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『カラーテレビゲーム』を成功させた任天堂の奇策とは!?

 今回はファミコン以前のお話・・・・・・


<レーザークレー射撃場で大失敗>

 1970年に「光線銃」を大ヒットさせ、気をよくした任天堂がそのノウハウをつぎこんで完成させたのがレーザークレー射撃場システムだ。任天堂はブームが去ったあとのボーリング場の跡地を再利用し、これを全国展開させようと目論んでいたのだ。

 1973年、世界初の「レーザークレー射撃場」が京都にオープン。取材陣が押し寄せるなどして注目を浴び、連日、大盛況だったという。

 そして任天堂の狙いは見事に当たる。

 閉鎖したボーリング場の活用に悩む全国各地のオーナー等から注文が殺到したのだ。さらに海外からの発注も相次いだというのだから笑いが止まらない。任天堂は喜び勇んで「レーザークレー射撃場システム」の生産をフル稼働で開始するのだが・・・・・・

 まさかの第1次オイルショック!! 次々と注文はキャンセルされ莫大な借金だけが残ったという。


 参照記事:任天堂「失敗の歴史」 ~インスタントライスから3DSまで~



<任天堂とテレビゲームの出会い>


 さてそんな失意のどん底にいた任天堂が活路を見出したのがテレビゲームだった。

 提携先が倒産して困っていた三菱電機から「やってみないか」と声をかけられたのだ。おりしも日本初のテレビゲーム機『テレビテニス』がエポック社より発売され、ちょっとした『ポン』ブームが起こっていたときだった。パッケル測器などさまざまなメーカーから同じようなゲーム機が続々と発売されていた。(参照
 だが、それらの多くはモノクロゲームだったため「カラーならいけるんちゃう!?」と山内社長(当時)はテレビゲーム機の開発に踏み切ったという。

terebitenisuim-zu.gif
※『テレビテニス』イメージ図

 しかし問題は値段だった。カラーにするとそれだけコストが高くなる。開発担当者はのちに“ファミコンの生みの親”となる上村雅之氏だった。社長がかかげた目標は1万円を切ること。他のモノクロゲーム機が2万円前後している現状(組み立てキットを除く)を見る限り、カラーゲーム機が1万円を切るなど不可能だと思われた。

 上村氏は連日のように三菱電機へ出向き、交渉に交渉を重ねたというが、1万5千円のラインが限界だったのだ・・・・・・



<結局、新しいゲーム機は1万円を切った!?>


 かくして任天堂は1977年7月『カラーテレビゲーム15』と『カラーテレビゲーム6』という2種類のゲーム機を発売した。その価格は『15』が限界と言われた15,000円だったのだが、『6』のほうは、なんと9,800円と1万円を切っていたのだ!

kara-terebige-mu15.jpg
 (C)任天堂

kara-terebige-mu6.jpg
 (C)任天堂


 任天堂はどんなウルトラマジックを使ったのだろうか!?



<『カラーテレビゲーム』を成功させた任天堂の奇策>


 そこには山内社長(当時)の妙案が炸裂していた。なんと、この『カラーテレビゲーム15』と『カラーテレビゲーム6』は内部構造的にはまったく同じものを採用したのである!

 そこで何をしたかというと・・・・・・

 『6』のほうは15個あるスイッチのうち9つを不能にしたのだ!


 つまり、わざわざ15種類できるゲーム機を物理的に6種類しかできないようにしまったのである。しかもコントローラを本体一体型にすることによって、さらなるコスト削減を実現すると共に、それによって“2人対戦がやりにくくなる”というデメリットまで好都合とばかりに、『6』の値段を赤字覚悟の1万円切った設定にしたのである。

 すると安さで『6』に飛びついたユーザーは結局、「『15』のほうがコストパフォーマンス高くね?」となるわけだ。なんという奇策!(笑
 あえてゲーム機能を制限して売るという意味ではアンロック商法のさきがけだったのかもしれない・・・・・・

 とにかく『カラーテレビゲーム15』は『6』と合わせて80万台を売る大ヒット!

 しかも『15』のほうが圧倒的に売れたので『6』の赤字は解消。それどころか、レーザークレー射撃場の大失敗で傾きかけていた会社の体制を立て直すことにも成功する。そして息を吹き返した任天堂はのちに『ゲーム&ウオッチ』で完全復活することになるのだが・・・・・・

 それはまた別のお話。
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コメント

この発想、今ではCPUなどでよく使われてますな
クアッドコアのCPUの内不安定な動作を見せたコアのスイッチを切りトリプルコアとして売り出すとか。

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 失われたファミコン文化遺産「ショップシールの世界」2020年6月26日発売

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