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ファミコンカラーの謎「なぜ赤と白のプラスチックが安かったのか?」

 <追記>
 ファミコンカラー論争については終止符が打たれました。「当時、その色のプラスチックが一番安かったから」という説はガセネタです。詳しくはこちらの記事をごらんください。

ファミコンカラー論争に終止符!! 開発者「プラスチック安価説は間違いです」




<ファミコンカラー安価説>

 ファミコンカラーといえば赤×白というのはもはや常識となっている。

famicomnohakonoe01.jpg

 じゃあ、なんで赤×白なのか?

 それは当時、その色のプラスチックが一番安かったから。つまり任天堂は積極的にその色を採用したのではなく、コストダウンを実現するためにそうなったという“安価説”がネット上では事実のように広まっている。

 僕はずっと、この説について疑問に思ってることがあった。それはなんで赤と白が安いのかという点だ。

 近年になってこの安価説をトリビアとして紹介するゲームサイトや、有名ブログなどは増えたが、この疑問点については皆スルーであり、それどころか出典の明記すらしてないところが大半である。

 昨年、放送されたテレビ東京「ジョージ・ポッドマンの平成史」ファミコン史編ではこの説はあくまで仮説ということで紹介されていた。やはり「なんで赤と白が安いのか」が解明されない限り、仮説の域を出ないのだ・・・・・・



<安価説の出典はテレビ番組だった!?>

 そもそもこの安価説はNHKが1996年に放送した番組「新・電子立国 第4回 ビデオゲーム~巨富の攻防~」※1内でファミコンについて

「ボディのプラスチックは製造コストの低い赤と白を選んだ」

 という解説がなされるところが出典とされているようだ。しかし番組でもそれ以上の言及はなかったと思われる。

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 僕がこの説を耳にしたのはそれよりずっとあとだったが、そのころから僕は街中の歩道橋やビルなどをよく観察するようになった。
 ファミコンの赤(最近はアズキ色というらしい)と同じ色のものが、街中にはどれくらいあるのかチェックする癖がついていたのだ。
 
 なぜならアズキ色のプラスチックが安いということは、アズキ色の塗料が安いということだから、つまり街中がアズキ色の物体であふれてなければならないと考えたからである。(ツッコミどころは多いけど、僕は大真面目である)

 しかしアズキ色のものなど建設現場の鉄筋ぐらいで、そうそう街中にあふれているようなものではなかった・・・・・・
 

<ファミコンカラー安価説に新説が登場!?>

 そんな中、安価説について新しい角度から仮説を唱える記事があったのだ。

 こちら↓

初代ファミコンがアズキ色である理由(ゲームウォッチ仮説)(かのろぐ)
kanorogu.jpg
 ※サムネイル画像クリックでリンク先へ

 記事では安価説の最大の難点である「なぜアズキ色のプラスチックが安かったのか」という疑問について、任天堂がファミコンより前に爆発的ヒットさせたゲーム&ウオッチにおいて、アズキ色のプラスチックが使われたからだとする説を展開している。

 なるほど。

 詳しくは記事を読んでいただくとして、僕はこの記事を読んで、長年ノドに刺さっていた魚の骨が取れたような気がして、すごく嬉しかったのだ。それよりも僕と同じ疑問を持ったひとがいたことが嬉しかったのかもしれない。

 いずれにせよ、僕はもう意味もなく建設現場を眺めたりすることはないだろう。これだけは断言できる(笑


 なお、このファミコンカラーの謎についてはひきつづき調べを進めていくつもりなので、なにか有力な情報をお持ちの方がいたら、ぜひ教えていただきたいと思っています。
 よろしくお願いします。



 ※1 「新・電子立国 第4回 ビデオゲーム~巨富の攻防~」 この番組はアタリのノーラン・ブッシュネル氏をはじめ、任天堂の山内元社長、ファミコンの生みの親上村氏、マリオの生みの親宮本氏、ハドソンの工藤元社長などそうそうたるゲーム界の巨人たちが出演していることでも知られているが、「ボディのプラスチックは製造コストの低い赤と白を選んだ」という解説は誰かの証言という形ではなく、ファミコンの映像が映し出された場面でのナレーションによるものだった。
 したがってNHKのスタッフが独自に取材したネタだと思われる。(もちろん誰かの証言をもとにしてると思うが)そういったところも、この安価説が仮説の域を出ない要因かもしれないが、そんなこと言い出したらキリがないので、参考までに補足しておく。
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コメント

ファミコン紅白カラーの情報

はじめまして、ファミコン世代、FCカセットコレクター(現在460本ほど、ライフワーク?としてコンプリート目指しております・・^-^)の一人として、
いつも楽しく拝見させていただいております。

「Tech-ON!」の
『【ファミコンはこうして生まれた】 第8回:ファミコン誕生、家庭用ゲーム機の代名詞に』
という記事に、当時の社長の山内さんの「外観色へのこだわりて決まった」との記述があります。

