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なぜマリオはポリーンと別れたのか? ~公式見解から紐解くピーチとの衝撃的な出会い~

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 これはスーパーマリオ研究家オロチの大真面目な考察記事である。(※長文です)



◆ワンダーライフスペシャルとは?◆

 まずは今回の資料の紹介をしよう。1994年8月20日ゲームボーイ版『ドンキーコング』の攻略本として発行された任天堂公式ガイドブック「ドンキーコング」だ。滅多に市場に出てこないくせに特にプレミアがついているわけでもなく、ところがどっこい資料性は高いという、いわゆる“知る人ぞ知る稀覯書(きこうしょ)のひとつである。

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 監修はエイプ代表の糸井重里。ゲームメーカーとして知られるエイプには出版部門があり、MOTHERシリーズの攻略本やファミスタ百科、任天堂公式ガイドブックシリーズなどを手掛けていた。ちなみに発行は小学館。レーベル名はワンダーライフスペシャルという。

 まったくの余談であるが、ワンダーライフスペシャルとは主にゲームの攻略本を手掛ける小学館のキッズ向け実用書レーベルであり、もともとは伝説のオカルト雑誌「ワンダーライフ」が起源であることはあまり知られていない。


 
 このワンダーライフという雑誌についてはWikipediaに項目すら存在せず、ざっと調べた限りでは何やらキナ臭い理由で廃刊したという噂があるようだ。もしかしたら歴史から抹消されているのかもしれない......。




◆マリオとコングの関係性◆

 話を戻そう。この任天堂公式ガイドブック「ドンキーコング」の資料性の高さは何といっても巻末に収録されている「ゴリラとヒゲオヤジの懐かしくも新しい物語」と題された製作者インタビューなのだ。

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 そこには『ドンキーコング』生みの親・宮本茂をはじめ、任天堂やパックス・ソフトニカの錚々たる制作陣の面々が写真付きで紹介されており、本作の制作秘話やマリオシリーズの物語について語られているのだった。攻略本と銘打たれた書籍にはたまに、このような攻略以外のコンテンツが充実しているものがあるので、まったく侮れない。

 さっそくインタビューを見ていこう。筆者が個人的に注目したのは「いま明らかになるマリオとピーチの真実」と題され部分である。そこには衝撃的な真実が語られていたのだ。

 まずはマリオとコングの関係について。以下引用。

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宮本 そもそもドンキーコングというのは、マリオが飼っていたペットだったんですね。(略) あれはマリオをからかうためにやってるんです。配管工のマリオがゴリラを飼いながら工事現場で働いていると、そのゴリラがドンキーコングでそいつがマリオをからかってやろうと、ポリーンという女の子をさらって逃げていくわけです。
出典:任天堂公式ガイドブック「ドンキーコング」より

 おいおいおい。
 マジか。マジか......。

 なんとコングはマリオが飼っているペットだったらしい。そんなことはアーケード版『ドンキーコング』のインストにもファミコン版の説明書にも、ましてや本作GB版の説明書にも書いてない新事実ではないか。なぜ、そのような重要なことを攻略本のインタビュー記事なんていう必ずしも本作を購入したプレイヤー全員が見るとは限らない場所で語るのか。語っちゃうのか!

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出典:ゲームボーイ版説明書より。

 さらに、マリオは配管工として工事現場で働いていたと宮本はサラリと宣う。

 キノコ王国の配管工がいくら稼げる仕事なのは知らないが、ゴリラを個人で飼うとなると体力的にも金銭的にもそうとうな余裕が必要だ。英国メディアMETROによるとフランスには18年間ゴリラと共に過ごしている老夫婦が存在したらしいのだが、そのご夫婦はゴリラが家に来て以来一度も二人そろって外食や映画鑑賞などへ出かけたことがないという話だ。一般家庭でゴリラを飼うということはそれほどまでに献身的に世話しなければならないのである。

 そこへいくとマリオは放任主義が過ぎたようだ。万が一コングが厳密な意味でゴリラという種族とは違う生物だったとしても、あろうことか女の子をさらって逃げてしまうのだから、とんでもなく世話のかかる動物であることには変わりない。しかも「からかってやろう」という意味不明な理由で......。




◆マリオの職業について◆

 また、マリオの職業について宮本は「配管工」と断言しているがこれはおかしい。マリオは初代『ドンキーコング』のときは大工だったはず。マリオが元々大工だったという話は任天堂公式のオンラインマガジンである「N.O.M」にハッキリと記載されているのだ。

