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『アトランチスの謎』のキャッチコピー「スーパーマリオを超えた!」は本当か?

 先日、FRIDAYデジタルに「サン電子」開発者による座談会の記事が掲載されました。そこに気になる文章を発見。※赤文字は筆者による。

続いてサンソフトが世に送り出したのが冒険アクション『アトランチスの謎』。ステージが100面もあるという壮大さで、こちらも大ヒットを記録した。当時のキャッチコピーはなんと〈スーパーマリオを超えた!〉だった。
竹内「メインプログラマーが僕でした。『パックランド』という横スクロールのゲームが面白くて、自分も作ってみたいなと思っていました。すると『スーパーマリオ』が出て、影響を受けた作品になってしまいました(笑)。あのキャッチコピーですか? んー、お客さんが言うならわかるけど、自分たちで言うのは……(笑)」

 記事によるとファミコン版「アトランチスの謎」のキャッチフレーズは当時「スーパーマリオを超えた!」というものだったらしく、しかもプログラマーの竹内氏も「あのキャッチコピーですか?」と、いかにも認識しているという反応だったのですが……、

 そのようなキャッチフレーズを見たことないんですよねえ。

atoratnthisu11.jpg
出典:ファミマガ1986年4月18日号

 当時の誌面広告やチラシにもそんな文言は載っていません。

 そもそも、他社の作品の名前を出すなんてそんなキャッチコピーがありえるのか?と思われるかもしれませんが、ファミコンのなかにはかつてHOT・Bの『パラメデス』がテトリスの名前を出していたように他社のゲームの名前を出した広告がなかったわけではありません。

paramedessu.jpg
出典:ファミコン通信1990年11月25日号より

 また、VAPの『スーパーリアルベースボール』も他社の作品を堂々と出していましたね……。

スーパーリアルベースボールkoukoku0
 出典:ファミマガ1988年5月6日号

 しかし、『アトランチスの謎』のついては、そんなキャッチコピーを見たことがないのです。古今東西、あらゆるファミコン雑誌に目を通し、あらゆるファミコンチラシを見まくってきた私オロチですら一度も見たことないのです。

 調べてみるとWikipediaに以下のような文言を発見しました。

開発スタッフは、ブログラムに東谷浩明とのむらまさひとが、音楽は小高直樹が担当している。ゲーム内容は、海峡の西方にあったが神罰によって、一日一夜のうちに海底に沈没したといわれる伝説上の楽土「アトランチス」が突如として隆起し、この島を舞台に主人公である「ウィン」を操作して最終面にて囚われている彼の師匠を助け出すのが目的である。当時人気があった同機種のアクションゲーム『スーパーマリオブラザーズ』(1985年)を超えることを目的に開発されており[3]、「あのスーパーマリオを超えた!!」「待ちに待った超ウルトラ・アドベンチャーゲーム!!」とキャッチコピーを据えて発売された(ステージ数は『スーパーマリオブラザーズ』を超えている)。


 しかし、その出典は明記されていないのでした。

 まあ、ファミコン考古学を専攻する者のなかでは 「Wikipediaの情報を鵜呑みにしていけない」なんてのは初歩の初歩なので、そんなことは別に大したことではありません。


 すると、サンソフト公式twitterアカウントが以下のような発言をしていたことが判明。



 どうやらDVD-Book「ザ・ゲームメーカー サンソフト編」の冊子なるものに、そのようなことが書いてあったようです。しかも公式アカウントですら知らなかったようなリアクションを見せているではありませんか!。

 さっそくその資料を入手しました。

Q:『アトランチスの謎』といえば、「あのスーパーマリオを超えた!!」というキャッチフレーズが印象に残りますよね。やはり企画段階から「スーパーマリオ」は意識されてたんでしょうか?
A:いえ、ナムコさんの『パックランド』ですね。メインプログラマーがかなり意識してまして、それを超えるものを作りたいという思いがあって。とにかくステージがたくさんあって、謎がいっぱいあるゲームにしようと。隠れワープゾーンだったり、普通のゲームではやらないような枝を入れたかったんですね。
出典:ザ・ゲームメーカー サンソフト編 冊子より


 あれ、これって……、インタビューのひとが言ってるだけじゃね?。

 なんとその資料は当時のチラシや広告など、現物が載っているわけではなく、“インタビューの人がそう言ってるだけ”だったんですよ。これは雲行きが怪しくなってまいりました……。

