「ファミコンの赤って何色?」問題

2021年04月24日23:00  ネタ・コラム 写真あり

◆プラスチック安価説はデマ◆

 ファミコンカラーといえば赤&白ですよね。

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 これは当時の山内社長の指示で決定したものであり、よく言われているプラスチックが安かったからという「プラスティック安価説」は、2013年に発行された「週刊プレイボーイ」2013年5月13日号に掲載された上村雅之氏へのインタビュー記事によって、キッパリと否定されております。

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そういえば、ファミコンのえんじ色パーツは、その素材が大量かつ安価で仕入れることができたから採用されたという噂ですが?

「それは間違いですね(笑)。むしろ逆で、最初に予定していた安いスチール製のボディがあまりにも脆かったので、強度の高いプラスチックに変更したくらいですから。えんじ色にした理由は、単純に社長命令だったんですよ。社長がよく巻いていたマフラーの色もあんな感じのえんじ色で、好きな色だからという理由。社長からするとボディのデザイン面は口が出しやすいわけですよ。それが真実です(笑)」

出典:「週刊プレイボーイ」2013年5月13日号

 もう一度言いましょう。プラスチック安価説は開発者本人がキッパリと否定しているんです。もはやファミコンカラー論争など、とっくの昔に解決しているのでした。

 でも、安心するのはまだ早いッッ!



◆ファミコンの赤って何色?◆

 ファミコンカラーに関して、まだ、解決されていない問題があるではないですか。それはファミコンの赤って正確には何色?っていう「ファミコンの赤って何色?」問題ですよ。実はファミコンの赤色って媒体によっては「あずき色」と書かれたり「えんじ色」と書かれたり、表現がバラバラなんですよね……。

 たとえば「赤」を見てみますか?


 赤のRGBは「255、0、0」となります。

 RGBとは光の三原色である赤(red)、緑(Green)、青(Blue)を混ぜて色をつくる方法のことで、その数値は各0~255で表されます。正確に言うとこれはREDであって日本語でいう「赤」ではないのですが、我々は便宜的に赤く見えるものを総称して「赤」と言ってますよね。私もさっきから赤って言ってますが、もちろん、そういう意味で言ってるのです。したがって、これは赤が極まった色と言ったほうがいいでしょう。

 しかし、世の中を見渡してみると、この極まった赤と白でもって「ファミコンカラー」と称している例は少なくありません。それはある種、ファミコンカラーの記号的な解釈(それで通じるならいいじゃん的なやつ)なのかもしれませんが、残念ながら実際の色とは、かけ離れているのが現状です。

 次は「あずき色」です。

あずき色

 色見本サイトによると、あずき色のRBGは「134、73、68」となり、上記のような色合いとなりました。これはずいぶん茶色じゃないですか。これも実際のファミコンの赤のイメージとぜんぜん違いますね。

 最後に「えんじ色」を見てみましょう。

えんじ色

 えんじ色のRGBは「159、59、66」とのことで上記のような色合いとなりました。ファミコンの赤よりも少し色が濃くて、くすんでいるような気もしますが、この3つの中では、実際の色と一番近いような気もします……。

 参照サイト:https://www.color-sample.com/



◆本物の色は?◆

 では、実物の赤のRGB数値はどうなってるのでしょうか。本来であれば新品未使用品の本体を、色測定装置みたいなもので計るのが一番いいんでしょうけど、残念ながら私は両方とも持ってません。新品に近い状態のものを写真を撮るなり、スキャンするなりして、RGB数値を計測するという方法も考えられますけど、そういうのは照明の種類や、各種設定でいくらでも変わってしまうんですよね。

ish123.jpg
 ※ファミコンの箱

 同様に箱の本体の色を計測するという方法もあてになりません。

 ならば、任天堂の公式サイトに掲載されているファミコン本体の写真ならどうでしょう。公式に出す写真ですから、それなりに調整されているはずで、限りなく実物に近いんじゃないかと私は考えました。といっても、任天堂公式サイトはファミコン時代から存在したわけではないので、ここはひとつ、2016年に発売された「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」の公式サイトから、良い感じの写真をピックアップしてみましょう。

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出典:ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ公式サイト

 トップページのこれなんて、ちょうどいいじゃないですか。

 あれ……!?
 でも、よく見ると光の当たり具合によって色合いがビミョウに違って見えますね。これは、どこを計ればいいのでしょう。リセットボタン辺りかな……。

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 なんて思いながら公式サイトを探っていたら、すぐに見つけましたよ。収録ソフトの紹介ページの背景に、思いっきりファミコンカラーの赤がフィーチャーされてるじゃないですか!

 たぶん、この色こそ、任天堂がファミコンカラーと思っている色に違いありません。ということでさっそく計測してみたところ、RGB「166、20、31」という数値が出ました。

公式色

 実はこの背景も所々で微妙に数値が違ったので、計測して一番、多かった組み合わせを割り出しています。少なくとも任天堂は2016年にニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータを発売した時点では、この色がファミコンカラーの赤と認識していると、解釈することができます。

 では、上記の色たちと見比べてみましょう。


あずき色

えんじ色

公式色

 やっぱり、公式色が一番、実際のファミコンの赤に近いような気がします。

 ということで、ファミコンカラーの赤のRGBは「166、20、31」、HTMLのカラーコードでいうと「#864944」というのが今回の結論でした。通称は「赤」、より近い色で言えば「えんじ色」、コードで表すなら「公式色」、と使い分けるのがベストかもしれません。

 

orotima-ku1.png次回は「ファミコンの白って何色?」問題です


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