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 ルックスのエピソードで説明したとおり、マリオはオーバーオールを着て帽子をかぶらなけらばならない宿命(!?)だった。それで、そんな格好をしているのは大工さんだよなーということになり、あとづけで大工業に決まったらしい。そんでもって、大工に見えるキャラクターを動かすゲームなんだからってことで、『ドンキーコング』の舞台が、工事現場を連想させるような鉄骨のステージに決められたらしい。スゴイぞ、マリオ。名前がなかったワリには、すべてはマリオ優先で決められていったってワケだ。

 これは宮本自身もことあるごとに語っていたエピソードなのである。(※参照:社長が訊く『New スーパーマリオブラザーズ Wii』)

 一部のマリオファンの間ではこれを知らないとニワカと揶揄されるくらいの有名なトリビアだ。にもかかわらず、GB『ドンキーコング』攻略本のインタビューでは、宮本はふつうに配管工と述べているのだった。これはどういうことだろう?

 もちろん「ゲームのキャラは転職してはいけない」なんていう難癖極まりないことを言ってるわけではない。ゲーム&ウオッチ時代を含めると瓶詰工場、セメント工場、解体業、テニスの審判、医者など今までマリオが様々な職業を転々としてきたことはあまりにも有名だ。しかしそれはあくまでもタイトルごとに職業を変えていたという話であって、今回のように同じタイトルなのに職業が違うという話とはツッコミどころが根本的に異なるのだ。



 図らずもN.O.Mが指摘するように映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』がアメリカで公開されたのが1993年5月28日、日本公開が1993年7月10日だったことを考えると、本作がリリースされた頃は「マリオ=配管工」というイメージが世間にかなり浸透していた可能性は否定できない。そんな大衆イメージに迎合する形で宮本がマリオを配管工としたのかどうかはわからないが、GB版『ドンキーコング』はタイトル名は同一ながらAC版のリメイクではなく完全なる新作なので、公式による新解釈ということで納得するしかあるまい。

 そもそもアーケード版『ドンキーコング』の時点ではマリオには名前すらなかったことを思い出してほしい。宮本は任天堂のアメリカ支社の人間が勝手に呼んでいた「マリオ」という名前を採用している(※2)ではないか。また、大工という設定が後付けであることも明言しているところだ。宮本はいい意味でキャラクター設定というものに無頓着なクリエイターなのだ。あえて曖昧にすることで設定に“遊び”の部分をつくっていると言い換えてみてもいい。それが彼の“遊び心”なのである。現にマリオについてはいまだに本名(※3)も年齢もハッキリわかっていないのだ。

(※2:任天堂「マリオの名前の由来」をめぐる嘘と真実)
(※3:マリオの本名を「マリオ・マリオ」とするサイトは無数にあるが任天堂がハッキリ断言したことはない)





◆マリオとポリーンとの関係◆

 さて、ここからがやっと本題だ。そもそも筆者がこの本を入手した理由は「マリオとポリーンの関係性」の公式見解が載っているからなのだった。以下「ポリーンというのはマリオの恋人なんですか」と質問されたときの本作ディレクター亀山と宮本の回答より引用。

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亀山 昔の彼女ですね(笑)。
宮本 今回の最後に出てくるドンキーコングの故郷のあたりに、どうもキノコの国があるらしい。そこらへんでピーチに出会って気が移っていくんでしょうね(笑)。
亀山 つまりこれは『スーパーマリオブラザーズ』の前の話なんですよね。で、その後、マリオが有名になったのでポリーンはふられちゃったんですね、きっと(笑)。
出典:任天堂公式ガイドブック「ドンキーコング」より

 全体的に(笑)マークがついているところからおそらく冗談めいた口調だったことが推測されるが、それでも公式見解には変わりない。

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画像:『スーパーマリオオデッセイ』より

 ちなみにポリーンという名前についておさらいしておくと、日本で正式に採用されたのは本作GB版『ドンキーコング』が最初であり、それまではレディと呼ばれていたことはご存知のとおり。なお、名付けられた経緯については本題ではないのでWikipediaに丸投げしておこう。