当時、マフラーを開発者に持参して「この色で」と指定されたそうです。

蛇足ですが、私も仕事でプラスチック樹脂成型部品の設計を行うことがあるのですが、樹脂ビーズの色によるコスト差はあまり生じません。コストに支配的なのは部品サイズ、形状、そして生産ロット数です。さらにいうと、ファミコンカラーの白は成型時に異物(黒いごみ)が少しでも混入すると目だって不良品になるので、黒色のものより歩留まりが悪くなる傾向があり、コスト高になる傾向があります。ですので、「部品・製造コストで色を決めた」のではなく、「外観へのコダワリ」から決まった色ではないかと思います。
*長文の書き込み、大変失礼いたしました、これからも管理人様の楽しいファミコン記事を楽しみにしております。

「趣都の誕生」では秋葉原の日本的なイメージの多さという読み解きで、ファミコンカラーは日本国旗(日章旗)の色使いと同じというのが書かれてた記憶が…。うろ覚え。

色使いの本当の原因とは違うけど、無意識の範囲での作用としての読み解きとしては面白いと思った。

1267. ひとポン999さん

 情報ありがとうございます。社長の指示説など、今回あえて他の説については何も触れませんでした。
 色によるコストの差はあまりないというお話、そして白のほうが実はコストが割高というお話、非常に興味深いです。たしかにゴミ混入のリスクを考えたら、NESのようにグレーとか、もっと深い色のほうが安いのではないかと考えるほうが自然ですね。納得です。そう考えると安価説もあやしくなってくるなあ。


1268. 名無しさん
なるほど日の丸ですか、そういえばファミコンカラーって日の丸カラーですね。気づかなかった(笑、その説もおぼえておきます。

どうも初めまして

ひとポン999さんの文章読んだ上で「製造コストの低い赤と白~」というくだりを
よくよく考えてみると「製造コストが低い」という言葉がかかっているのは
赤だけなのではないかと

赤のほうが安いのはゲームウォッチで説明がつきます。

①コントローラーとゲームウォッチは同じ位の製品サイズなので
 金型の入れ替えだけで同じ成型機の使用が可能(新規設備不要)

②おそらく任天堂はゲームウォッチと同サイズのため、ゲームウォッチと
 同じ下請け(射出成型)に出してる可能性が高い。その下請けは
 ゲームウォッチで相当な利益出してるから絶対任天堂の仕事をとるべく
 コストを落としてくるはず。

③その射出メーカーの提案がゲームウォッチと同じ色の樹脂ビーズにすれば
 材料費と管理費を安くするといった可能性は高い。
(ゲームウォッチ時代に相当なロット数作ったはずなのですでに安く樹脂メーカーと
 契約しつつ、さらにファミコンのロット数も足してしまえば
 もっと安く契約したかも)

そして白のほうですけどやっぱり安くなる要素はないと思います。
白といえば当時のPCの一般的カラーですし、イメージを優先して
白色のみ社長の指示なのかもしれません・・・


白色は社長の指示

赤(小豆)色はコスト低減

実はどちらの説も正しいのかもしれません。

 ブログ「かのろぐ」執筆者の加納です。注目して下さってありがとうございます。そちら様のコメント欄に投稿されていましたプラスチック業界関係者の方々の情報が、とても有意義で、勉強になります。
 触発されまして、続編的な記事として、『ファミコンカラー研究その2・「任天堂伝統色」説』というブログ記事を、書きました。よかったらこちらもご覧になって下さい。

みのさん

製造コストの低い赤、そして白というわけですね。なるほどそういう解釈もできる。ただある筋の話ではあの番組自体、かなり話をつくってるところがあるらしいです。そうなってくると本当に、何が真実なのかわからなくなりますが。

かのろくさん

コメントありがとうございます。さっそくチェックさせてもらいます。またよろしくお願いします。

当時はガンプラ人気が廃り始めた頃でしたからね
ガンダムカラーの原材料が在庫駄々余りしてただけですよ

詳しく書いてる方がすでにいますが
色によるコスト差はほぼ無いです。
ですがプラスチックの製品は部品を外した後の
いわゆるプラモデルのランナー的な部分を
刻んで溶かして再利用して作ることが多いので
黒っぽい色のほうが混ぜ物がしやすく現場レベルでは
多少安くなるはずです。

ファミコンの色を生産コストできめたというのは
TV番組のつくり話だと思いますよ。

開発者の一人が、社長(山内氏)の好きな色だったから

と、ちょっと前になんかのインタビューで答えてました

当方、廃棄プラスチック製品のリサイクル業の会社に勤めております。
この業界において、プラスチックの原料で
一番高値で取引されているのは、透明(natural)、次いで白(white)だというのは周知の事です。
ちなみに一番安価なのは黒。

コストダウンの為に白色を選んだというのは、私的にはとても考えにくい事です。

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