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人気があり過ぎて中古屋が再販させちゃったファミコンソフト伝説

<人気のわりに出荷数が少ない・・・・・・>

 スーパーファミコンが満を持して登場し、新たなる任天堂帝国を築き上げようとしていた時代に、初代ファミコンがまだまだ健在だったことを示すエピソードを紹介しよう。

 1992年春。
 人気のわりに出荷数が少なく、中古市場にもあまり出回らない、少々悩ましいファミコンソフトがあった。そのソフトが発売されたのは88年、この時点でじつに4年も経っていたのだが、当時流れていたTVコマーシャルは子供たちに強烈なインパクトを与え、今でも心に残るCMとして語り継がれているという・・・・・・


 そのソフト、ファミコンウォーズ!

famiwasdfz.png

 「ファミコンウォーズが出たぞー!」でお馴染みのウォー・シミュレーションゲームだ。

 今までシミュレーションゲームといえばデータが並んでるだけのつまらない画面。小難しいシステム。そもそも何をしていいのかわからないゲームというイメージだったかもしれないが、本作では見事に任天堂マジックが炸裂!
 単純明快、それでいて奥の深いシステム。コミカル、それでいてエキサイティングなビジュアル。初心者にも優しいゲーム設計で、シミュレーションゲームを敬遠してきたようなユーザーの支持も獲得。任天堂自身もシミュレーションゲームという新たなジャンルに手ごたえを感じた作品だったようだ。(この経験を活かして生まれたのが名作『ファイアーエムブレム』シリーズだと言われている)


 発売から4年経ってもその人気は衰えを知らず、中古ゲームショップでは買取価格およそ2000円、販売価格4,000~5,000円前後と、場合によってほとんど定価(5,500円)と変わらない値段で売られているのが現状だった・・・・・・

 
 また、このソフトには懸念材料がもう1つあったことを付け加えておこう。

 それは、なぜか知らないがバッテリーバックアップが飛びやすかったこと。ファミコン少年たちの間では有名な話である。


「なんとかしなければ・・・・・・」

 そこで立ち上がったのは意外にも中古ゲームショップを経営する7つの会社だった!



<『ファミコンウォーズ』を再販させた謎の団体>

 ジャパンテレビゲームチェーン協会(JAG)は日本初のゲームショップによる組織である。加盟店は以下の7社。

・カメレオンクラブ(山口県下松市)
・ブルート(広島市)
・TVパニック(豊中市)
・わんぱくこぞう(岡山市)
・モンキーランド(大阪市)
・ドキドキ冒険島(浦和市)
・不明(福岡のゲーム屋?※資料によってまちまち)

 彼らはゲームショップの中でも一目置かれた存在だった・・・・・・

tvpanicrologo.png
 ※当時のTVパニックのロゴ

 1983年にファミコンが発売されて以来、各地にゲーム専門店が誕生し、それぞれが「ファミコンショップ」を名乗るのは自然な流れだった。しかし「ファミコン」は任天堂の商標だったため1991年になり、複数のゲームショップチェーンが任天堂に「ファミコン」の使用を許可してくれるよう申請したのだ。

 その結果、許可が下りたのがこの7社というわけだ。

 そして92年、『ファミコンウォーズ』をとりまく状況をただ指をくわえて見ているような彼らではなかった。さっそく「7社会」という、ジャパンテレビゲームチェーン協会と同じメンバーだけど営利目的の別団体を結成。

 7社会のチェーン店(全国合計1017店)が協力して『ファミコンウォーズ』を5,000本発注することによって任天堂に再販を決意させたのだ!



<かくして『ファミコンウォーズ』は再販された>

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 ※当時のチラシ

 結局『ファミコンウォーズ』は発売(88年8月)から4年も経った92年5月に5000本限定で再販されることが決定した。さらに驚くべきはチラシの「ニューバッテリーバックアップ搭載」という一文(ファミコンウォーズのロゴ左上辺り)だろう。
 なんと再販版では、飛びやすかったバッテリーバックアップが改良されていたのだ!

