タイムトラベラーかな!? 28年前にゲームの未来を予言したメーカー広報さんがtwitterで話題!!
2022年04月03日10:47
ネタ・コラム
ファミコン通信1994年8月5日号より。ゲームソフトが安くなる方法について各メーカーさんに質問するコーナーで、いろんなメーカーの担当者さんが「そもそも安くならない」だの「裸のROMだけ売る」だの答えているなか、的確に未来を予言しているアイ・ジー・エスの櫻井さんすげえ。 pic.twitter.com/16FOm2BgJS
— オロチ(Famicom Archivist) (@oroti_famicom) April 2, 2022
まあ、手前味噌なんですけれども。笑
1.5万いいね超えてるので話題になってるといってもウソではないよね。これはファミコン通信1994年8月5日号に掲載されていた「199X ソフトが安くなる日」という特集で、各メーカーさんに「どうやったらゲームソフトは安くなるのか」と質問を投げかけて担当者さんに答えてもらうというコーナーだったのだ。
こちらが実際のページである。

※プライバシーの問題で一部モザイク処理してあります。
ご覧のように他のメーカーさんは「そもそも安くならない」「景気が回復すれば安くなる」「次世代機がCD-ROMを使うようになれば」「裸のROMだけ売る」というような回答をしているなか、IGSの櫻井さんだけはまるで未来を見てきたかのような回答をしたのだった。
以下引用。
マルチメディアがもっともっと発達したらゲーム店はなくなっちゃうんじゃないですか? メーカーはゲームを情報として流せばいいだけですからね。ユーザーも情報として提供されたゲームを契約金を払うだけで使用できるようになる。そうしたらゲームが安くなる可能性は大いにあるんじゃないでしょうか。
これはすごい......。
何がすごいって、まず時代背景から説明するとこの取材が行われたのはおそらく雑誌発行日からして1994年7月以前だと思われるのだが、その時点ではまだプレイステーション(同年12月)やセガサターン(同年11月)など次世代機と呼ばれた家庭用ビデオゲーム機は発売されていないのである。ネオジオCD(同年9月)もスーパー32X(同年12月)もPC-FX(同年12月)出ていないスーパーファミコン時代だったということ。(3DOは出ていたけれども)
スーパーファミコンの時代はゲームソフトの定価が平気で1万円を超えていたことを忘れてはいけない。
そしてtwitterで鬼のように指摘リプが飛んでくるのであるが、スーパーファミコン衛星データ放送サービス「サテラビュー」が始まったのが1995年4月以降であり(※しかもサテラビューのサービス自体は無料)、それよりも1年弱前の発言だっだということを付け加えておこう。もちろんインターネットもまったく普及していない。というか、これもtwitterで鬼のように指摘リプが飛んでくるのであるが、世界初のPCソフト自販機であるTAKERUやファミコンのディスクシステムなど、それ以前にも「ゲームをデータで売る」という発想自体はあったことは知っている。だが櫻井さんのすごいところは「ユーザーが契約金を払うだけで使用できるようになる」という部分なのだ。
改めて読み返してみると「ゲーム店がなくなる」という前置きやソフト代金ではなく「契約金」という言い回しからみて、これは「Nintendo Switch Online」や「PlayStation Now」のようなサブスクリプションサービスのこと指していることに気付かされるのである。だとしたら本当に数十年先を見ているのではないだろうか?
これを大したことないと言ってるひとたちは、じゃあ今からあなたが西暦2050年ごろの未来のゲーム事情を予言してくれますか?って話になると思うのだが.....。
以下主な反応。
画期的な事を言ってるように見えるけど、80年代後半にはディスクシステムの書き換えでネットを介しない「ゲーム情報だけを買う」が確立してたし、90年代初めにはメガドラのゲーム図書館っていう「ネットを介してゲーム情報を買う」が始まってるし、あとは回線問題だけって感じだった気はするな。 https://t.co/NI60VlrmEW
— まるまさ (@MARUmasa03) April 2, 2022
当時はPCソフトの自動販売機TAKERUが稼働していましたし
— カモメのたまご (@osakana3349) April 2, 2022
ソフトをダウンロードで売るという未来が見えている人が居ても不思議では無いような気もしますが
ゲーム機に通信機能を搭載してダウンロードとなると大分ハードルが高そうですね(その後ピピン@やらドリームキャスト等が失敗してますしね・・・) https://t.co/K7AcselvHl
すでに1980年代にはパソコンソフトではソフトベンダーTAKERUによってダウンロード販売は実現されていたし任天堂もディスクシステムの書き換えサービスによって「データのみを販売する」ということは実現していました。だから、1994年の時点でこのようなコメントをする人がいてもおかしくないですね。 https://t.co/7SK02QVhZL
— おちゃめ (@ochame_nako) April 3, 2022
ソフトベンダーTAKERUとか500円でのディスク書き換え=DL販売、ディスクファックスなど前例は94年時点でいくらでもあるんですよ… https://t.co/fGghH6nk5u
— ウナム日月 (@unamuhiduki) April 2, 2022
任天堂のディスクライターとか、PCソフト販売機のTAKERUとか、ソフトだけを安く売る仕組みは80年代から普及してたし、88-94年の漫画「パトレイバー」でもゲームをパソコン通信でDLして遊ぶ描写があったりして、割りと当時でも概念的にはそれほど突飛では無かったような。 https://t.co/Owqldo9A7H
— スピード丸 (@speedo_ragnarok) April 2, 2022
これってサブスクの概念ですよね?