イギリスの雑誌に掲載されたゲーム&ウオッチ版の広告にてLouise(ルイーズ)、アメリカのアニメ番組『Saturday Supercade』にてPauline(ポリーン)という個人名がヒロインに付けられ、後にポリーンの名が1986年発売の欧米のNES版で採用されて正式名称となる。ポリーンの名前を付けたのはマリオと同じくNintendo of America (NOA) の社員であり、NOAのとあるスタッフの妻であるポリー (Polly) 、および映画『The Perils of Pauline』を元にした名前である。ただし日本での正式名はこの頃はまだ固定されておらず、依然「レディ」と呼ばれていた。上記の経緯から、国内と海外で名称が異なる期間が存在した(1986年〜1994年の9年間)。

 ここから公式見解を受けた筆者の考察である。

 その日、ポリーンは弁当でも持って彼氏であるマリオの職場へ訪れたのだろう。二人はランチデートの約束をしていたのかもしれない。しかしその日のコングは平常心ではなかった。最近マリオの仕事が忙しくてぜんぜん構ってもらえなかったので淋しかったのだ。そんなゴリラに彼女はまんまと拐(かどわ)かされてしまったのだった。この行動はコングの血に流れる元ネタ(きんぐこんぐ)の影響によるものだと推測される。

 ただし彼女が標的にされたのは偶然ではない。コングはポリーンのことをマリオの大事なひとだと認識したうえで担いで逃げているのだ。そうでもしなければ追ってこないと考えたからである。


画像:ファミコン版『ドンキーコング』のパッケージ絵

 ということはこの時点で少なくともマリオとポリーンは、コングがただならぬ仲だと認識するくらいは会っていたということになる。おそらくマリオはそのへんの森でコングを放し飼いしていたわけではなく、ちゃんと自宅で飼っていたのだろう。前述のフランスの老夫婦が語ったようにゴリラは常に寄り添いながら献身的に世話をする必要のある動物だからだ。彼が職場にわざわざ飼いゴリラを連れてきている理由もそれで説明できる。

 そうなってくると、ポリーンがマリオの自宅へも何度か訪れてたことは間違いない。たまには彼女もコングの世話もしていたかもしれない。そのような微妙な三角関係が見えてくるのだ。





◆衝撃的なピーチとの出会い◆

 ところがそれは起こってしまった。マリオが手ぶらであることに注目すると何もかもほっぽりだしたまま慌てて担当現場を離れたことがわかる。しかしコングは冗談にしてはあまりにも遠くまで逃げてしまった。もはや鬼ごっこというレベルではない。しかも怒り狂って樽まで投げてきやがる。もはやキャッチボールというレベルでもない......。

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画像:GB版『ドンキーコング』1面

 だが、その道中でマリオはピーチ姫と運命的な出会いを果たすのだった。

 改めて読み返してみると宮本は「ドンキーコングの故郷のあたりにどうもキノコの国があるらしい」と語っていた。その口ぶりからするとマリオがピーチと出会った場所自体はキノコ王国ではなかったと推測される。実際に本作GB版『ドンキーコング』ではコングは最終的に岩山地帯にそびえたつ巨大な塔まで逃げ込んでいるのだ。

 では、なぜピーチはそのような辺鄙(へんぴ)なところにいたのだろうか。そんなところで一国のお姫様が単独行動しているとは考えにくい。おそらくピーチ姫はキノピオなどの従者を引き連れた御一行であり、隣国の即位式や建国記念祭典などへの参列に向かう途中、あるいはその帰り道だったのではあるまいか。たまたまその隣国がどうしてもそのルートを通らなければ行けないような場所に位置していたのだろう。

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 ただし王族という身分を考えると移動中のピーチは馬車(※4)の中へ籠っており、外部からはその姿を見ることすら不可能だったはずだ。何らかのトラブルでも発生しない限り、庶民が彼女の姿を拝めることなど有り得ない。つまり何らかのトラブルがあったのだ。たまたま何らかのトラブルがあってピーチは馬車から降りざるを得ない状況にあった可能性が非常に高い。(※4:乗り物を馬車に特定した理由はキノコ王国の文明レベルを『スーパーマリオブラザーズ』の世界観から解釈しているためである)

 何らかのトラブルで馬車を降りていたピーチは、その何らかのトラブルが解決するまでいわゆる“花でも摘んでいた”のだろう。近世のヨーロッパ貴族は出かけるとき必ず携帯用のおまるを持ち歩いていた。おそらく走行中に馬車の車輪が岩か何かに乗り上げ脱輪してしまった拍子に、それがひっくり返って割れてしまったのだ。ひとはそんなときに限ってもよおしてしまうものである。いくらピーチ姫と言えども膀胱からの切実な要求を拒否することはできなかった。こうなったらどこか木陰で憚(はばか)るしかあるまい。

 しかしそこへ偶然、出くわしたのがマリオだったのだ。
 藪をかき分け出た先に高貴なご婦人の露(あら)わな姿があった。
 もし彼がそんなピーチのピーチを見てしまったとしたら......。

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※イメージ画像


 マンマミーヤ!