 おいおい、だったら最初から飛びにくく作っておくれよと思わずつっこみたくなるが、きっと4年もの歳月がそれを可能にしたのだろう。

 いずれにせよ、今回の再販劇を皮切りに7社会は「過去の名作をどんどん再販していくぞ!」と息巻いていたらしいが、その後、彼らがどうなったのか誰も知らない・・・・・・(私オロチがこれ以上、調べるのが面倒になっただけという説もある(笑)


 このエピソードのポイントは以下の3点である。

・中古ゲームショップの団体が再販を希望した
・そのとき、発売から実に4年も経っていた
・再販版はバッテリーバックアップ機能が強化された




<通常版と再販版の違いは?>
 
 そこで気になる通常版と再販版の違いだが、僕が調べた限りではファミコンウォーズにはカセットの裏にFFマークがついてるのとついてないのがあるということがわかったのみ。

fmasdimz00.jpg


 上がついてないバージョンで下がついてるバージョン。
 はたして、どっちが再販版なのか、はたまたどっちも違うのか、っていうか、もっと種類があるのか・・・・・・

 また、バッテリーバックアップ機能は単に強化されただけなのか、バンクの数が増えたりしたのか、それ以外の内容に変更点はあるのか、まったくもって不明である。

 どなたか詳しい方、是非とも情報ください!m( _ _)m


 まあ、なんにせよ『ファミコンウォーズ』は少なくとも2種類あるということで、ファミコン総数の問題が浮上するかもしれないが、(詳しくはこちら↓)

 ファミコンの全タイトル数は本当に1252本か!?

 総数問題に絡まなくても、バージョン違いリストには載せてもいいと思う。それに5000本って多いようでけっこう少ないから、もし明確な違いがわかれば、プレミアがついちゃうかもね!(っていうかもう付いてるかも)


 ということで最後に、なつかしのCMをどうぞ!



 母ちゃんたちには内緒だぞ~♪



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コメント

よく当時のチラシをみつけましたね

VC版がセーブ数(バンク数)ひとつだったので、多分再販版も同じだと思います。確証がないですが…。

あと、この後も再販シリーズが続いて、FFマーク版ドンキーコング1&Jr、アイスクライマー、バルーンファイトなどがリリースされたので、この再販はある程度は成功したのではないかと思います。

5000本は少ないように見えますが、再販された1992年はスーファミでスト2やマリオカートやドラクエ5が発売され、ファミコンユーザーの多くがスーファミに移行した時期でもあったので、この5000本の再販は異例中の異例だと思います。

まあ1993年に発売されたカービィがミリオン越えたのは驚異的ですが(笑)

みやたさん、いつもありがとうございます!
なるほど。けっこう再販やってたんですね。ってことはFFマークつきが再販版?

広島市のは、「プルート」(PLUTO)ですよ。細かいですけどー

広島のはブルートで良いだろ。 プルートってなんだ?

確かにブルートだった覚えがある

母ちゃん達には内緒だぞ

広島はブルートで合ってるよ。
ブルートを経営していた会社が、その後レンタルポパイや、
ネカフェポパイを経営だよ
ブルーとはその後権利を売ったらしいけどね。
信じる信じないは、人それぞれってね。

FFマークついてる方が再販

子供の頃は知らなかったが
CMはフルメタルジャケットのパロディだったのか…

最後の2人がハートマン軍曹と太っちょを彷彿とさせるw7713

アースライトもバックアップ飛び易かった……。

分かりやすいけど某芸人は??で出来なかったね

このゲームが飛びやすかったのに加えてファミコンの方のACアダプタが磁石で着脱タイプだったから、誤って外れて全飛びしたのも今はいい思い出。

それにしても中古ショップ連合会に何故一社だけ東日本の浦和の店が?しかもこの時期に自分は浦和に住んでいたのに全く知らない店、まぁ浦和といっても広かったし(当時のイメージ)。

バックアップが飛びやすかったし、カセットの思考時間も恐ろしく長かったな。
こっちのターンが終わって風呂に入ってジュース飲んで戻ってきたらまだ考えてる。

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FFマークは1988年10月23日発売のスーパーマリオブラザーズ3から本体ソフト及び周辺機器に付くようになったというのが有力です。
ファミコンウォーズの発売は8月12日。
ですので、付いてないものが再販と考えていいと思いますよ。

当時小学生でしたが、マリオ3のパッケージをしげしげと眺めて見たことのないかわいらしいマークがついちゃってるな、と思ったものでした。

ACアダプタが磁石で着脱?

シボ加工には前期後期タイプがあって、表側斜面にシボ加工されていないのが前期(88年4月頃)、されているのが後期(89年年末から)となります。

ファミコンウォーズは発売日から行くと前期タイプですが、たまたまFFマーク付に変わる直前だった為初期再販時で既に裏シールにFFマークが入った可能性があります。

92年再販時は時期的に後期タイプになるはずですので、FFマーク付+斜面までシボ加工されているタイプが所謂再販タイプと呼ばれるバージョンに該当する可能性が高いのではないでしょうか?(90~91年にも再販されていたら区別付きませんが)。

ちなみに880606タイプは88年7~9月の間しか使われなかった短命タイプです。

てつじょさん、メール送ったけど返ってきましたよ!

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