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新発見「ファミコンハンズフリー」は日本で販売されていた!!

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◆古いサイトの発掘◆

 かつて広島から全国展開したファミコンショップ「ブルート」の公式サイトには「HandsFree製品案内」というページが存在した。

 そこに以下のような記述があったのだ。

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手を使わずに、TVゲームの操作を実現。ニューファミコン対応ファミコンハンズフリー登場。

FAMICOM Hands Freeは手を使わずに、息を吸ったり、吹いたり、そしてアゴを使ってTVゲームを操作することができるコントローラーです。米国ニンテンドーオブアメリカで研究・開発されたFAMICOM Hands Freeは任天堂ニューファミコン対応のコントローラーです(一人用)。このコントローラーを使用することで、身体の不自由な方にも、TVゲームを楽しんでいただくことができます。

 おおっ、これは!

 Web Archiveに残る該当ページの画像はすべて消滅していたものの、筆者はこれに該当するコントローラを知っている。



◆開発の経緯◆

 その名も「NES Hands Free」だ。

hanzuhuri-005.jpg
出典:The NWC Insiders Program Guide (NES)

 当時の資料によるとこのコントローラはTodd Stabelfeldtなる人物と米国任天堂(NOA)が共同開発したものである。彼は8歳のときに肢体麻痺となりシアトルの小児病院に入院していたが、そのとき白羽の矢が立ったという。この写真の人物だ。

 それから2年の歳月をかけて様々なテストが行われ、1989年4月に完成したのがこの「NES Hands Free」だったわけなのだ。

hanzuhuri-002.jpg
出典:Video game controller:NES Hands Free Controller - Nintendo — Google Arts & Culture

 このコントローラは全米の熱心なプレイヤーへ100台以上販売されたらしい。

 筆者は存在だけは知っていたものの、冒頭のブルートのページを発見するまでは、日本でも販売する動きがあったことについては知らなかった。過去にebayに出品されたことは何度かあったが、少なくとも日本の市場に出回っているところを見たことはなかったのだ。



◆日本で販売へ◆
 
 調査を続けたところtwitterにてブルート以外のファミコンショップ関係者の方から「サンプルを見た」という証言をいくつか頂くことができた。

 どうやらJAG(ジャパンテレビゲームチェーン協会)をつうじて日本での販売が試みられたようだ。JAGは1992年4月に結成されたファミコンショップの業界団体で、わんぱくこぞう、カメレオンクラブ、ブルート、TVパニック、ドキドキ冒険島など全国規模で展開する大手ファミコンショップチェーンが参加していた。

JAGロゴ(透過)
※JAGのロゴ(ファミコンショップ文化保存プロジェクトによる再現)


 同団体は過去に、当時品薄だった『ファミコンウォーズ』のバッテリーバックアップ改良版を任天堂に再販させるなど()、数々の実績を残している団体なので、独自ルートで「NES Hands Free」の輸入販売ができたとしてもおかしい話ではない。

 するとtwitterにて、さらなる有力な情報を頂くことができた。なんでも雑誌「じゅげむ」1996年11月号にその記事が載っていたのだという。

 さっそく入手したので紹介しよう。

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 出典:じゅげむ1996年11月号 資料提供:ナポりたん

 で、出たー!



◆やはり販売はブルートだった◆

 AV仕様のNEWファミコンが販売されたのが1993年12月1日。ファミコン最後のソフトの『高橋名人の冒険島4』が発売したのが1994年6月24日なので、まさか1996年のゲーム雑誌にファミコンのコントローラの情報が載っているとは夢にも思わなかった。これが今日まで発見が遅れた理由である。

 以下引用。

家庭用ゲーム機販売店のブルートは、この度手足の機能がマヒした障碍者でもゲームを遊べるファミリーコンピュータ用の特殊コントローラを、ニンテンドーオブアメリカから輸入、今秋販売することを明らかにした。製品名は『NESハンズフリー』。あごの先端に当てるスティックと口にくわえるチューブで、あごの動きと吸気・呼気を伝えて操作する仕組み。
出典:出典:じゅげむ1996年11月号

 やはりブルートかッ!

 どうやらこのコントローラの販売にはブルートだけが踏み切ったらしい。そもそもブルート発信→JAG経由→他のファミコンショップさんもどうですか、という流れだった可能性もある。

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 ともかく、NESの周辺機器は一部をのぞいてNEWファミコンでも使用できるので、これはただ単にNESのコントローラを輸入販売しただけの例かもしれないが、ブルートが独自に日本語マニュアルをつけたり、店のオリジナルシールを貼ったりしていたとしたら、えらいこっちゃ。

 極端なことをいえばたとえ1台も売れなかったとしても、1996年に誌面で発表され1999年の時点では少なくとも公式サイトでは販売を継続していたので「日本で販売されていた」という事実には変わりなく、ファミコン対応コントローラのひとつとして新たにリストに加えなければなるまい。というのは暴論だろうか......。

 その辺りをハッキリさせるためにも引き続き調査をしていきたい。
 もし購入したという方がおられましたら、
 是非、お話をお聞かせ下さい。




orotima-ku1.png令和になっても発見が止まりません!

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コメント

障害/者向けコントローラーはXbox Adaptive Controllerが最初だと思っていた。
こんな周辺機器があったとは。
続報に期待します。

こういう普通のゲームが困難な方へのサポート的なコントローラーは非常にニッチですがとてもいいと思います
が、こういうものまでコレクターの方は集めるとなると大変ですねw
顎で十字キーを操作するとなると呼吸で残りのABスタートセレクトを操作することになると思うのですがどうやって使い分けをするのか非常に興味深いです

ファミコンに対応するコントローラなら集める。そうでないなら集めない。非常にシンプルな考え方でやっております。笑。線引きはシンプルにはいきませんが......

実際に遊べたソフトは何だろう
アドベンチャーゲーム以外だとボコスカウォーズと麻雀初級くらいだろうか

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