 筆者は決してふざけているつもりはない。二人の出会いが衝撃的でなかればならなかった理由があるのだ。そもそもマリオにとってはこれが恋人を助けに行く途中の出来事だったということを忘れてはならない。そんな鬼気迫る状況であるにもかかわらず彼はピーチに一目惚れしているのだ。よく考えたらこれは異常なことだろう。色情感覚がイカれてるとしか言いようがない。よっぽど二人の出会いが衝撃的でないと辻褄が合わないではないか!

 そこで筆者は逆に考えたのだ。彼はもともと色情感覚がイカれてたのではなく、むしろこの出会いによってイカれてしまったのではないかと。だったらこれくらいの性的嗜好が捻じ曲がるような出来事が起こってないと説明がつかないのである。





◆二人はいつ別れたのか?◆

 何はともあれマリオがピーチに一目惚れしてしまったことは事実だった。もはや頭の中はピーチのピーチでいっぱいだ。それ以降の冒険は惰性でしかない。正直、惰性でゴリラを追っている。マリオのなかでポリーンを助ける道理などとっくに消え失せていたのだから。しかし宮本が「最後に出てくるドンキーコングの故郷のあたり」と述べているとおり、ゴールが近いことを察していた彼は仕方なく、最後までコングのイタズラに付き合ってやったのだろう。



 なんやかんやあって、危なげなくポリーンを助けだしたマリオが彼女にいつ、どのような形で別れを切り出したのかはわからない。もしかしたら、女を担いで逃げ回るくせのあるゴリラを、いつまでも平気な顔して飼っているような男を見限ったのはポリーンのほうかもしれないが、亀山は「マリオが有名になったのでポリーンはふられちゃった」と述べているので、あくまでもふられたのはポリーンというのが公式見解のようだ。

 しかもこの言い方ではマリオがポリーンをふったのは『スーパーマリオブラザーズ』のあとということになるのだ。つまり、にわかに信じがたいことだが『スーパーマリオブラザーズ』の時点ではマリオはまだポリーンと付き合っていたということになる。

 これまた、とんでもない新事実だ!

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 いや、むしろマリオにとってみたらそれは体よくポリーンと別れられるチャンスだったのかもしれない。そう考えると「なぜ一介の水道屋がお姫様を救出しなければならなかったのか」というスーパーマリオ最大の謎のひとつが説明できるのだ。とある衝撃の出会いのせいでマリオは付き合っている女がいながらピーチに夢中だった。そんなとき姫がクッパにさらわれたという噂を聞いて彼は居てもたってもいられず冒険へ旅立ってしまったのではあるまいか。

 なお、職場にすら連れまわしていたコングを冒険のお供に連れてこなかった理由はポリーンに世話を託していたからというのでは弱い。あれだけ腕力のあるゴリラを亀軍団との戦いに有効活用しない手などないだろう。したがってマリオは「この時点ですでにコングとは決別していた」と考えるべきである。時系列でいうとGB版『ドンキーコング』のあと、彼はイタズラぐせの過ぎるゴリラをそっと森へ返したのだ......。




◆エピローグ◆

 マリオは結局のところ弟の力を借ることでピーチ姫の救出に成功した。レンガやつくしにされてしまった国民も元の姿に戻った。マリオは一躍キノコ王国を救ったヒーローとなり、昼は凱旋パレード。夜は王侯貴族をまねいてのパーリナイ。国をあげてのドンチャン騒ぎは1週間ほどつづいた。しかしそこは一介の水道屋。ピーチとの身分が違いすぎた彼がそのまま城に留まることは許されなかった。お祭りムードが終わると容赦なく帰郷命令が下ったのだ。

 そんな彼の帰りを健気に待っていたのはポリーンだった。突然姿をくらましたまま消息が途絶えていた彼氏が、どうやら悪いやつらと戦っていたらしく、とうとうキノコ王国のお姫様を助け出してヒーローになったらしいという噂を聞いたのは数日前のことだった。しかしマリオからの連絡は手紙ひとつなかった。

