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幻の5本目『キン肉マンゴールドカートリッジ』購入者&地区優勝者ご本人インタビュー(前編)

◆日本でたった8名の地区優勝者◆

 先月、弊ブログがアップした加藤ヒロシ版『キン肉マンゴールドカートリッジ』の記事には大変多くの反響をいただいた。私はその最後に「メルカリのキン肉マン氏、もしこの記事を見ていたら本当のところ教えてください!!」と訴えていたのだが、その呼びかけに意外な人物からコンタクトがあったのだ。

 それは加藤ヒロシ版の購入者B氏(仮名)である。なんでも今回のゴールドカートリッジに偽物の疑いがかけられていることに黙っていられなかったんだとか。さっそく私はB氏の話を伺うことになったのだが......。

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※実際のメルカリの画面(現在アクセス不可)

 なんと、その流れでついに出品者のキン肉マン氏こと、日本でたった8名しか存在しない「宇宙一ゲーム超人コンテンスト」の地区優勝者のひとりである関西1位のA氏(仮名)ご本人とも接触することに成功したのだった。もはや言うまでもないかもしれないが、実は世の中には『キン肉マンゴールドカートリッジ』の三大証拠と呼ばれるバンダイの封筒、シルバーカード、お知らせの紙よりさらに確実な証拠があったのだ。

 それは地区優勝者ご本人である!

 というわけで今回は緊急企画。幻の5本目と言われる加藤ヒロシ版『キン肉マンゴールドカートリッジ』の購入者&地区優勝者ご本人へのインタビュー記事をお送りしよう。

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 今まで誰も解明できなかったファミコン界最大の謎のひとつ。『キン肉マンゴールドカートリッジ』の真実がついに明かされる!!
 ※長くなったので前編・後編に分かれています。



◆有名なのに誰も知らないソフト!?◆

 そもそも『キン肉マンゴールドカートリッジ』とは正式名「ゴールデンタッグカートリッジ」といって、1985年11月8日に発売されたファミコン版『キン肉マンマッスルタッグマッチ』の販売促進キャンペーンとして開催された、クリアラウンド数の多さを競う大会「宇宙一ゲーム超人コンテンスト」の入賞品として各地区の優勝者8名へプレゼントされた特製カセットのことである。

 加えて、各地区上位50名には名前とラウンド数入りの特製シルバーカードが配られたのだった。その数は合計400枚。

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 資料提供:あかみどり@akamid83
 
 応募方法は、スコアとクリアラウンド数が映ったテレビ画面をフィルムカメラで撮影し写真に現像したものを送るという時代を感じさせるもので、写真にスコアも写す必要があったのはラウンド数が同じだった場合スコアが高いプレイヤーが選ばれたためである。

 そんな様々なハードルを乗り越えて、地区優勝者のみが手にできたという『キン肉マンゴールドカートリッジ』は製品版に色を塗っただけの代物ではなかった。誰でも好きな超人をひとり差し替えることができるというスペシャルバージョンだったため、実質的には世の中に8本ではなくそれぞれの地区優勝者バージョンが1本ずつしかないという規格外の超レアソフトだったのだ。

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 ※出典:まんだらけオークション

 2005年1月にまんだらけオークションに出品された際は100万100円という前代未聞の高値で取引されている。そのニュースはコレクター界隈のみならず、いくつかの地上波テレビ番組に取り上げられたため『キン肉マンゴールドカートリッジ』は世間一般にも有名なプレミアファミコンソフトの代表格となったのだ。

 しかしそれは同時に偽物の氾濫というネガティブな結果をも生むことになってしまった。正確に言えばそれ以前からシルバーカードが付いてなければ偽物という認識がごく一部のコレクターの間では存在したのだが、まんだらけ事件を契機としてYahoo!オークションへ舞台を移し空前の「キン肉ゴールドラッシュ」の時代へと突入していったのである。