 しかし、事態はまったく予想外の方向へ進んでいきます。



 なんとその1年後――

 公式アカウントがさも、それを事実かのようにtweetしているではありませんか。おい、へべれけー。待て待て待てーいっ!!!。笑。

 すると、弊ブログのコメント欄からVMX様より有力な情報を頂きました。なんと、ファミマガ1986年4月18日号では攻略記事にそのようなフレーズが載っていたとのことです。さっそく発掘してきました。こちら。

atoratnthisu0.jpg
※モザイク処理してあります。

 そこにはたしかに「スーパーマリオを超える?注目の大アクションワープゲームなのだ」と記載されていました。

 これじゃないの?。ねえ、これだよね……。

 これをキャッチコピーとかいってウィキペディアンが書いて、それをザ・ゲームメーカーのひとが鵜呑みにしてインタビューして、それを公式アカウントが事実と思ってtweetして、それを今回、Fridayのひとが事実のようにインタビューしたら、プログラマーのひとも事実だと思っていて、答えたんとちゃうの!?。

 真相は如何に……。



<追記>

 その後の調査でWikipediaによる改変のあとが発見されました。

atoran04.jpg

  過去の編集歴を調査したナポりたんさんによると、2006年4月29日 (土) 09:51‎ にこのような改変が行われていたとのこと。

 おいおい……、「誰かがそう言っていた」って話が、見事に「キャッチコピー」にすり替わってるやん……。もう、これでしょ。ねえ、これだよね?。

 真相は如何に……。




orotima-ku1.png絶賛情報を募集中!
もし存在したらスミマセン!(先に謝っておこう)




資料協力:ナポりたん さん
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コメント

早速の記事化ありがとうございます。
今後“「スーパーマリオを超えた!」の広告”が発見される可能性も無い訳でないとはいえ、やはり現時点ではこの推測が妥当なのではと感じますね。

ファミコン時代で他社の作品の名前を出す広告だと、バップの『スーパーリアルベースボール』が思い出されます。
クロマティを起用していて結構インパクトがありました。

VMXさん
コメントありがとうございます!
wikiの改変について追記しましたので
よろしくお願いします。

13323
スーパーリアルベースボール、追記しておきました!

>wikiの改変
「あのスーパーマリオを超えた!!」と、ソース無しに「あの」を追加しているのも同じ人のようですね…(URL参照)

迷宮組曲

記憶が曖昧ですが、「迷宮組曲」もファミコン雑誌の中で、「あのスーパーマリオを超えた!?」のような見出しが付いていた気がします。

貼られているWikipediaの概要
「広告キャッチコピーに据えて発売されたが、」の後に続く文章もまあ酷いもんだ
当時の基準で操作性も難易度も普通だし、複雑なステージ構成はむしろ売りの部分だしEDの師匠なんて不評を買う要素でもなんでもない単なるお遊びだし、光の明滅が危ないという認識が広まったのはポケモンショック以降なんだよなあ。
なんかGCCXあたりでアトランチスを見たエアプ勢が妄想で適当言ってるようにしか見えない

記憶が正しければ、「いっき」のカセットの付録に新着ゲームの宣伝が入っていて、そんな感じのコメントがあったような?
アトランチスの名前は記載無く、新作のゲームとしか書いてなかったような気がしますが?

いっきに入ってるチラシには

待望の第4弾予告
超ウルトラ・アドベンチャーゲーム
神秘の洞窟の中で、ヒーローが体験するのは何か?
君の実力で、挑戦してほしい。
よみがえる帝国アトランチス
つぎつぎとせまりくる恐怖!気をぬくひまはない。
ダイナマイトで敵をたおし、秘宝を集めよう!!

と書いてありますね。

wikiって怖いなあ、と改めて思ってしまった

Wikipediaのキャッチコピーのこの辺は流石に要出典で戻せるんじゃないかな。
操作性の辺りは、あの頃の基準でも厄介だったから文句ないけども、聖闘士星矢とかも嫌になる。

スーパーリアルベースボール面白いんですけどね
操作方法が独特で友達に覚えてもらえなくて対戦できなかった
もはや跡形もありませんが当時は究極ハリキリスタジアムも人気でしたね

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