 もう彼は手の届かない存在になってしまったのかもしれない......。

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画像:GB番『ドンキーコング』EDより

 鏡台のよこの写真立てを見ては溜息をもらす日々の果てに、彼女はきっとすべてを悟るのだろう。それがいつなのかは知る由もない。



 🐍🐍🐍


 そして数年後――

 『スーパーマリオオデッセイ』での二人の関係性を見る限り、彼らうまく別れられたようだ。きっとマリオのことだから何かしらのケジメはつけたのだろう。他の女に惚れたままポリーンと付き合うことなど彼にできなかったのだ。そういった意味では彼は誠実だった。欲望に忠実であり誠実な男だった。ただしそれを差し引いたところで、ポリーンをふった理由が「有名になったから」というのはいくらなんでも最低だ。生々しすぎる。お笑い芸人が無名時代に付き合っていた一般人と別れて女優やアナウンサーと結婚するパターンのやつではないか!



 もちろん、世の中には一夫多妻制の国もあるわけで、アホウドリみたいに生涯一人のパートナーと添い遂げることこそ正しいとか、美しいとか言うつもりは毛頭ない。どちらかというと筆者は後日談で当然のようにヒロインと結婚して子どもをつくっていたりする漫画・アニメの主人公を見かけるとげんなりするタイプでなので(結婚相手は長い人生のなかでもっと慎重に選ぶべきで、学生時代の出会いがすべてみたいな漫画・アニメの風潮が個人的には受け付けない)、むしろ「有名になったから」というクソみたいな理由でふった元カノとまるで何事もなかったかのように友好的な関係性を築いているマリオという男の底知れなさには脱帽を禁じえないのだ。

 そういった意味では、このエピソードは確実にマリオという人物像に深みを与えてくれたと筆者は思う。彼は決してオーバーオールを着て浮かれ回っているだけのヒゲ親父ではなかったのだ。人間味あふれるひとりの男だったのである。



 (完)


orotima-ku1.png本人は大真面目です。

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コメント

読み応えありました・・・。
オカルト雑誌のワンダーライフは全然知らなかった・・・このテのはムーの1強かと(-_-;)
その後、ドンキーコングが元々マリオのペットだったと知り、衝撃を受けましたよ。
そしてマリオには元カノがいた事、二股時代があった事等々・・・いやぁ人生色々!、どんな人にも歴史有りって事ですよ!(苦笑)
そして何といっても、宮本さんの遊び心の匙加減が絶妙な事。
遊び心ってまさに、余裕持たせる部分というか、色んな機械類や、クルマでもハンドルに「遊び」の余裕を持たせるじゃないですか。
そこには、ユーザーが各々の想像力を育ませる意味でもあるし、それが重なりゲームがもっと面白くなると思うんですよ。
今の時代、ゲームだけでなくアニメやマンガでも設定細かく、背景をユーザーに見せて説明してて、矛盾なりツッコミ避けようと必死だけど、消費者に想像の余地を与えない弊害もあるんだよね。
同人コミケ文化の発達は、まさに各々の想像を形にする事で、ここまで発展したと思うし、やはりある程度はいい加減な設定?(笑)の方が、名作なり心に残りやすい、「僕だけ、私だけの傑作」になりやすい素地になるのかな~とか思いました。
だからこうして、オロチさんの考えるストーリーが産まれるワケで、私は興味深く、オロチさん原作のポリーンとのお別れまでの流れを読んでいましたね(笑)
マリオも男であり、人間臭い部分があるんだなぁと思ったし、妙に安心しました。
みんな完璧な美しさではなく、どこかで、傷ついたり、汚れたりを繰り返し、それを修復やら磨き直しを繰り返して、魅力ある人間になっていく。
このゲームを作った宮本さんや製作陣にも、色々な異性との交流、苦楽の人生を積み重ねてきた。
その結晶が、マリオワールドとそこに住むキャラクター達であり、深みと彩りと魅力、そして遊びが詰まっている。
だから世界でこれだけ受け入れられ、人気になったんだなと納得しました。
ある程度は、いい加減で適当な生き方でもいいんだよって感じにも聞こえてきそうな感じです。
う~ん、このガイドブック、私も読んでみたくなりました。
ゲームは持ってないんだけどね(笑)

