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【ファミコン総数問題】なぜ『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』書き換え版は総数入りしないのか?

◆ファミコン総数の歴史◆

 現在、ファミコンソフトの総数はカセット「1053+ディスク199=1252本」というのが定説となっている。そう、あくまで“定説”だ......。

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 そもそもファミコン総数の歴史は最後のファミコンソフトが発売された1994年以降に発行された「大技林」の1240本から始まっており、それ以来リストから漏れたソフトが発見されるたびに1240本→1246本→1249本と見直されてきた。つまりファミコン総数の歴史とは「更新の歴史」とも言えるわけだ。

 しかし2003年。ファミコン誕生20周年を記念して開催された「レベルX」というファミコンソフトをすべて展示するイベントを主催した東京都写真美術館が「ファミリーコンピュータ1983-1994」という図録を発行。そこに1252本という数字が示されて以来、今まで当たり前のように行われてきた更新がピタリと止まることになるのである。

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 ※レベルX図録「ファミリーコンピュータ1983-1994」(太田出版)の帯

 帯に謳われた「任天堂全面協力」の文言が決め手となったのかはわからないが、それ以降、様々なコレクターや研究者によって『ベストプレープロ野球』のデータROM2種や、NHK学園などのリスト漏れソフトの次々と発見、或いは、その流通経路などが解明されていったのにも関わらず、いまだにこの数字は更新されていないのが現状だ。

 したがって1252本のことをひとまず「定説」と呼ぶことにしよう。

 日本には「他人の土地を20年占拠したら所有権を主張できる」という法律があるのはご存じだろうか。20年という歳月にはそれだけの重みがあると私は思う。奇しくも定説が2003年に誕生して以来、それがまったく更新されないまま来年で20年が経とうとしているのだ。だから筆者は何としてでもそれまでに定説を見直したい。先駆者たちがこれまで粛々とやってきたように当たり前のように更新したいのである。





◆定説数の不可解な矛盾◆

 というわけで具体的な話に移ろう。

 このファミコン総数問題シリーズは何回かにわけてお送りしていこうと思っているわけであるが、今回は「たぶん議論が別れないだろう」と思う一本を取り上げてみたい。つまり明日からでも是非、総数に加えていただきたい一本の紹介だ。

 ご存知のように定説によるとファミコン総数1252本の内ディスクが199本ということになっている。実はこのディスク定説数については任天堂公式オンラインマガジンである「N.O.M」ですら、かつて以下のような文章を載せているのだが......。

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ラストタイトルは1992年12月22日発売の『じゃんけんディスク城』(徳間書店インターメディア)。書き換えサービスは2003年9月30日まで続き、全199タイトルのリリース、ソフトの総売り上げ数5,339万本をもって、その歴史にピリオドを打ちました。

 この199本というディスク定説数には残念ながら不可解な矛盾があるのだ。

 少しセンセーショナルな言い方になってしまったが事実なのでお許し頂きたい。それは『SDガンダムワールドガチャポン戦士 Scramble Wars』(以下:SDガンダム)のパッケージ版と書き換え版を内容の一部が違うという根拠でそれぞれ別のタイトルとしてカウントしていることなのだ。実は一部の内容が違うディスクソフトは他にもいくつかあることが判明しているのである。

 世界屈指のディスクシステム研究サイト「ファミリーコンピュータディスクシステム資料集」によると、一部の内容が違うディスクソフトとして以下の20タイトルが挙げられている。

■ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲
■SDガンダムワールド ガチャポン戦士 Scramble Wars
■勇士の紋章 ディープダンジョン
■谷川浩司の将棋指南II 名人への道/新版 詰め将棋・次の一手
■悪魔城ドラキュラ
■ウルトラマン倶楽部
■SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ [パッケージ版]
■エスパードリーム
■奇々怪界 怒涛編
■キン肉マン キン肉星王位争奪戦
■ゴルフ
■ゼルダの伝説
■ダーティペア Project Eden
■探偵 神宮寺三郎・新宿中央公園殺人事件
■ナイトムーブ
■光神話 パルテナの鏡
■魔洞戦記 ディープダンジョン
■メトロイド
■もえろツインビー シナモン博士を救え!
■リンクの冒険

 同サイト管理人gponys氏にディスクソフトの総数入りの条件について見解をうかがったところ、内容が違うもののなかでもバグフィックス(※バグを修正の意)によって内容に変更が生じたものと、明らかに何かの意図があって内容が変更されたものと分ける必要があるとのことである。そして後者のグループこそが総数メンバーに入れるべきとの回答を得ることができた。

 即ち、『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 Scramble Wars』『谷川浩司の将棋指南II 名人への道/新版 詰め将棋・次の一手』『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』『勇士の紋章 ディープダンジョン』の4本である。このなかで定説に含まれているのは『SDガンダム』と『次の一手』の2つのみなので、残り2本は総入り予備軍ということになるだろう。