— イエローデスペラード【サブアカウント】 (@Curvingedge334) April 2, 2022
え、先見の明がすごい… https://t.co/oNl8baxrY7
28年前にゲームのサブスク化を予言してたの凄いな https://t.co/n3xiGRdGjA
— ARABIN🌸クソメタおじさん (@8ARABIN8) April 2, 2022
ゲームが安くなる所か、未完成のまま世に放たれて追加パッケージなる物を買わないと完結しないゲームが増えた。
— 鳳レオ (@ootori_reo) April 2, 2022
この人の先読みは凄いけど企業の腹黒さ迄は読み切れなかったか… https://t.co/4Z8Acm1QBt
ソフト本体で考えてもdl版でも値段自体は高くなってる気がするし月額制にしろ課金にしろ使う金額が増えてるところだけはある意味ハズレかも https://t.co/6na0jQCgT6
— けつアゴ (@USAGISHI_pad) April 2, 2022
「ゲームは安くなる」以外は全部当たってる。すごい。 https://t.co/1VfHYhwRlD
— 手塚一佳 (@tezukakaz) April 2, 2022
凄い先見の明だ‼️
— inasaku11 (@inasaku_11) April 3, 2022
サプライ方法は仰る通りになりました
価格の面は半々ですね
基本無料のゲームはスマホなどのソシャゲとして存するけど、パッケージ版のDLソフトは正直安くならなかった
マニュアルやインストの印刷やメディア代金など減ってるにも関わらず…まあ人件費など上がってますから仕方ないか https://t.co/RqVEF0J8Xs
広報なのに(失礼)自社業界の未来を適切に予言してる笑
— kent (@kent_o_h) April 2, 2022
だが、開発費が大きく伸びたのとプラットフォーマーが必要とされたことで、パッケージ版のコスト・中間マージンが製品価格に転嫁されていない。
しかし一方で、無料〜数百円ゲームやアイテム課金が産まれ、ビジネスモデルが多角化したな。 https://t.co/IKH4erxb1z
PCでは80年代にはTAKERUという形でDL販売があったので全く新しい概念だったわけではないが、代金を払えば所持しているゲーム機で新しいゲームができるという発想は慧眼。
— Oh!磯 (@OisoS) April 3, 2022
物価の全く違う30年前と同じ価格帯でゲームが売られているという時点でゲームは「安くなっている」という点にも注目。 https://t.co/93C3JZaqYH
何がすごいって当時(というかそれ以後でも)は業界的に小売店を敵に回しかねないこの手の発言はあまり喜ばれないものだったのに「言ってる」&「載せてる」ところだと思う https://t.co/b6sNlv0oYX
— Rita Cinquetti (@Rita_Cinquetti) April 2, 2022
むしろ回線もストレージもこれだけ進化したのにパッケージ販売が未だに残っているほうがすごいのかも。 https://t.co/aRgBpstwwx
— かける (@Kakeru8201) April 2, 2022
記事の内容も面白いですがこの時点のアイジーエス生存確認が興味あります
— RECCA (@FamicomSpirits) April 2, 2022
断層都市ストレイロードがこの辺りだったかな...
こういう別の角度から指摘をしてくださる方々には本当に感心させられます。とくに「生存確認」のご指摘は気づかなかった。たしかにIGSの最後のゲームソフトは93年1月にリリースされたSFC用ソフト『BURAI 八玉の勇士伝説』なんですよね。
こういうところに気付くとは。さすがです。
最後にTAKERUの話題が出たところで、その情報誌「TAKERUわあるど」創刊号とその仲間たちの画像を貼っておきましょう。

実は私オロチはTEKERUを利用したことはないのですが資料として所持しております。オールドPCの世界には、こういう素晴らしいサービスがあったんですね!
追伸:いつの間にかtogetterでまとめられとるがな。
![]() | 最近twitterに力を入れてるよ。 1万フォロワーいくまで頑張るつもり。 |
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