感想ありがとうございます。私が言いたかったことを完璧に読み取っていただきました。私はまさにそういうことが言いたかったわけです。笑
私がキン肉マンが好きなのも、まさにそういうところ。とにかく設定がいい加減なんですよね。そこがいいのです。私はどちらかというと設定にうらさい人間のように思われてる感じがしますけど、正直、設定なんてどうでもいいんですよ。重要なのは「登場人物がいかに生き生きしているか」ということであって、それを感じられる作品ならば、他はなんでもいいのです。
このガイドブックは本文にもあるとおり、いざ探すとなかなかないですね。でも出てきたら安く買えると思います。ゲームはぜひやってください。本体でやるのもいいですがスーパーゲームボーイ2とSGBコマンダーがあれば完璧です。

初代アーケードドンキーゴングは少なくとも日本版はレディなのに変わったのか。
2003年稼働開始ゲーセンのクイズマジックアカデミーの問題で、
ゲーム『ドンキーコング』でドンキーコングがさらったマリオの恋人の名前は○○○? ○を答えなさい
三文字なのでポリーンはない、今はアップデートされてかいとう変わってるかも知れませんが。

マリオは大工や配管工以外にも解体工、瓶詰工場やセメント工場で働いていたこともありますから、期間工のような形でいろいろな仕事をしていたんじゃないでしょうか。
それで、たまたまキノコ王国付近でよい仕事があったためそちらに移住して働くことにした。
マリオは彼女であるポリーンも連れて行こうとしたけれど、住んでいる街そのものに愛着のあった彼女はそれを嫌がったため遠距離恋愛となる。
その後、マリオがピーチ姫をクッパの手から救ったことをきっかけに二人の間は親密になり、マリオとポリーンは破局してしまった……と考えれば辻褄は合う、かな?

12779.さん
ポリーンの名前が採用されたのは今回とりあげたGB版『ドンキーコング』ですから。初代AC版はレディですね。そのクイズがそのまま「ゲーム『ドンキーコング』で」という言い回しなら大変語弊のある書き方だと思います。


りくる さん
マリオの職業遍歴は弊ブログも過去にいろいろとりあげているので存じております。私がおかしいなと思ったのはマリオの職業がタイトルによってコロコロ変わってることではなくて、あくまでも『ドンキーコング』の設定は大工だったという話です。同じタイトルなのに職業が違ったから、おかしいと思ったのです。

オロチさん

職業が大工というのも配管工というのも間違いではなく
マリオはドンキーコングの舞台である現場(ビル建設?)では大工兼配管工という立場だった、という解釈ではどうでしょうか?
(でもそれなら職業は○○という言い方はしないか……)

それは考えにくいですね

はじめまして、いつもブログ拝見しております。
りくるさんの話、可能性あるかもしれません
早川書房「ニンテンドー・イン・アメリカ」によると、アメリカでマリオが初登場するアーケードゲーム「ウォーターゲート・ケイパー」の項で宮本氏のコンセプトを実現する下りでこう記述されていました
「オーバーオールと言えば誰が着るものだ?大工とか配管工といった、建設現場で働く人々だ。こうしてジャンプマンは職業を得た。彼は…そう…大工だ。彼が配管工になる日は近づいていたが…」

これは著者であるジェフ・ライアンによる記述ですが、宮本氏NOA社員含め大工=配管工の認識を持っていた話はありえるかもしれません。

コメントありがとうございました。
すみません。考えにくいといったのは正直言ってのマリオの職業については今回のテーマの本題でないので、ここでは(少なくともこのコメント欄では)考えるを差し控えたいといったニュアンスの意味を含んで書きました。決してりくるさんの意見を否定したいわけではなかったのですが、伝わりづらくてすみません。
それにしてもそれは貴重な証言だと思います。また改めて考えたいと思います。ありがとうございました。

今の今までレディの名称と思ってたので整理したいんですが
「レディ」というのは仮称だったのか
それとも日本版でのあだ名ということなのかどちらでしょう?

初代『ドンキーコング』時代のレディは固有名詞という意味での名前ではなく呼ばれていた名前。つまり呼称といったほうがいいかもしれません。マリオがジャンプマンとかミスタービデオとか呼ばれていたのと同じという認識です。

この考察はめちゃめちゃ面白かった。とても読みごたえがありました!

ありがとうございます!

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