キュレーション系の記事という表現が妥当かもしれません。そのような形式の記事ですので必ずしもファクトチェックが充分と言いがたい記事も中にはあるようですが、注目すべきはそのような記事にも何十、何百という反応があり、まるで全盛期の2ちゃんねるのようにコメント欄が盛り上がっているところなんですよね。つまり、それらのキュレーション系記事は
しっかりと需要に応えているのです。
なかには↓のような1000を超えるコメントが付くオバケ記事もあり、トップコメントには5000以上の「いいねが」つくなど、SNSでBUZZるのとなんら変わらない状況がそこにはありました。
※1792ものコメントがついたファミコンRPGランキングの記事 もしかしたらYahoo!ニュースユーザーは、ファミコンに関するニュース性の高い記事よりもキュレーション系の記事を求めているのでしょうか。私はそう思わないんですよね。そもそも普段からファミコンに関するニュースを欲している人間の数など絶対的に少ないわけですから、より正確に換言するならば、ただ単純に「コメント欄で語れるテーマが欲しい」という欲求構造と見なすほうが適切かと考えます。実はこの傾向は大昔からあったわけですが、最近になって、そこに目をつけた新鋭メディアの
「ニュース性にこだわらない記事を配信する」という戦略が功を奏していると分析してみるのもいいでしょう。それはそれで素晴らしい覚悟です。
ただし、それと同時に悲しいかな。Yahoo!ニュースで「最新のニュース性のある記事を拾う」という私の使い方が不可となった。つまり
Yahoo!ニュースというサービスが私にとってnot for meになったというだけの話。皆が楽しくやってるのならば、老兵は死なず、ただ消え去るのみであります。
◆主要ポータルサイト全体の調査◆ さて、気になるのは「このような傾向がYahoo!ニュースに限ったことなのか」というところでしょうか。わかっておりますとも。もちろん調べましたよ。さっそく他の主要ポータルサイトがどんな状況なのか見てみましょう。
まずはGoogleニュースです。世界ではGAFAの一員として向かうところ敵なしのGoogleさん。Yahoo!が強いのは日本だけらしいのは有名ですよね。はたして世界のGoogleさんはいったいどんな答えをはじき出すのでしょうか。

あれ、ニュースサイトにはあまり力を入れていなのかな、、、
Yahoo!ニュースより検索ワード「ファミコン」で引っかかるニュースが少なく、かといって厳選しているかというとそうでもなく、ほぼ、ニュース性のない記事しか引っかかりませんでした。これは拍子抜けです。
つづいて、元々はNTTグループが開発した検索エンジンであるgooの提供する「gooニュース」です。たまに独自のランキングを集計発表している老舗ポータルサイトですね。

こちらも基本、ニュース性のない記事しか出てきません。Yahoo!ニュースとの違いは、ふたまん+、マグミクスといった新鋭ニュースサイトが配信する記事が出て来ないことくらいでしょうか。
つづいては国内ではYahoo!ニュースに準ずる存在であるlivedoorニュース。こちらはコメント欄が開いてないためYahoo!よりも純粋なニュースサイトとして、二次三次ニュースサイトなどのソースになってることが多いのが特徴です。運営は韓国NAVER社の日本法人LINE株式会社。そういえば、NAVER社といえば今年9月にあの検索汚しとして悪名高いキュレーションサイト
「NAVERまとめ」がサービス終了するようで誠におめでとうございます。弊サイトも丸々パクられたりしてさんざん迷惑してましたからね、、、

livedoorニュースは芸能関係のニュースが強い傾向があるようです。テレビ番組やラジオ、記者会見などで芸能人が口に出した言葉の中に「ファミコン」が含まれていると引っかかって来ます。
◆意外な結果も、、、◆ つづいてオタク方面に強いという印象のある株式会社ドワンゴが提供するニコニコニュースを見てみましょう。

おい、嘘だろ!?
一番まともにニュースサイトしてますやん! なんと、ニコニコニュースで「ファミコン」検索したところ、まとめブログばかり出て来るのかと思いきや、意外にもほぼニュース性のある記事ばかりでした。正直あなどっておりましたね。かつてwebカルチャーを牽引する存在だった古豪の矜持を見ました。
最後に見逃せないのがスマートフォンアプリ系であります。今回はうちの嫁さんが寝る前にふとんのなかで必ず見ているlineニュースを取り上げましょう。最近までガラケーだったうちの嫁さんが見てくらいですから、主婦層などで利用しているひとは多いはずです。

うーむ、ラインナップはほぼYahoo!ニュースと変わりませんね、、、
◆結局「ニュース性」とは何だろう、、、◆ さて、一通り見て参りましたが、状況はどこも似たようなものでした。配信ニュースの非ニュース化は
主要ポータルサイト全体に見られる現象と言えそうです。
利用していたサービスが個人的に不便になるのは悲しいことですが、ぶっちゃけて言いますと、むしろ私はこの状況を喜ばしいことだと思っているのですよ。なぜかというと、既存の主要ポータルサイトで、ファミコンを中心としたレトロゲーム関係のニュース性のある最新ニュースが探しにくくなっているということは、我がブログのような
専門ニュースサイトの存在意義が高まるってことですからね!
一方、残念でならないのは一部の某老舗ゲームメディアが各ポータルサイトへニュース配信しているこの手の記事のなかに、毎回、ほぼコメントがつかない、、、つまりニュース性もなければ、需要もないように見える連載記事があることです。コメント数ばかりが重要とは限りませんが、かといってその記事は、何か
タイヘンな意義があって押し通すくらいの内容でもなく、毎回、ゲームよりもぜんぜん関係ないライターさん自身の(そういうのに疎い私ですら目につくくらい露骨な)家族アピールや、仕事アピールが過ぎるのが原因なのか、新鋭メディアの「ニュース性のない記事」が台頭するなかで、個人のInstagramならともかく、老舗ゲームメディアがズルズルに滑ってるという、、、この地獄のようなアイロニックな構図を見せつけられるのが、正直言って、ずっとそのゲームメディアをウォッチしてきた一方的なファンのひとりとしては悔しくて仕方がありません。
頼む、これは何かの社会実験だと言ってくれ!(笑)
🐍🐍🐍
すみません。また余計なことを言ってしまいました。それでも時代は移り変わっております。弊ブログはファミコンを中心としたレトロゲーム専門ニュース&コラムブログですので、今回は、たまたま「ファミコン」という専門性の高いキーワードでの調査でしたが、この傾向はおそらく「ファミコン」に限ったことではないと思われます。様々なジャンルの界隈でこのような状況が見られることでしょう。我々はこの状況を受け入れていくしかないのかもしれません。
ただ、私はこの調査で「ニュース性」とは何だろうかと考えさせられてしまいました。皆さんが求めているニュースとは何のか。ぜひ、御意見を伺いたいと存じます。よろしくお願いします。
|  | しまーす |
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