 それから数々のゴールドカートリッジが登場しては歴史の闇へ消えていったわけだが、今までその実体が地区優勝者ご本人の口から明かされることは一切なかったため(※)、長い間『キン肉マンゴールドカートリッジ』はプレミアファミコンソフトの中で一番有名なのに詳しいことはわかっていないというミステリアスな存在だったのだ。
 ※たとえば『ロックマン4』のゴールドカートリッジの当選者は「なんでも鑑定団」で出演したことがある。(参照記事




◆購入者B氏の英断◆

 弊ブログの調査によるとそんな『キン肉マンゴールドカートリッジ』は2013年8月にシークレットバージョンが登場して以来、目立った動はなかった。2021年5月になってようやく長い沈黙を破り、突如メルカリに現れたのが今回の加藤ヒロシバージョンだったわけだ。しかし、その衝撃は国境をも飛び越えて香港のゲーム店から偽物を疑われる事態へ発展してしまう。

 そんな渦中に声をあげたのが購入者B氏だったのである。さっそく話を伺っていこう。なお特定をさけるため以下の再現はフェイク盛々であることをご容赦いただきたい。

B氏
オロチさん。初めまして。実はメルカリのキン肉マンゴールドカートリッジについて知っていることがあるのですが、興味ありますか?

オロチ
はじめまして。とても興味あります。

B氏
その前にお約束してほしいのですが、これから話すことは絶対に誰にも話さないで下さいね。

オロチ
わかりました。誰にも言いません。

B氏
ありがとうございます。
単刀直入にいうと私が購入者です。

オロチ
な、なんだってー!?!?!?!?

 いきなりの告白に私が腰を抜かしたのは言うまでもない。

 証拠としてメルカリの取引完了画面や購入物の写真を見せてもらった。シルバーカードに記載された名前がメルカリ版と一致。B氏が購入者であることに疑いの余地はないだろう。

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 ※B氏が送ってきた購入物の写真(偽造防止のためモザイク処理してあります)

 ちなみに今回の記事は“誰かに話していい部分のみ”で構成しているので安心してほしい。

B氏
私はTwitterのDMで出品者のAさんとやりとりをしていました。

オロチ
Aさんはどんな方なんですか?

B氏
非常に誠実な方です。ただご本人はSNSをまったくやらないので娘さんが代理をしていたのです。

 どうやら娘さんが対応していたというのは本当のことらしい。

オロチ
なぜ私に連絡をくれたのですか?

B氏
Aさんの住所氏名が不正利用されていることを知って黙っていられませんでした。でもAさん自身はSNSをやらないので私が声をあげるしかなかったのです。

 出品者AさんはSNSどころかインターネットをまったくやらない方なので、娘さんが代理でやりとりしていたという。つまりあのメルカリの対応はA氏自身が答え娘さんが書いていたということか。途中交代したのではなく最初から役割分担をしていたわけだ。

 ちなみにこれはまったくの余談なのだが、B氏から連絡が来たとき私は“休日に家族サービスする良いパパ”をやっていため「トイレに行く」だの「ジュースを買う」だの適当な理由をつけてはその場を離れ、スパイみたいにこそこそ返信していたことを告白しておこう。したがって実際はこんなにうまくキャッチボールできたわけではなく、途中でまったく反応しないことがあったにも関わらず、真摯に話を続けてくださったB氏には感謝しかない。

B氏
本当なら私が購入したことは墓場までもっていくつもりでした。謎は謎のままのほうがロマンがありますから。

オロチ
ご英断に感謝します。
Bさんが購入を決めた理由は何だったんですか?