◆「ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲」書き換え版の存在◆

 筆者はそのなかでも『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』書き換え版に注目したいのだ。そもそも『SDガンダム』書き換え版が総数入りを果たしている理由は、おそらく内容(マップ)の違いもさることながらパッケージ版(BAN-SGW)と書き換え版(BAN-SG1)ではそれぞれ型番が違うという物理的証拠が大きいとみている。しかしながら実は上記に挙げられたソフトのなかで『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』だけがまったく同じ条件を満たしているのである。

 つまり『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』はパッケージ版(BAN-ULM)と書き換え版(BAN-UL1)で型番が違うのだ。もっと言えばラベルすら違うのだ。それなのに、なぜ同ソフトは総数入りさせてもらえなかったのだろうか?

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 おそらく明確な理由などないのだろう。

 あるとしたら「リストを監修した人間が気づかなかった/知らなかった」くらいのものだ。何度も言うがべつにそれ自体はまったく悪いことではない。なぜなら冒頭にも述べたようにファミコン総数の歴史とは「更新の歴史」だったからだ。直せばいい。それだけである。ひとまず『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』を総数に加えて200本ということにするか、それとも2本とも除外して198本とするということにするか......。議論が分かれることろだ。(結局は)

 ※なおN.O.Mの主張する199本については内訳がわからないため、通説とは内容が違う可能性はゼロではありません。



orotima-ku1.pngこのシリーズはまだまだ続きます。

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コメント

「ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲」はパッケージ版と書き換え版でBGMが変更されていますね。
これは別物と言っても良いのではないでしょうか。

総数問題って本当に奥深いですね。(考えるのが楽しい)
個人的には数を数えた人が知らなかったもしくは気づかなかった(気にしてなかった)説が有力なんではないかとは思いますが、
『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』はパッケージ版(BAN-ULM)と書き換え版(BAN-UL1)で型番が違うということですが、音楽の版権が切れたからという理由もあるっぽいので、再販されないという意味で型番が置き換わったということになり、むしろパッケージ版(BAN-ULM)の方が総数から省かれているっていうことはないですかね?
こういうのって歴史の解釈とかでも意外とあるんでしょうね。偉い人がちょっと間違えて書いちゃったものが後の事実になってたりするんだろうなぁ。
上野の西郷さんの銅像の犬なんかが紛らわしい例で性別が違う問題。
後になって西郷さんは薩摩犬のメス(ツン)を飼っていたが、銅像の犬(オス)のモデルはツンではない。という解釈になっているらしいですね。

BGM以外の大きな違いがあるのだろうか・・・。
それのみだとはじかれる可能性も十分にある気がする。
いや、BGMって大切だけどね。

あらためて大技林(2011秋)を見ましたが、ガチャポン戦士は別カウントされてたんですね。気づいてませんでした。
数が変わり続けるとメンドイので、ある程度権威がある書籍で出た数で普及したあたりで打ち止めし、新たな情報がわかってもあえて例外扱いして揃えてるんでしょう。

私がスーパーマリオブラザーズオールナイトニッポン版の存在を初めて知ったのは、網羅版ではない当時の付録版の大技林に載っていたからだったのですが、新版には載っていないんですね。

とても興味深く面白かったです。
文章の端々から「更新の歴史」に対する敬意が感じられました。
応援してます。

色んな数字が出てくるけれど本人が持ってるか持ってないかで数字の主張が変わると思うは。
例えばNHK学園持ってればこれも販売だ!これ無いとコンプじゃねーっ言いたくなるよな。逆に持ってなければそんな特殊なのは入れなくていいってことに
NHK学園うんぬんならスタディーボックスの膨大な種類のテープはどうすんだってことになるけどね。

ウルトラマンはこれジャスラックの期限切れってわけではなく、書き換え版の金額だとジャスラック使用料を払えないとかそんな理由だったりしないですかね。
同じディスクの仮面ライダーの方を見てみると、こちらはTVの曲は使ってはいるもののアレンジがかかっているせいかジャスラックシール貼ってないようですし。
ウルトラマンの音楽はけっこうな再現度なんですよね。
他にジャスラックシールはってあるディスクのゲームってあるんですかね。

大変興味深い意見ありがとうございます。その線は考えてませんでした。

スクランブルウォーズに関してですが、実はパッケージ版と書き換え版でタイトルが違う可能性があったりしないかなと思っています。
というのも、SDガンダムが「エスディーガンダム」として正式にシリーズ化したのが88年からで、それまではガチャガチャの人形シリーズ「スーパーディフォルメガンダム」が正式名称だったんですね。
スクランブルウォーズのパッケージ版と書き換え版のリリース時期はちょうどこの転換期を挟んでいるので、見た目こそ変わらないものの実はSDの読み方が違う別タイトル扱いになってたりするのかもなと思いました。
まあ87年以前でも「エスディー」読みも普通に使われていたので、あまり説得力ないんですが。

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