
オロチです。
ファミコンショップ研究の一環として、ファミコンショップグッズの保護活動を行っております。今回は私が初めて書いた同人誌。ファミコン考古学読本 失われたファミコン文化遺産「ショップシールの世界」の裏表紙に掲載させてもらったメッセージの補足をしながら、ファミコンショップ研究、及びグッズ保護活動へのご協力をお願いしたいと存じます。
ファミコンカセットをひっくり返すと、純正の裏ラベルの代わりにどこかのファミコンショップの独自ラベルが貼ってあることがある。いわゆる「ファミコンショップシール」である。独自の注意書きが記載されていたり買い取り査定額アップや3ヵ月保障を謳うなど内容は様々だ。現在そのようなショップシールが貼られたカセットは「純正ラベルではない」と判断され、セール品や福袋へ回されるなど市場価値を低く見積もられているのが現状だ。またショップシールは当時の子どもたちからもぞんざいに扱われていたため、むりやり剥がされていたりペンで黒く塗りつぶされていたりもともと状態が悪いケースも少なくない。要するにファミコンショップシールは今も昔も“嫌われもの”なのである。
これは本当に今でも“普通に”そうなんですよね。ただし私はそのような従来の価値観を否定するつもりはまったくございません。元々、誰も見向きもしなかった時代からファミコンを集めていたような人間なので、自分がマイナー志向だってことは重々承知していますし、価値観を押し付けるようなことはしたくないですからね。
でも、ファミコンショップシールに出会ったことによって私の中で、
一種のパラダイムシフトが起こったことは事実でして、一瞬にして
今まで見過ごしていたものがお宝に見えるようになったんですよね。まるで嘘みたいに。今までさんざん通い倒した近所のゲーム屋さんに行く理由がまたできたみたいな。しかも、ほとんど研究されて来なかった分野だったので、まるで人類未踏の地を目指す開拓者にでもなったような気分も味わえますし、いいことだらけですよ。
別にファミコンショップシールじゃなくてもいいので、皆さんも是非、パラダイムシフトしてみましょう!

しかしながら1983年7月15日に誕生して以来、ファミリーコンピュータの魅力については、あらゆる立場の人間によって、あらゆる視点から、あらゆる切り口で語り尽されてきたけれども、ファミコンショップの文化的側面についてはほとんど誰も体系的に調査研究しようとはしなかった。ためしに当時、足繁く通った近所のファミコンショップを思い出してWeb検索してみてほしい。めぼしい情報など出て来るわけがないのだ。なぜなら日本にインターネットがまったく普及してなかった時代からファミコンショップなどバンバン潰れていたからである。写真もろくに残ってない。もはや多くのファミコンショップは人々の記憶の中にうっすらと佇むだけの存在となっているのである。いや、それならまだマシなほうで、場合によってはファミコンのカセットの裏に貼られたショップシールが“唯一の存在証明”となっている店も少なくない。
これは本当にそうなんですよ。調べても調べても手がかりすら出てこないファミコンショップがたくさんあります。
私は後悔しています。当時、通ったファミコンショップや玩具屋を、外観だけでも写真を撮っておけばよかったって。小学生時分は「写ルンです」などインスタントカメラはそこまで普及してませんでしたし、普通のカメラだって今より高価だったので、だいたい親が持っており、子どもがむやみに借りられるものではありませんでした。90年代に入るとだいぶ状況も変わってきましたが、まだスマホは登場してませんし「身近なものの写真を撮る」という発想はなかったのです。たまたま違う写真にまぎれこんでたりしない限り、
ファミコンショップの写真なんてわざわざ撮って残すひとなどほぼいませんでした。
ほら、昔の録画ビデオを見てたら、テレビ番組よりも
むしろCMのほうが懐かしくてテンション上がるみたいな現象あるじゃないですか。あれといっしょです(笑)
※サンプル かつて日本には全国チェーンの有名店から、地元ならではのローカル店から、店主が趣味でやっているような個人店まで、全国各地に無数のファミコンショップが存在し、それぞれの店がそれぞれの地域で独自の文化を醸成していたはずだ。そこには毎日、学校帰りの子どもたちの笑顔があふれ、笑い声が響き渡っていたはずだ。カセットの裏に貼られたショップシールにはそんな儚くも消えていったファミコンショップたちの、今まで誰にも語られることのなかった歴史が刻まれているのだ。本書はそれを“失われたファミコン遺産”と位置づけ、蒐集活動を通じて全国各地のファミコンショップ約140店舗を徹底調査。その魅力を余すところなく伝える渾身の一冊である。
思い出してみると、本当に当時はローカル色の強いバエラティに富んだお店がたくさんありましたね。これは私がファミコンを蒐集していた90年代の話ですが、どこかの地方に行くと、必ず商店街みたいな場所があって、だいたい、そこに老舗の玩具屋があったんですよね。フラッと入ると、近所の子どもたちがたむろしてたりして、カウンターの裏の棚の最上段にファミコン周辺機器なんかがホコリかぶってたりしてね。店主のおばちゃんにファミコン現役時代の話なんか伺ったりして、当時は飛ぶように売れたなんて自慢されたり、倉庫に大量に余ってるなんて愚痴られたりね……
でもね、だったら全部売ってくださいよ、なんて言っても
「出すのが面倒くさい」とかいって売ってくれないんですよ、これがまた(笑)
そのようなお店は私が精力的にファミコンショップ巡りをしていた90年代でさえ、ものすごい勢いでバンバンつぶれていました。つい先日いった店に買い忘れたものがあって駆けつけたらシャッターが降りていたなんて経験、一度や二度じゃなかったです。今では幻だったのかな、なんて思う店もありますね。その頃、毎日のように夢に出てきましたから。えらいもんで、毎日のように
ファミコンショップ巡りばっかしてるとそのうち夢でもファミコンショップ巡りするようになるんですよね。人間って。夢の内容はだいたい決まっていて、ある日突然、何度も通ったことのある場所に見たことのないファミコンショップが出現していて「あれ、こんなところにあったんだ」って思いながら店に入ると、中には、これまた見たことないファミコンソフトが並んでいてね。もうテンション上がりまくりですよ。すげえ、すげえ、って言いながら喜び勇んでレジへ持っていっていこうとするのですが……、
そこで絶対に目が覚めるんですよね。絶対に買わせてくれないんです(笑)
おいおい、夢の中くらい夢見させてくれよ!
※サンプル なんてわけのわからんセルフツッコミしながら、非常に目覚めの悪い朝を迎えるわけですが、ともかく、そんなファミコンショップたちも、今では失われつつある貴重な存在となってしまいました。本書「ショップシールの世界」は
少しでもそんなファミコンショップたちの歴史を残したいという思いだけで制作しております。逆に言えば、それ以外のことはまったく考えてないので、至らないところが多々あるかもしれませんが、その都度、勉強させていただき、さらに研究道へ邁進していきたいと存じます。
つきましては、是非、私が取り組んでいるファミコンショップ研究とファミコンショップグッズ保護活動へのご理解と、ご協力を願いたいのと、もし賛同していただける方、興味あるよって方は研究本が以下の店舗でお求め頂けますので、サンプルを手にとっていただき、あわよくばレジへ持っていって頂きたいと思っているわけです。どうぞよろしくお願いします。
・全国 まんだらけ(通販&店舗)
・東京 BEEP(通販&店舗)
・名古屋 MEIKOYA(店舗)
・大阪 ゲーム探偵団(通販&店舗)
・Amazon kindle版(画像版)
・通販限定 BOOTH ※完売しました。
|  | 買う前に夢から覚めないでね! |
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