B氏
何よりAさんとのやりとりのなかで確信しました。とくに直接会って渡すこともできると仰ってくださったのが決定打でしたね。最悪、その場で確認して怪しかったらキャンセルできますし。

 そうなのだ。

 実は前回の記事ではあえて触れなかったのだが、A氏(=キン肉マン)はメルカリのコメント欄にて以下のようなコメントを残していたのだった。

kinnnikumangohonnnin06.jpg

 あえて触れなかった理由はこの手渡しをほのめかすコメント「行ける範囲であれば大丈夫ですよ」という返答がどのコメントに対してのものなのかわからなかったためである。この2つ上に「関西在住でしょうか?」という質問が来ていたのだがそれに対してはすぐ上で「ハイ」と返答しているし、続けてこの返答だったとしたらあまりにも不自然だと感じたため前回の記事ではスルーしたのだった。

 おそらくB氏はメルカリのコメント欄ではなくtwitterのDMでそのような会話をしたのだろう。言うまでもなく直接手渡しというのはもし偽物だった場合に購入者のアドバンテージが計り知れない受け取り方法だ。メルカリの取引は購入者が受け取り連絡&評価をして初めて成立する(=売上金が決済される)からである。




◆シルバーカードの真偽判定◆

 それからB氏へいくつか質問したあと私は思い切って「シルバーカードの裏面を見せてほしい」とお願いしたのだった。B氏は快く承諾してくれたのだが、ここにその詳細を記してしまうと偽物業者の餌食になってしまうため公表はできないことをお許し願いたい。

 逆に言えばこの先、新たなシルバーカードが市場に出てくることがあったらそれは真偽を判定するうえで最大のポイントになり得るであろう。本物のシルバーカードの表の画像は今回のメルカリでもう既に全世界へ発信されてしまったので今さらどうしようもない。だがまだ裏面という砦が残っているというわけだ。

kinnnikumanbmeruari25.jpg

 いてもたってもいられなくなった私はとある人物へ連絡をとっていた。前回記事でシルバーカードの画像tweetを紹介させてもらったセイ!(@Sei_soft)氏である。氏は私が現時点で把握する限り、日本で唯一のシルバーカードを保有する入賞者本人なのだ。

 するとこれはまったくの偶然なのだが、シルバーカードについてセイ!氏も私と似たような見解を呟いているではないか。


 これ好機とばかりに、さっそくシルバーカードの裏面を見せてもらえないかとお願いしてみたところ、氏は「偽造されないように公開しないのであれば」と承諾してくれたのだった。

 上記tweetの通り、セイ!氏はシルバーカードの真偽判定について「裏面」と「表面の処理」という2つのポイントを挙げている。1つ目の裏面に関してはB氏のシルバーカードとまったく同じであることを確認できた。2つ目の表面の処理については動画を交えて詳しいレクチャーを受けたので細部までしっかりと目に焼き付けることができた。実はその2つ以外にも私はいくつかポイントを見つけていたのだが、それらのポイントもことごとく氏と共有することができたので私は確信を得たのである。

 つまり、これから先このタイプのシルバーカードが市場に出回ることがあっても真偽判定が可能だということだ。それが何を意味するかと言うとシルバーカードは偽造しても無駄ということに他ならない。大事なことなのでもう一度言おう。

 シルバーカードは偽造はしてもム・ダ!




◆関西1位のA氏インタビュー◆

 そしてついにこの日が来たのである――

 日本でたった8名しか存在しない『キン肉マンゴールドカートリッジ』の地区優勝者のひとりである関西1位のA氏に電話インタビューする日がやってきたのだ。前述の通りB氏はSNSをやらないA氏の代わりに私へ連絡をくれたのであり、幸運なことに「A氏と話をしたい」と願う私は最初から積極的サポートを受けることができたのである。また、B氏がA氏とLINEで連絡しあう仲になっていたことも大きかった。

 さっそく以下にA氏との会話を再現していこう。なお、特定をさけるためこちらもフェイク盛々でお送りする。
 
オロチ
本日は私のような訳のわからんマニアのために時間をつくって頂きありがとうございます。

A氏
ネットで話題になっていると娘から聞きました。お騒がせしてすみません。

オロチ
いえいえ、こちらこそすみません!

 まずはお互い挨拶。A氏に「お騒がせしてすみません」といきなり謝ってこられ困惑してしまった。むしろ一番騒いでるは私なのだから......。



orotima-ku1.png後編へつづく!

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